2016-02-03

Tonkajohn Vol.3

 先月の大寒波で全市断水を余儀なくされた大牟田市に行った。企業局を中心に不眠不休の対策で何とか3日間の断水で復旧させた仲間のがんばりに感動さえ覚えた。雪の日の気温はマイナス7.5まで下がったそうだ。同じ日旭川にいたがマイナス3だった。北海道より気温が下がったことになる。その気温が30時間ほど続いた。想定外の温度対策など家庭でやっているわけがない。昔は「今晩氷そう」とかいった日が必ず幾日かあったが昨今の温暖化でそれもない。だから凍結防止で水道の蛇口を少しだけひねって水をチョロチョロだすなんてことは、とんと頭になかったし経験もない市民が多かったのだろう。水漏れのほとんどは家庭の水道管であった。

◆ 黒田日銀の賭け=銀行はリスク回避の姿勢を変えられか。
 先月21日の決算委員会での私の質問に対して、マイナス金利の導入には否定的な話をしていた黒田日銀総裁だった。しかし29日のマイナス金利導入の記者会見では、委員会の日の夜に事務方に追加緩和の検討を指示しダボスに向かったと述べた。どうやら委員会での質問の頃には、すでに総裁はマイナス金利導入の思いが相当あったと思われる。今思うとマイナス金利のデメリットを尋ねても明確に答えなかったのもうなずける。というか導入のサプライズに私の質問が一役買わされたのかもしれない。市場を驚かすくらいの追加緩和でなければ株価は下がるから他に策は無いと思っていたので、もっと詰めていれば良かったと反省している。
 さてマイナス金利が成功するには銀行の融資が増えなければならない。今朝の日経コラム「地方の旗手」では、三島市の吊り橋建設に融資を決めた静銀マンや、積極的に地域を動きリスクのある融資にも取り組む銀行員らしくないと言われる銀行員の話を掲載している。リスク回避第一の銀行は「倍返し」というキメ台詞で人気をはくしたドラマのとおり。超低金利からマイナス金利に突っ込んだ日銀の劇薬は銀行にとっても劇薬でもある。銀行が経営姿勢を変えるか否か。黒田日銀の賭けはそこにあるが果たしてうまくいくか。

◆ いわゆる「うわすべり」のトランプ選挙。
 米大統領選が事実上スタートした。民主、共和の候補者選びは昨日のアイオワ州を皮切りに各地で実施され、7月の両党大会で候補者が指名される。そして11月18日の本選で第45代アメリカ大統領が決まる。実に10カ月の長い長い選挙戦である。その前から各候補の集会等が行われるので1年を超える期間米国民は大統領選に関わることになる。それに比べて日本の議院内閣制での首相選びはどうだろう。突然の解散総選挙と争点隠しの1カ月程度の選挙戦。そして国会議員による首班指名。国民の関わり度合いで言えば「雲泥」の差がある。
 そんなことよりアイオワ州の結果のことだった。共和党はトランプ氏が苦戦しクルーズ氏に3ポイントちょいの差を付けられ敗北。世論調査では圧倒的なトランプさんだったが、どうも支持者が投票に行かなかったようだ。これって日本で良く言う「うわすべり」。雰囲気だけで確票となっていないということ。トランプ熱は以外と早く冷めるかもしれない。民主党はクリントン氏の超僅差の勝利だが、この勝利は結構大きい。74歳と高齢なサンダース氏がここまでクリントン氏に肉薄するとは奇跡的なこと。クリントンさんはアメリカエスタブリッシュの出身、つまり支配階級である。メール問題より以外とここが苦戦の原因かもしれない。格差と貧困の怨嗟が蔓延する米国社会。エスタブリッシュに対する民衆の批判がうねりとなりつつあるようだ。クリントン氏が勝つだろう。しかし彼女は選挙戦を通じて自身の政策の中にサンダース氏の主張を取り入れなければならなくなる。アメリカ民主主義の力は強い。

2016-02-03 | Posted in 日記No Comments »