2015-08-17

サッカーの話(2)

 前回のサッカーの話の続きです。後日談です。母校伝習館のサッカー部は5年に一度OB会を開いている。昼間試合をして夜は交流会となる。
 昼の試合で何と僕が得点を挙げた。気持ちの良かったこと。
 OB会といっても創部45周年なので還暦過ぎから今年卒業した青年までと年齢差は親と子以上だ。それなので還暦越えの超OBはその世代で1チームつくることになる。最初のその超OBチームの試合ではなく、次の若い世代の試合に出番が回ってきた。何人か老け顔がいたので歳を聞いたらそれでも46歳だった。後輩諸君は来年還暦の僕に「先輩。センターフォアードやって点とって」と気をきかせてくれた。早い話が僕らが動くから前でじっとしてていいですよ、ということである。
 それでもついつい頑張るのが僕の良いところ。自分なりに走り回っていると、右サイドをドリブルで駆け上がった例の46歳の福山くんが速いグラウンダーのパスを出す。ゴール前にいたもう一人の46歳の永尾くんがこれをなんとスルーする。僕の前にボールが転がってきた。もうやるしかありません。若者のディフェンダーより一瞬早く僕が蹴った。というかうまく右足に当たった。ボールはキーパーの左脇をすり抜け見事ゴール右隅に決まったのだ。この試合3対0で僕らのチームが勝った。もちろん得点を決めて気を良くしていた僕は20分間フル出場したの言うまでもない。
 さて試合はその後も続くが、グラウンドは夏の太陽が照りつけ、20分の試合をこなした還暦超えの皆々にとってはもう限界だ。
「この天気じゃもう一回だな」と先輩。それでもあと一回と思うところがサッカー好き。いくつになっても変わらない。
 年齢に配慮した10分の超短時間試合が始まった。相手もOBだが20歳代の若者主体のチームだから試合にならないことは先刻承知のこと。がしかしだ、まるでスローモーションだった。みんな懸命に頑張ってはいるが足がもつれ倒れるし、蹴ってもまともにボールが飛んでくれない。運動会の駆けっこで気持ちのように足が前に出ず、元気よくぶっ倒れるお父ちゃんたちのあの姿に通ずる。僕も同じなのだがやはり笑ってしまう。まあそれでも後輩の思いやりに助けられつつ何とか頑張ってみた10分間であった。
 夜の交流会ではOB会会長の木下さんのはからいで僕もあいさつをさせてもらった。人生最後の得点をお膳立てしてくれた二人にもお礼を言った。
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 スローモーションのような動きではあったがやっぱりサッカーは格闘技だった。試合時間はトータルたった30分だったのだが、翌日の体全身の痛みはたいへんだった。足の裏が筋肉痛なんて普通はありえないのです。やはり歳はわきまえなければなりません。