2016-02-23

米露がシリア停戦合意。

 米露がシリア内戦の停戦に合意したようだ。盛り上がる(?)国内の大統領選をよそに、オバマ大統領は次の大統領が誰になろうと後戻りできないよう着々と平和外交を進めている。合意にはISとヌスラ戦線の2勢力を除く全ての反政府軍と政府軍が入る。合意の効力は27日から。仮にうまくいけばシリア内戦は集結に向かう。ただ気がかりなのはトルコ。エルドアン大統領は自身の権力安定のため、クルド人に対する弾圧を昨年夏頃から強化し国内は不安定化しだした。テロも起きているがどの勢力が起こしているのかはっきりしない。トルコ政府はテロを理由にシリアの反政府勢力への支援を継続する姿勢。今回の合意に対するトルコの姿勢がシリア停戦に大きく影響を与えるだろう。
 アメリカは表ではプーチン大統領を非難し反露の姿勢を演じている。しかしロシア抜きにはシリア問題が解決しないのは承知。以前、シリア空爆を思いとどまる際もプーチンの要請に呼応する形で九死に一生を得た。あの時、空爆を実施していたらイラン制裁解除も今回の合意もなかったろう。ウクライナ危機も停戦合意事項である東部の自立的政策をポロシェンコ大統領側が実施すれば片がつく。しかしそうさせたくない勢力がいるから政権が不安定になり、合意が進まないでいる。それでもいずれ動くと思う。
 オバマはなるべく米軍が出て行かなくてもいいように手を打つだけ打って任期を終えるだろう。その流れで東アジアの安全保障を考えなければならない。中国との関係をどうしていくか。アメリカに頼らない外交姿勢が試される。

2016-02-23 | Posted in 日記No Comments »