2013-05-21

日本の未来のために・・・「村山談話を読もう」

安倍政権になって「村山談話」がよく引き合いに出される。では村山談話とは何か。それは1995年8月15日に当時の総理大臣である村山富市名で出された談話のことだ。当時の政権は自民党、社会党、新党さきがけの3党連立政権である。談話の推敲は3党で行われ、村山が一筆も入れていないことは、村山から修正を依頼された田中秀征が「あとから何かあってはいけない。原文のままで発表すべき」と言って発表させた経緯を、今週(19日)のサンデーモーニングで田中本人が語っていた。村山談話の責任は自民党にもあることを自民党議員は忘れてはならない。それではなぜ安倍総理は問題とするのか。5段落目にある「植民地支配と侵略」という表現が気に入らないらしい。

なぜ一部の日本人はかたくなに、過去の戦争の歴史に学ぼうとしないのか。なぜドイツとポーランドのように相互尊敬の関係に日韓、日中関係を築けないのか。いつまでも敗戦国であったことを卑屈に感じ続けるのか。歴史に学ばなければならない。ここでいう歴史とは、決して軍国主義に塗固められた昭和史だけではない。大政奉還以降の明治大正も含む。とかく戦後民主教育では戦前の前憲法下の日本を否定する。しかし当時にも日本国民の努力があったことも忘れてはならない。改めて村山談話を読もう。日本の未来のために。

「戦後50周年の終戦記念日にあたって」内閣総理大臣 村山富市

「先の大戦が終わりを告げてから、50年の歳月が流れました。今、あらためて、あの戦争によって犠牲となられた内外の多くの人々に思いを馳せるとき、万感胸に迫るものがあります。

敗戦後、日本は、あの焼け野原から、幾多の困難を乗りこえて、今日の平和と繁栄を築いてまいりました。このことは私たちの誇りであり、そのために注がれた国民の皆様1人1人の英知とたゆみない努力に、私は心から敬意の念を表わすものであります。ここに至るまで、米国をはじめ、世界の国々から寄せられた支援と協力に対し、あらためて深甚な謝意を表明いたします。また、アジア太平洋近隣諸国、米国、さらには欧州諸国との間に今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを、心から喜びたいと思います。

 平和で豊かな日本となった今日、私たちはややもすればこの平和の尊さ、有難さを忘れがちになります。私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。とくに近隣諸国の人々と手を携えて、アジア太平洋地域ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには、なによりも、これらの諸国との間に深い理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。政府は、この考えにもとづき、特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる歴史研究を支援し、各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために、この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。また、現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。
いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。
わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。
敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると、私は信じております。
「杖るは信に如くは莫し(よるはしんにしくはなし。頼りとするものとしては、信義に勝るものはない。江崎)」と申します。この記念すべき時に当たり、信義を施政の根幹とすることを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします。」

2013-05-21 | Posted in 日記No Comments »