2013-12-11

君よ。驕り続けよ。

今週月曜日の朝。国会が閉会したこともあり、会館周辺は不気味に静かだった。12月6日の夜を知っているから必要以上にそう感じたのかもしれない。

あの日、夜が更けるにしたがって人々の数は増え、決して減ることはなかった。取材のヘリコプターも頭上を舞い、エンジン音を響かせていた。怒る人々が発する音と声と熱。それらが相俟って国会周辺は異様なほど騒然としていた。石破がテロ呼ばわりしたが、彼らにとっては「恐怖」を感じていたに違いない。

その光景からすれば、月曜日の朝は普通の朝かもしれないが、不気味に静かだった。安倍総理は「国会周辺は騒々しかった」「一夜明けて静かになったね」と発言したことが、新聞に載った。この政治家は「思慮」という言葉と無縁なのだろう。自分の行動が正しいと思っていたとしても、あれほどの怒りをあらわにした人々に対して余りにも無礼ではないか。石破のテロ発言と同様の感覚なのだ。というか今の政権の中心にいる面々の感覚と言っていい。AS20131122000255_comm

火曜日になって週末の世論調査の結果が報道された。共同では内閣支持率が第二次安倍内閣発足以来初めて5割をきり、47.6ポイントまで一気に10p下げた。不支持も38.4pとこれも10p以上上がった。特定秘密保護法成立を支持し続けた読売でも、同じ結果だった。特徴的なのは支持しない理由が、「自民党政権だから」が26pから40pへ急上昇したことだ。

その結果を見て驚いたのか、一転して反省の弁を述べる総理。「もっと私が説明をしっかりすれば良かった」など平気でとのたまう。衆参の両委員会には僅かの時間しか出てこなかったし、参議院での採決の強行は、その言葉がウソであることを物語っている。この人は、反省を装う発言をすることで、また国民を愚弄していることに気づかないでいる。その程度の政治家なのだ。

総理だけではない。この法律をあれほど早急にまとめあげようとした面々(菅や石破や森大臣など)が急に反省を述べだした。野田聖子自民党総務会長に至っては、「秘密」という言葉がネガティブで、看板も大事にしないといけない、という。何なんだこの人たちは。

あげくに、年明けて自民党、公明党の面々が、秘密の内容を国会が監視する制度について、米国、英国、ドイツを訪問するそうだ。空いた口が塞がらない。再三の国会監視制度の導入の意見を頑なに拒否し続けたのは君たちではなかったか。世界から異様な法律であると違和感を表明されたのは、君たちが強行に成立させた法律そのもではないか。「なぜ今頃」と訪問国の政治家から質問されるかもしれない。日本の政治家の質の低さを露呈する様な行動だが、しかしそれでも勉強しないよりも良い、かもしれない。

彼らのここへ来てのとって付けた様な反省の弁と行動は、いかにこの法律が杜撰に拙速につくられ、成立させられたかの「証拠」の何ものでもない。

12月6日の夜。国会周辺は怒りの「気」で満ち満ちていた。あの怒りが一夜明けて雲散霧消したとは私には到底思えなかった。月曜日の朝に感じた不気味さは、色づく銀杏の木陰や塀にへばりついて、そこに留まっている人々の怒りの「気」を感じるからだろう。怒りは決して消えても治まってもいない。日本中の空気の中にしっかりとけ込んでいる。

君よ。君たちよ。驕り続けよ。

表面だけ繕ってみても無駄なのだ。君たちの本質を見抜いてしまった。あとはその怒りをどこで爆発させるかだ。日本の国民は、民主主義は、こうやって強くなっていく。AS20131205000645_commL

2013-12-11 | Posted in 日記2 Comments »