2015-11

「兄を待つ七十年や鳥帰る」

11月27日の平和の句

小松 とみゑ(84)さん 名古屋市千種区

いとうせいこう 渡り鳥は帰る。それを七十うらやみ続けた妹からの素直な一句である。亡くなったことを信じられず、自分だけ新しく生きることへの思い。

東京新聞より

トルコ軍によるロシア戦闘機の撃墜のニュースが衝撃的だった。政治家や彼らが使う戦略によって人々のナショナリズムが煽られ、紛争が激化する。そしていつも犠牲になるのは普通の人々だ。この方のお兄さんのように。だから我々は対峙し続ける思いが必要なのだ。権力者と。

2015-11-27 | Posted in 日記No Comments » 

 

いびきの話。

 僕はいびきをかくらしい。自分で自分のいびきは聞いたことがないからわからない。でもかくらしい。それも結構大きいらしい。
 もう一人の自分がいて自分の寝姿なんかを見れるとしたらどんな感じだろうと思う。きっと恥ずかしいに決まっている。
 考えれば人間、自分のことは結構知っているようで知らない。例えば自分の顔は絶対に自分では見れない。鏡だって右と左がひっくり返っている。だから人が見ている自分の顔は鏡の中の自分の顔ではない。見飽きている顔、そうだな、連れ合いなんかと鏡の前に並んでみるとよくわかる。鏡の中の彼女の顔はなんか違和感漂う。いつも見ているそれと右と左が入れ替わっているからなのだ。僕がいつも見ている顔が彼女の本当の顔であり、彼女が見ている自分の顔は僕が違和感を感じる方の顔ということになる。つまり鏡の中の自分の顔しか見たことのない僕が、本当の自分の顔を見たら違和感漂ってしまうことになる。だから写真や動画などの自分はなんかしっくりこないのも頷けるのだ。でもあれだってレンズを通してであり、その後も様々な電気的処理の後に見れるわけであるから、僕が連れ合いの顔を見るように見れているわけではない。つまるところ本当の自分の顔ではないのだ。
 人間、絶対に自分の顔は自分では見れない。同じようにお尻や背中も頭頂部も見れない。見れないと恥ずかしさもわかないのだろう。だからいびきも本当は恥ずかしいけど自分では聞けないし、かいている自分も見れないから恥ずかしくない。だから本当に直そうとはしないのだな。なんか哲学的になってきたな。
 でも申し訳ないと思うことはたまにある。今では少なくなったが旅館なんかに複数で、それも初めての人と泊まるときなんかはそうだ。2年ほど前、議員の先輩数人と和室に泊まることになった。楽しく酒を飲んで(お酒飲んだあとのいびきはとくにひどくなる。何せ悪いという気持ちもないから遠慮が無い)寝た。翌朝起きてみると、僕の枕の脇にタオルがある。そんなとこにタオルを置いて寝た記憶はない。聞くと、僕のいびきがひどいので隣に寝ていたS先輩議員がたまらずに僕の顔にかぶせたのだという。そしたらすぐに手で払ったそうで、そのタオルだった。睡眠不足の先輩は「濡れたタオルにするんだったな」とひどいことを言っていた。
 今でもかいているはずだが、それ以降誰かと一緒に寝る機会がないのでわからない。連れ合い?彼女なんかもうずいぶん前から先に気持ち良さそうないびきをかくようになっている。もちろん僕のに比べたら寝息のようなものですが、多分。

 

大阪の選択が意味するもの。

 大阪府知事選と大阪市長選挙での有権者の選択が決まった。結果は世論調査で予想されていたとおりである。5月の住民投票では反対派が競り勝ったが、今度はそうならなかった。再び都構想が蘇るという人もいるが、そう簡単ではないと思う。一度「反対」が出た結論を再議論させるには、それなりの論理の転回がいる。大阪市が無くなるか否かの選択を迫る都構想にそんな技術的幅はない。
 住民投票では政党の枠を超えての戦いに結集することができた。しかし今回は首長を選ぶ選挙。もともと中央では反発しあっている与野党なのだから、今回は様々な思惑が入り混じっていた。だから前回ほどの結束ができなかった。それが敗因の一つといっていい。
 橋下という人は頭の良い人のように思う。政治家を続けるということはそう簡単なことではない。まして国政の場で影響力を持つようになるまではそれなりの時間と労力と財力が必要だ。加えて日本では世襲という制度が力を持つ。これまで自力で権力を持つまでになった人がどれだけ消えていったことだろう。彼はその辺の打算性は持っているのではないか。そう思うから国政への転身は選択しない。むしろかっこいい引き方が今の彼の思いではないか。住民投票での敗北はその最大の機会であったはず。しかし党内の予期せぬごたごたでそれができなかった。つまり橋下的スマートなタレントへの転身ができないと彼は判断したのではないだろうか。
 そう考えると今回の二つの選挙での勝利は格好の引き際であると思う。もちろんこれは僕の推測である。さてどうなるだろう。
 さて当選した首長も冒頭の理由で大変だが大阪維新の会も維新の党もこれからが大変だ。前述のように国政とはそんな甘いものではない。加えてこれから維新の政治信条である市場原理主義や新自由主義のような政治思想は終焉を迎える時期にある。これから維新の漂流が始まるだろう。そんな船におそらく橋下さんは乗らない。
 今度の選挙勝利は維新なる物の本当の苦難の始まりだ。そしてこの党の流れは早晩いきどまる。選挙結果を過大評価しない方が良いと思うのだ。期待を込めての推測である。

2015-11-24 | Posted in 日記No Comments » 

 

