日記

日記187 新説(珍説?)7割文化を脱し得るか

拙者や拙宅や拙著などに使う「拙」は、一人称の人代名詞で男性が自分自身をへりくだっていう語です。そこで「拙説」という言葉ないと思いますが、拙説なる新説を紹介します。

我国国民の我がマスコミ信頼度は、だいたい7割です。昨年の新聞調査会の調査では、NHKが一番高く70.1(74)、続いて新聞が68.9%(72)、民放が60.3%(65.4)という結果。()内は2008年調査。さすがにどれも漸減してますが、だいたい7割という諸外国に比べたら高位置をキープです。

今度はNHKの受信料徴収率。2011年度全国平均で72.5%で、これもだいたい7割です。ただしこれは極端に地域差があって、最高は秋田県の94.6%、最低で沖縄県の42%と2倍以上の開きがありますが・・・。ご存知のようにNHKの受信料は払わなかったからといって何も罰せられことはありません。督促状とかはきますが、イギリスのBBCのように法律で罰せられることはありません。彼の地では、違反者に対しては罰金1,000ポンド(約20万円)が科せられたり、裁判を起こされてその訴訟費用を請求されたり、警察から逮捕・拘留されるなどしています。そこまでやって支払率9割以上を保っています。それと比べたらNHKの受信料徴収方法はなんと温情な。しかし、我が国国民は実に7割以上が支払っている(もちろんNHKの徴収努力は特筆すべきです)。この素晴らしい良心的国民性は誇るべきものです。

私は日本の国民性をよく表すこの二つの約7割の数値をもって、日本の「7割文化」と最近評しているわけであります。

さて、そこでまたこの新説(珍説)を裏付ける数値が、昨日の東京都小平市ででました。雑木林を伐採する道路建設の是非を問う住民投票が、昨日小平市で実施されたのです。東京では結構注目を集めました。その投票率が7割。ではありません。棄権率が約7割なのです。正確にいうと投票率が35%でした。つまり65%の小平市有権者が棄権したことになります。条令では住民投票成立ための条件として投票率50%を定めていました。よって住民投票は成立せず、開票もされないことになりました。

無関心だったと決めつける訳にはいきません。確かに建設賛成派は、棄権することで住民投票をそのものを不成立にできます。しかし、何かすっきりしません。残りの65%の人が意思をもって棄権したとは思えない。

前述のマスコミ信頼度にある無条件に「信じる」7割の日本人。受信料に見る7割の良心的日本人。誤解の無いように言っときますが、私は「信じるな」とか「払わなくていい」と言ってる訳ではありません。おそらく、多分、世界の国々と比較してマスコミ信頼度7割は高すぎるし、無罰則のもとでの徴収率7割は他国では考えられないでしょう。それくらい日本のこの7割文化は特筆すべきことですが、裏を返せば、これほど煽動しやすい、騙されやすい国民性はないと言えないでしょうか。

そしてこの7割近い人々は時として、無関心であったり、「国や自治体がきってやってくれる」「きっと間違いない」と信じたりして「お任せ民主主義」を形成しているかもしれない。その一例が小平市の住民投票行動に現れていると思ってしまいます。

信じやすく、良心的で、かつ無関心の人が 国民の7割を締める国。ちょっと怖くもあります。時として「赤信号みんなでわたれば怖くない」というとんでもない集団行動をとるかもしれない。いや、すでにとった経験がある国です。良いも悪いも7割文化を脱しきれるか否か。国政が復古主義になったり、民主主義の何たるかを忘れたような憲法改正が論じられる国になった今こそ、1人ひとりの権利意識や思想性が問われているようでしかたがないのです。ここまで、珍説紹介にお付き合いいただき感謝です。

2013-05-27 | Posted in 日記No Comments » 
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