2016-01-08

包囲網強化の道をつくった核実験。

 合意どおり年末ぎりぎりの妥結だった慰安婦問題の日韓首脳間での解決。日韓双方に様々な異論や反論はあるが、今回はアメリカもかんでの合意なので少々レベルも違う。内容に不満なのは別にして、これが最終決着になるとすれば正直安倍外交の評価はやむを得ない。日韓双方において慰安婦問題のネックは保守層にあった。少なくとも安倍首相は超が付くほどの保守政治家である。支えようとする面々も右から左までの保守がそろう。その政権が決めた10億円の政府拠出などの合意内容なのだから、少なくとも日本の保守層も表立ったというかこぞっての批判ができない「仕方ない解決」と言ってよい。批判しているのは一部の訳の分からなネトウヨだ。仮に民主党政権でこの内容で妥結したら、保守どころか左までもの総批判となったのではないだろうか。問題は朴政権の方だろう。どう国内批判を納めるか政治力量を問われることなる。
 さてそんな日米間の動きに危機感を強めたのは北朝鮮の方だ。頼みの中国も習体制になってあまり面倒見てくれなくなった。アメリカも米朝協議の動きをしてくれない。そんな環境下で日韓関係の大きな課題がアメリカも介して解決に向かう。経験の少ない若年指導者はそうとう孤立感や焦燥感を強めていたはず。側近の粛清もこんな時に響いてくる。いずれにしても5月の党大会に向けて何か動きをしなければの思いがあまりにも強く出てしまった。「おれもいるんだぞ。忘れるな」といった思いだろう。
 オバマ大統領はシリア内戦やIS掃討も単独ではなくロシアやイランの力を借りようになった。よく言われる米国単独覇権から多極化の時代への転換である。米中関係も南沙諸島のにらみ合いで緊張感が高まっているようにあるが、冷戦時代よりよほど切っても切れない中になりつつある。これは米ロ関係も同じだ。
 変化が速い世界情勢の中で孤立化しつつあるのが、イスラエルと北朝鮮ではないか。さすがに最近目立たないようにしているイスラエルだが、北朝鮮は違ったようだ。核実験の強行によって自国を取り巻く情勢がどのように変化するかを読み切らなかった若い経験不足の独裁者。日米韓どころかロ中も加わっての包囲網がつくられ、益々内政は厳しくなるだろう。若い独裁者が何を考えどんな行動に次ぎ出るか。あまり手はないように思う。

2016-01-08 | Posted in 日記No Comments »