2016-02-27

インフレターゲット政策の失敗。

 総務省が昨日、1月の全国消費者物価指数を発表した。生鮮食料品を除く指数、いわゆるコア指数は昨年11月と12月は前年同月から0.1%上昇したが、1月は横ばいに落ち込んだ。東京都の区を除くと0.1%のマイナスだった。
 日銀は生鮮食料品とエネルギーを除くコアコア指数を重視しているが、それだと1月の上昇率は1.1%で昨年12月の1.3%上昇から伸び率が鈍る。1年ぶりの鈍化だった。日経では3月以降さらに物価上昇率は鈍るという専門家の声も報道している。
 量的・質的緩和導入の際に2年間で物価上昇率2%という短期決戦に黒田日銀は事実上敗北した。それなのにさらにマイナス金利に突っ込んだ。銀行や個人の預金にマイナス金利が付くかもしれないという不安感を与えてまでお金を投資に向かわせようとする政策は、機関投資家など一部の面々にとってはありがたいだろうが、普通の人は苦しめられる。住宅ローンの金利などが下がり不動産投資が増えるかもしれないが、所詮これもお金持ちのこと。
 株価重視の政策は庶民政策ではない。庶民生活を苦しめるだけのインフレターゲット政策は、生活の面でも政策の面での失敗だった。市場原理主義に染み付いた金の亡者たちの暴走なのだ。トリクルダウンなどあるはずがない。

2016-02-27 | Posted in 日記No Comments »