ヨーロッパ軒のソースかつ丼。

 全国を飛び回っていると結構面白いことに出会う。その一つが食べ物だ。といっても僕は美食家ではないから、何とか牛とかどこそこの蟹とかいわゆる高級物やこだわり物にはあまり興味がわかない。そうどちらかと言えば最近の流行であるB級グルメというやつが良い。何回かこのブログでも紹介したこともある。例えば石川県のきつね丼とか岡山のホルモンうどんなどなどである。
 そんな中の一つに福井のソースかつ丼がある。実はソースかつ丼なる物を初めて食したのは、福井県の人なら誰でも知っているヨーロッパ軒のそれであった。だからソースかつ丼は福井県にしかないと思っているととんでもない全国結構至る所にあった。福島県の会津ではちゃんとしたお寿司屋さんにあったので驚いた。しかも僕の中ではこれがこれまで食べたソースかつ丼の中でも上位にくるから世の中わからない。しかしさすがに九州にはない。少なくとも福岡県ではソースかつ丼なんて食べたことがない。同じ福のつく県なのに違うな。
 さてヨーロッパ軒のソースかつ丼とほかの県のそれと何が違うかというとかつの厚さにある。他の県のは普通のかつ丼のような厚みがあったが、ヨーロッパ軒のは叩いて伸ばして薄くしている。それが丼に3枚くらい乗ってくるから当然丼の蓋がしまらず、はみ出している。これがまた良い。「これが福井のソースかつ丼だぞ」と丼が主張しながら運ばれてくるのだ。
 先週その福井に行ってきた。ヨーロッパ軒のソースかつ丼を6年ぶりに食べた。ヨーロッパ軒は福井県にはたくさんあり、支店のほかに分店なんてのもある。今回福井県の見世委員長に連れて行ってもらったのは坂井市の丸岡分店だった。
 少々高かったが上のかつ丼(福井ではソースかつ丼のことをかつ丼と呼び普通のかつ丼を卵かつ丼とか呼ぶらしい)を注文した。上なので写真で分かるように並のそれより少々小ぶりではあるが厚みがある。結構食べ応えあるかつ丼だったが何とか完食した(福井の人は大食漢なのかご飯の量も結構あるのです)。もうしばらくは普通のかつ丼も要らないな。
 福井に行く機会があればぜひヨーロッパ軒のソースかつ丼を食べて欲しいです。地元の人によれば同じヨーロッパ軒でも味が違うそうだ。しかし良くもヨーロッパ軒と名前を付けたものだな。名前といえばちなみに福井にはボルガライスなんてのもある。なかなか日本は面白い。

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ISISの終わりの始まりかもしれない。

 13日にパリで起きたISISによる大規模テロのことを考えていた。なぜISISはこのテロを実行したのか。もちろんテロは許されないことだが、少なくとも前回は神ムハンマドを嘲笑物として風刺続ける出版社に対するものであった。そこにはそれなりの理由があった。しかし今回は無差別テロで理由はない。シリア空爆に参加したという理由だけでの無差別テロだ。今回がはるかに批判が高まるのは明らかだった。
 案の定、フランスのオランド大統領は9.11後のブッシュ大統領同様に「これは戦争だ」とこぶしを振り上げ、シリア空爆を強化する。英国のキャメロン首相も空爆を明言した。ロシアも早かった。それまで自国飛行機の墜落の原因を明確にしてこなかったが、すぐさまISISによるテロだと発表した。
 2年前、アサド政権への空爆(当時はISISではなく政府軍への空爆だった)をプーチンの助け舟で踏みとどまれたオバマ大統領は(2013年9月のブログ「新たな協調とガラパゴス化する政治」参照)、何やかんや言いながらロシアとの距離感を近づけていたが、国内の抵抗もあり今一つはっきりできなかった。しかし今や堂々と会ってISIS対策を話しあっても非難されることはない。空爆どころかISIS掃討後のシリア体制やイランを軸とした中東安定策などを議論しているかもしれない。
 これまで米国や英国が1年以上にわたり空爆を実施してきたが、その効果を疑う話どころかISISをひそかに援助しているといった報道もなされている。その証拠が彼らがこれだけ世界から敵視されていても勢力を伸ばしてきたことかもしれない。しびれを切らしたプーチン大統領が米国に断ってISIS空爆を実行に移したのはつい数か月前のこと。日本の新聞はロシアの空爆を非難めいて書くが、オバマ大統領の了解も得てのことで、その成果ははるかに上がっているようだ。財源であった油田も放棄しており財政も厳しくなりつつある。それが今度は露に加え米英仏が本気で叩きにかかる。
 つまりISISにとっては今回のテロは決して得策ではなかったと思うのだ。そう考えると今回のテロは、ISISの統率力などのガバナンスが弱体化し(つまりロシアの空爆が効いて)以前計画していたものが偶発的に起きたのかもしれないし、単にフランスに不満を持つISISのメンバーが起こしたものかもしれない。
 いずれにしてもISISの勢力はこれから衰えさせられていくだろう。それとともにシリアの内戦は収まり中東ではロシアとイランの力が強まる。内戦後のシリアをどう収めるかに向かって各国の思惑が絡み合う。フランスも今度のテロを利用し介入を強めるはずだ。それとともにイスラエルやサウジアラビアといった王国がどう動くか。もちろんトルコも静観はしない。
 今回のテロは中東をめぐる新たな火花の始まりかもしれない。普通の国々の思惑が絡んで新たな紛争が起きないことを願うばかりだ。普通の国ではなかった日本が参加しようとしたら手痛い目にあうだろう。我が国は非暴力に徹する安全保障外交で世界安定の道を開くしかない。

2015-11-22 | Posted in 日記No Comments »