2015-07-06

「ゆう活」に思う「ゆう鬱」

先週、与野党の理事が農水委員会の開催を求めたが、省側の意向でできなかった。理由は「ゆうかつ」だったそうだ。
「ゆうかつ」ですか?

知らないの? 「ゆう活のことですよ」と言ってもまだわからない。

「ゆうやけ時間活動推進」のこと、とここまできて何の略字かがわかる程度。そこで政府広報から引用すると。

「ゆう」やけ時に
「悠」々とした時間が生まれる。
「友」人と会える。
「遊」ぶ時間が増える。
家族で過ごす「優」しい時間ができる。
だそうだ。

早い話が、安倍内閣がサマータイム活用を目的に始めた国民運動のことを「ゆう活」という。

まず隗より始めよで、国家公務員がその範を示さなければならない。運動スタートの7月1日に議員の質問回答書きで担当者が早く帰れないのは、ちょっと間が悪すぎるから、というのが理由。本音はやってもいいけど、後で官邸から怒られる、ということだろう。参議院も舐められたものだ。

案の定、我が党は「けしからん。今後二度とゆう活を理由にした残業拒否は認めない」とした。でもこれも少々大人気ない。官僚側からは、質問通告が取り決め通り行われないとの苦情も聞く。一言一句文章化して各大臣にレクする省庁対応も、長時間労働の原因の一つでもある。こんな様々な課題も一緒に解決しなければ、国会対応での省庁の長時間勤務は無くならない。

「ゆう活」で早く帰った分、翌朝は早く出て来なければならないので、勤務時間はとんとん。文字通り、「ゆう活」だけなのだ。これでワークライフバランスに寄与すると言ってもらってもお話にもならない。

結局、鳴り物入りで始まった国家公務員の「ゆうやけ時間活動推進」だが、国民には無視され、その内忘れさられる運命だろう。

働かせ方の本質を見直さず、ワークライフバランスなど絵に描いた餅であり続ける。もともと派遣法改正や残業代ゼロ、そして解雇の金銭解決などに血道をあげる安倍政権のやることは、所詮これくらいの茶番でしかない。

むしろその茶番劇を国家予算を使って、国民運動化しようとする政府の権力志向こそ問題だと思うのだ。戦争法案の強行採決と合わせ、「ゆう活」で「ゆう鬱」が深まってしまった。

 

 

2015-07-06 | Posted in 日記No Comments »