2015-07

60年安保と今。

7・30集会のメインスピーカーは作家の保坂正康さんだった。60年安保の岸信介に対する思いを語る。なぜあの時あれほどの人が声を上げたのか。

岸信介なる人物への「不信」「嫌悪」の思い。これが人々を突き動かしたと指摘する。戦前は背広組の最高責任者として戦争を指導し、敗戦後一転戦犯となる。冷戦が始まるとかつての敵国に命を救われ利用される道を選ぶ。少なくとも多くの国民はそんな岸の生き様から不信や嫌悪を皮膚感覚として感じ取っていたのだろう。

その彼が、米兵と同じように自衛隊も血を流すべきと双務的な日米同盟を結ぼうと企てている。ダメだと国民は立ち上がる。

今とよく似ている。日本の若者も血を流すべきと詭弁と嘘を繰り返し、強行する岸の孫。岸と同じ感覚を現代の国民に抱かせる。

当時と今、大きく違う点が一つあると保坂さんは言う。60年安保の時は総評や社会党が闘争の中核に座っていた。今はそんな労働団体も政党もない。

全国で声をあげ行動を起こしているのは、普通の人々。そこが違う。

集会で僕の前にいたサラリーマン風の男性。シュプレヒコールが始まったがじっと動かない。だがしばらくすると恥ずかしそうに手が小さく上がった。そしてついに一緒に拳を突き上げた。初めてなのだ。

保坂さんは、今のままでは死ねないとも話す。もうしばらく長生きして現代の妖怪を倒す運動を続けたいと。

同じ思いの普通の高齢者は多いに違いない。老若男女一緒に拳をあげる。

70年の戦後民主主義は伊達ではなかった。しっかりと根付いていた。普通の人々が行動を起こすことで思いを共有する。安倍なるものの不信感や嫌悪感を確認する。そしてそれはもっと伝播していく。必ず。

2015-07-31 | Posted in 日記No Comments » 

 

「老いてなお非戦のバッヂ炎天下」

7月31日の平和の句

中野 恵美子(66)さん 埼玉県狭山市

金子 兜太 「非戦」のバッジをつけて。炎天を颯爽と歩いていた老婦人よ。

いとうせいこう そのバッジで「駅前広場」を歩く老婦人がいたという。私も着けて歩きたい。

東京新聞より

孝 かっこ良い。デモに参加することも「かっこ良い」になってきた。老若男女関係ない。

2015-07-31 | Posted in 日記No Comments » 

 

官邸の落日

いよいよ週刊誌も書きだした。週刊現代の今週号の特集は「安倍晋三 あっけない退場」だった。つい最近まで無投票で安倍再選といわれていた自民党の総裁選だったが、間違いなく選挙とも言われだした。

そんな中、月刊誌「ファクタ」8月号はGPIF次期理事長選びの難航ぶりを伝えている。菅官房長官と塩崎厚労大臣の対立で後任人事がうまくいかず、仕方なく8月頃まではと現理事長が留任で落ち着いた。ところがその8月が間近なのに未だ後任が決まっていない。官邸がひそかに打診し続けているが、ことごとく断られているという。

人事権をフル活用して権力掌握した官邸=菅官房長官だったが、籾井NHK会長人事の失敗で誰もが用心し始めたそうだ。官邸が激怒して日本郵政社長を切られた元財務官僚が次の職についたが、ここも官邸の圧力で退かされたとか。その執念深さも裏目に出だす。

「驕れる者は久しからず」はやはり安倍内閣にもあてはまる。官邸の落日が見えてきた。

2015-07-30 | Posted in 日記No Comments » 

 

「遣(や)っつける話ばかりや蝿叩(はえたた)き」

7月30日の平和の句

米谷 隆(67)さん 石川県小松市

いとうせいこう 勇壮な話ばかりする人たち。まさか「遣っつけられない」と思っている人たち。個人のうっぷんを国家で晴らそうとする人たち。そこに蝿き。

東京新聞より

2015-07-30 | Posted in 日記No Comments » 

 

磯崎補佐官、問題発言のオンパレード

磯崎首相補佐官の問題発言は「法的安定性は関係ない」だけではなかった。

朝日新聞が補佐官発言の要旨を掲載した。まず冒頭から問題発言だ。

磯崎 「政府はずっと必要最小限度という基準で自衛権をみてきたが、時代が変わった。だから集団的自衛権でも我が国を守るためのものであれば、良いのではないか」。

東京新聞で柳澤(元内閣官房副長官補)さんも指摘しているが。政府がみてきた「必要最小限度」とは「日本が武力攻撃を受けた場合」における必要最小限度の武力行使であった。集団的自衛権は「日本が武力攻撃を受けていない場合」でも行う武力行使のこと。磯崎氏によれば「必要最小限度」はどこまでも拡大するものらしい。しまいに核武装も必要最小限度と言い出すかもしれない。核武装による抑止力も自衛権の範囲といえばOKだから。こんな理屈は成り立たないというか、危険極まりない。

磯崎 「法的安定性は関係ない。我が国を守るために必要であることを、憲法がダメだということは、ありえない」。

もう無茶苦茶な論理。お腹がすいた人が空腹を満たすためにおにぎりを万引きして食べても、違法じゃないと言っているようなもの。しかも法的安定性は関係ないとなると、お腹がいっぱい空いた人は良くて、ちょっと空いた人はダメというようなもの。こんな思想だから問題発言でも問題と感じずにしゃべってしまう。

磯崎 「政府の憲法解釈は、時代が変わったから必要に応じて変わる。憲法学者がダメだと言って、(政府も)ダメなんて言ったら、国は守れない」。

憲法の範囲内で政府は政策を行使できる。国防であっても同じこと。例えば最近、アメリカで同性婚が認められた。日本でも社会状況が変化しているのは同じだから、我が国は解釈変更で同性婚を認めよう、と言ったら納得するか。おそらく彼の思想性から言っても「絶対ダメ」と目くじらたてるのは目に見えている。

突っ込みどころ満載の磯崎発言である。

2015-07-29 | Posted in 日記No Comments »