2015-12-12

日経も警鐘ならす異次元緩和。

 日経新聞が一面トップで、日銀の国債保有額が40年ぶりに民間銀行のそれを超えることを伝えている。中でも3メガバンクはこの1年で13兆円の国債を売った。この3メガバンクの貸出金は40兆円増だが多くは海外融資、逆に日銀などに預けている現金は貸出金の倍以上に増えているという。日銀が銀行から国債を買ったお金の多くは国内に出回らず、海外投資か日銀に現金で眠っていることになる。これでは安倍首相や黒田総裁が青ざめ、給料上げろの大合唱を始めるはず。
 日銀の国債保有シェアは年内に3割を超える。これは途方もない額でFRBでさえ2割弱と同記事は指摘し、国債購入額も新規発行の2倍以上で、法律で禁止されている「財政ファイナンス」の色合いが増していると手厳しい。
 IMFも8月に日銀の国債買い入れが17年頃に限界を迎えるとのリポートを出していることに触れ、日銀が大胆な金融緩和を続けられるか微妙な段階に入りつつある、とやんわり限界説を披露して見せている。最後は日銀の健全性が損なわれ、結果的に国民負担が増える可能性もゼロではない、と結ぶ。すでに健全性が損なわれており、このままではこのつけは国民に負担増で押し付けられる、と書きたいところではないか。
 さて日経がここまでアベノミクスの柱の黒田総裁の異次元緩和に警鐘をならすのも珍しい。財務省の報道機関と揶揄されたりする日経だから、せっかく10%消費税あげるのにその内の1兆円は軽減税率導入でお金が入ってこない。民主党政権の時に三党合意でせっかくまとめた給付付き税額控除であれば4000億円の支出で済んだ。それも反故にした安倍政権のお粗末さに財務省もそろそろ嫌気がさしてきたに違いない。3万円の臨時給付金のばらまきや、5兆円を超えて膨らむ防衛費などなど2020年度プライマリーバランス黒字化を至上命題とする財務省にとっては許されないことばかりの安倍政治。来年は財務省と組めるかもしれない(笑) ※下呂温泉から名古屋経由で帰京中の新幹線車中にて。

2015-12-12 | Posted in 日記No Comments »