2015-08-03

「さくらんぼ誰のものでもなき平和」

8月3日の平和の句

岡田 良子(67)さん  三重県亀山市

いとうせいこう  その果実が小さく輝くのは奪い合っていなからだ。奪い合って食べるのならば、その果実は甘いだろうが輝きにきづけない。

東京新聞より

たくさんあるのか。少しなのか。量は問題ではないようだ。皿に盛られたさくらんぼが笑っている。誰が食べてもいいと。

2015-08-03 | Posted in 日記No Comments » 

 

砂川駅前のコーヒー店の話。

 札幌から特急電車で50分ほど北に行くと砂川駅に着く。けっして賑やかではない。でも駅隣にあるホテルもけっして小さくはないから、駅前の以前の賑わいも想像できる。
 駅に着いたのが昨夜7時過ぎ。北海道本部の佐々木さんと市議の飯澤さんが迎えに来てくれていた。雨だがホテルは近い。すると暗がりと言っていいほどのところにテーブルが一つ。場違いな雰囲気の中で男性4人がビールを飲んでいる。地元砂川市の職員の皆々だった。僕を知ってくれていた。
 「寂しいので賑わせに来てまいます」と話すが、なんのことだか理解できないまま挨拶をし先を急いだ。
 朝には雨は上がっていた。昨夜北海道本部の仲間と二次会に近くのスナックに飲みに出た。帰る時分は大雨になっていて店の傘を借りた。その傘を返しがてら朝の散歩に出たのだ。
 砂川市がある空知地方は夕張のような炭坑で栄えた街が多い。砂川にヤマはないが周りの炭坑景気で潤った。駅界隈も賑わっていたんだろうなと街並みを見ながら歩き、スナックのドアノブに借りた傘を掛け立ち去ろうとした時、感じる。コーヒーの香りだ。でもどこから。辺りを見回しもう一度鼻を効かせてみた。やはり間違いない。まだ7時前である。少なくとも辺りには人影はない土曜日の朝だ。
 ふと隣の看板を見ると「貞廣」とある。とても喫茶店とは思えない店名なので思いもしなかったが、確かに軽食、コーヒー店「貞廣」とあるではないか。ドアは開いており、只今営業中の札が下がっていた。香りはそこから漂ってきていた。
 入ると、団塊の世代より上と思しき女性オーナーが出迎えてくれた。一人で切り盛りしているらしい。ホットコーヒーを注文し朝のひと時を過ごさせてもらった。350円を払って店を出る時、なぜ「貞廣」なのか訪ねてみると、これ「屋号なの」と一言。いやそれはわかっている。こちらとしてはなぜ喫茶店とはおよそ似つかない名前なのかを聞きたかったのだが、そこは聞かずに帰るとしよう。  
 いろいろ思い出や歴史があるのだ。とてもお客さんが来そうにない早朝に開けておいてくれたことに感謝しつつ、そう思った。
 ホテルまで歩き着きふと目を上にやる。なんと。「ビアガーデン」のどうどうとした横断幕がかかっている。ここはビアガーデンだったんだ。そうかと昨夜の彼の言葉の意味がやっと飲み込めたのだった。
 街を愛し街を楽しむ面々がいる。どこの街にも。それがいい。すごくいい。

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