2015-07-03

民衆を舐めるな。

昨年9月にヨーロッパに行った時、スコットランドでは国民投票日が間近に迫っていました。ホテルのテレビを付ければ、街角、街角での運動風景がいつも報道されていました。その時、この国と、これも民主主義国家であるはずの日本の違いに愕然としたのでした。

日本では、その前年の12月6日未明。深夜の闇に紛れて「特定秘密保護法」という国民の圧倒的多数が反対する法案が、強行採決され、2ヶ月前の7月1日には、戦後70年の憲法解釈を変更する蛮行が、たった十数人の閣僚によって決められ、国民の多くが知らないというか知らされない中で、我が国の首相は、世界に出かけ、違憲の閣議決定を背景とした安全保障外交を展開しました。

極めつけは、まだ法案も中身も国会に知らされていない中で、米国との協議が持たれ、集団的自衛権行使を前提とした新日米ガイドラインが確認され、我が国の首相は米国の上下両院で、他国の国会議員の面前で、中継されている映像を観ている他国の国民に対して、問題の安保関連法案を夏までに「成立させる」と豪語しました。

安倍政権のこの間の政権運営は、憲法の基本である主権在民、平和主義、基本的人権を全く無視した卑劣極まりない行為と言わざるを得ません。ここまで国民は愚弄されても黙っているのか。

そんな中、今度は7月5日の国民投票に向けギリシャでは、反対派、賛成派双方の運動が展開されています。またです。この政治の違いに愕然とします。仮に日本がギリシャのような状態に置かれたとします。我が国の政府はギリシャ政府のような国民に選択を求めるような対応をとるでしょうか。きっと今のままでは「否」でしょう。残念ですが。

しかし、そんな国、日本においても、国会論戦を通じて法案の杜撰さ、政府が進めたい国のあり方、それも国民の意思を無視して、という安倍政権の横暴ぶりが、政権の本質が、やっと国民に理解され始めました。

動きは全国で広がりつつあります。

例えば国会周辺でが連日集会や座り込みが行われています。

日弁連は、9日に集会を、10日には女性弁護士101人がリレートークをします。全国各地で反対運動を展開し、法律家6団体は連続して院内集会を開いています。NGOは2日に「非戦NGOネットワーク」を設立し、集会を開催。宗教界は座り込みや院内集会を開催。浄土真宗大谷派は法案反対表明を行いました。憲法学者も黙っていません。3日に国会までリレートークを行いました。立憲デモクラシーも4日「集団的自衛権を問う」という公開講演会を行います。

若者も動き始めました。札幌、東京渋谷では集会やデモを行いました。その動きの中心は学生のSEALDS(シールズ。自由と民主主義のための学生緊急行動)です。日本ペンクラブも自民党議員の言論抑圧発言で新聞労連、出版労連、民法労連が動き出しました。

瀬戸内寂聴さんが病気をおして国会前で演説し、1日に参考人質疑では鳥越俊太郎さんが発言しました。澤地久枝さんらの呼びかけで7月18日に全国一斉行動も決定しました。

この他、街頭ビラもあっという間にはけるようになったこと。「お金がないし、東京にも行けないが何かしたい」と声をかけられる事例も多くなっています。

これに合わせ、集会等で呼びかける募金活動も主催者がびっくりするほどの額が集まっています。

民衆の民主主義、平和主義に対する思いに安倍政権が火をつけたのです。70年という日本国憲法のもとでの国民生活は伊達ではありません。日本の民主主義を平和主義を舐めるな!です。

皆さん、各地で行動を起こしてください。奇跡ではありません。政権を追い込みつつあります。平和を民主主義を求める私たちの力をもっと集めましょう。

 

2015-07-03 | Posted in 日記No Comments » 

 

「梅雨寒やもの言う人が消えて行く」

7月3日の平和の句

田中 亜紀子(43)さん 津市

いとうせいこう また一人また一人とうるさがたがいなくなる。寂しく不安だが、その分を私たちが補う以外にない。そうでなければもっと多くを失う。

東京新聞より

しかし、安倍政権のあまりの横暴ぶりが日本国民の心に眠っていた民主主義、平和主義の思いに火をつけた。声を上げ、行動をおこしつつある。戦後70年の現憲法のもとで生きてきた民衆を舐めるな。

2015-07-03 | Posted in 日記No Comments »