日記

Tonkajohn Vol2…風向き変わる永田町。

 昨日今日と世間を賑わすニュースが飛び出してきた。一つは昨日の甘利大臣の辞任、もう一つは日銀が追加緩和でマイナス金利に踏み込んだこと。どちらも安倍内閣にとっては劇薬だ。永田町の風向きが変わりだしたようだ。

◆これで終わらない甘利スキャンダル
 昨年の12月12日のブログに「今年は財務省と組めるかもしれない」と書いたが、本当に財務省の反撃が始まったかもしれない。そんな思いを起こさせる甘利大臣の突然のスキャンダルとスピード辞任だった。もちろんこれで幕引きとはならない。議員辞職まで行くのではないか。政治とカネのスキャンダルの火種は他にもあるし、他のスキャンダルだってある。強い官邸だからこそ守ってきたことが仇になる可能性がでてきた。
 安倍内閣は財務主導ではなく経産省が中心舞台にいた。経産軍団の筆頭格が甘利大臣であった。財務省からすれば苦虫を噛み潰したとような苦々しい日々だったに違いない。特に軽減税率の導入は財務の完敗だった。だから「今年は組めるか」との思いになったわけだ。軽減税率を入れるのであれば、来年の消費税増税は先送りでも良いと考えても不思議ではない。甘利辞任でダブル選挙の芽は消えた。順風満帆そうに見えていた安倍政権への逆風が吹き出した

◆黒田日銀の量的緩和。いよいよ泥沼の中に。
 今日の金融政策決定会合で日銀がマイナス金利導入を決めた。民間銀行が日銀に預けている一部の資金に0.1%の手数料を課す内容だ。0.1%は先に導入したECBと同じ率。今は0.3%まで下げているから日本でもそれを追うのだろう。金融庁の規制強化のせいで、ただでさえ銀行が投資という冒険をしない体質になってしまっている。量的緩和策に浸りきった金融機関にとってマイナス金利のカンフル剤は劇薬でもある。政策目標の物価2%上昇の達成時期も、21日の僕の質問には2016年末を中心にしてその前後と応えたが、今回発表はその悪い方よりもっと先の「17年度前半ごろ」とした。
 政策決定の採決も賛成5人、反対4人で総裁裁定で決まるぎりぎりだったようだ。アメリカも金利引き上げを先延ばしするほど景気の方は芳しくない。FRBの先延ばし決定も今回の日銀の大博打に影響を与えている。これで経済の好循環が生まれれば良いが、できなければ日本経済は泥沼の底なし沼に吸い込まれていく。同時にアベノミクスの失敗があらわになろう。政治と経財で風向きが変わりだしている。

2016-01-29 | Posted in 日記1 Comment » 

コメント1件

 井上昭弘 | 2016.01.31 5:55

ふたたび辛口のコメント、お許しください。甘利疑惑は新聞もTVも事実報道のみでかつてのような突っ込んだ取材がみられません。東京地検の動きも鈍く、国会も捜査権がないので結局「秘書」を始末して幕引きにならないでしょうか。したがって、安倍政権への「劇薬」などにはならないと思われます。「辞任すべきではない」という意外な街の声もあります。報道各社の世論調査が気になります。それより収まらぬ「民主党への逆風」をどうするかです。

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