2015-07-01

ギリシャ問題はIMF問題

一昨日のこのブログでギリシャデフォルトと書きましたが、正確には「デフォルト=債務不履行」ではなくて、「延滞」だそうだ。IMFも今日午前0時時点で返済がなければ、債務が「延滞」になったとするらしい。

報道では「デフォルト」とばかり喧伝されるので、てっきりそう思いこんでいました。確かに期間までに返済できなかったので債務不履行なのは事実でしょうが、民間決済とは違ってIMFの融資は政治的な意味合いが大きい。だから「延滞」とし、今後の決着の方向を探る道を残すということのようです。

よって今回のギリシャの問題を「デフォルト」と表現するのは、危機を煽りかねない表現でした。反省です。

ところでギリシャ債務の8割近くがIMFやECB(欧州中央銀行)やユーロの国々なので、民間に飛び火して欧州全体が危機に陥ることはないようだし、ECBのギリシャ中銀への融資は継続されるので大変な危機がすぐにでもやってくることはありません。舞台はギリシャ国民とIMFとの戦いとなっています。

チプラス首相は突然7月5日に国民投票を実施して、IMFやEUが求める緊縮財政策の賛否を問うという戦術に打ってでました。今年の総選挙の結果からするとまた反対派が上回ると思います。そうなるとギリシャ国民がIMFやEUの要請にはっきり「No」といったことになります。その後、さらなる強行対応がIMFにとれるかです。EUは様子見です。

住民投票が反対となっても、ギリシャがユーロから離脱することはありません。とするとギリシャと国民をユーロの仲間が見捨てることができるでしょうか?おそらく無理です。

IMFはパックス・アメリカーナの中心的存在でした。もっといえばアメリカの金融資本が無理な融資を行なってバブルをつくり、崩壊させ、金融不安にする。そしてIMFの融資を条件に緊縮財政策を押し付け、国民の資産から返済をさせるというのがこの間のやり方。まさにオリンピックまでのバブルとその後の崩壊、そして金融不安はピッタリです。

ギリシャのチプラス首相はIMFやアメリカのこのようなやり方と戦っているわけです。結末はIMF体制そのものを揺るがしかねません。IMFやユーロの出方次第では、チプラス首相はロシアや中国との関係を強めるでしょうが、ユーロ諸国はギリシャを離脱させることはできません。

ヨーロッパの小国の首相が世界を敵に回して戦う姿勢はあっぱれとも言えます。かたや我が国の首相はどうでしょう。いや比較することが失礼でしょうか。もちろん彼の地の首相に対してですが。

2015-07-01 | Posted in 日記No Comments » 

 

「どの子にもたたかいを嫌う母がいる」

7月1日の平和の句

御子柴 光子さん(66) 神奈川県大磯町

いとうせいこう 母はセンチなのではない。むしろ男たちの国家こそが感傷的なのだ。

金子 兜太 戦争はどの子でも死に追いやる。母はいつも平和を願っている。

東京新聞より

戦前の政治は男政治、戦後の最大の変化は政治に女性が参加したこと。戦前は止められなかったが、今度は止められる。

2015-07-01 | Posted in 日記No Comments »