2015-08-11

人勧にもの申すぞ。

 福岡県本部書記長時代は機関紙のコラムを担当していた。2005年の7月11日だからちょうど10年とひと月前に人事院勧告のことを書いている。出だしが「人事院勧告は早晩崩壊するだろう」だから相当過激です。結びは「地方公務員は間違いなく人勧に頼れなくなる」だからやっぱり過激です。
 そんで何を言いたいかというと、今年の人勧を見て10年前の不安は確実になってきたなということ。
 官民格差分の1,469円のうち1,156円というから約8割を地域手当の引き上げ分の前倒しに使うというのだ。東京の特別区は来年度以降は20%にすると決まっているから、今年は0.5%上げる分に使う。まさに大都市に厚くなのである。
 しかし東京23区と地方の賃金格差が2割も必要なのだろうか。
 そこで9年ばかり東京に暮らしての実感を少々書くことにする。
 まず交通費、公共交通が十分な東京では自動車は不要。免許すら持ってない人も多いし、私の秘書の鳥越くんなどは持っていた車を手放したほど。確かに運転も下手だったのでそのほうが良かったかなと思います。一方で公共交通が瀕死の地方では自動車は生活必需品であり、一家に一台を超え一人一台も特別ではない。維持費に加えガソリン代は生活費を直撃している。
 食費はどうか。消費者が多い東京では薄利多売が基本で昼のお弁当などは300円程度のものも無いわけではない。コンビニが主流だが、田舎と東京でおにぎりの値段が違うだろうか。むしろ東京の方が品揃えが多い。駅前商店街が残っているのも東京の特徴で良質の食料品が安く買えるとも言える。
 住宅事情が違うよとの声が聞こえてきそうですね。そりゃ便利なところに住んだら高い。でもちょっと無理して都心から離れたとこにすれば家族4人でもそこそこんとこに住める。親の代からの家やマンションがあればこれはもう言うことはない。
 最後に教育。これが大問題だ。地方から東京の大学に行かせようと思ったら一人稼ぎでは厳しい。その点自宅から通わせることができる東京の人は圧倒的に安くつく。少々高い住宅費でも十分元を取ってお釣りがくる。
 おまけに駅前には気の置けない焼き鳥屋や居酒屋が残っていて、結構安く飲めたりもする。
 東京に住むということは意外と安上がりだと思うのです。地方は安くつくという間違った固定観念のもとで地方の賃金を切り下げようとする国の施策の片棒を担ぐような人事院勧告はやはり時代から取り残される。まるで地方のための手当のように聞こえる地域手当という表現も問題。東京手当とか大都市手当と言った方がよほど合っている。この辺りが悪知恵働く官僚のやりそうなことである。
 いずれにしても人勧は最近東京一極集中を益々援護するものになってしまった。東京の人には悪いが作られた地域間格差が連帯感を希薄にしていく、そんな危惧を覚えるのは私だけだろうか。

2015-08-11 | Posted in 日記No Comments » 

 

「米兵の遺族も悲し終戦日」

8月11日の平和の句

宮司 孝男(64)さん  静岡県湖西市

金子 兜太  昔から言われてきた「汝の敵を愛せよ」には、戦争肯定の裏打ちが潜むが、この句の根は戦争反対。憎むべき戦争の犠牲故に。

東京新聞より

第二次大戦が終わってもアメリカの若者は、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、テロとの戦い等々に駆り出され、多数犠牲になる。今も続く。ある意味世界一不幸な運命の若者かもしれない。そう思うと日本国憲法の重みが増す。

2015-08-11 | Posted in 日記No Comments »