日記

アベノミクスはうまくいかない。その理由その1

1997年の増税時は第2四半期でマイナスだったGDPが、第3四半期でプラスに転じましたが、今回はさらにマイナスとなりました。アベノミクスがうまくいっていないのです。なぜでしょうか?安倍さんはこの道しかないと言ってますが、騙されてはいけないと思います。
97年増税時から17年間で日本社会は大きく変化しました。その変化を解決しない限り、デフレ脱却などあり得ません。
むしろ円高、デフレは本当に庶民にとって悪かったのでしょうか?いやそんなことはありません。自国通貨の価値が良いことはもちろん悪い話じゃありませんし、給料が上がらない中で物価が上がるより下がった方が暮らしはきつくないのは当たり前です。ただ輸出企業を中心とした経団連はそうはいきません。
円安で喜んでいるのは、そんなグローバル企業や外国人。企業収益は増え、外個人観光客は増加しています。間違いなく円安効果ですが、これが庶民の暮らしを良くするまでには至りません。なぜなら・・・。
さて97年との違いは、
その①
雇用環境の激変です。99年に派遣法が改正され、それまでの原則禁止から自由に、と真逆になりました。そして止めが04年改正で禁止職種とされていた製造業が解禁され、一気に派遣労働者を中心に非正規雇用が激増します。グローバリゼーションによる企業経営の変化がその背景にあります。安くて使い捨てできる雇用を増やさないと世界と競争できないという思いです。
結果、今と当時を比較して非正規労働者は800万人以上増え、正規労働者は500万人減少しました。この流れは今も止まってはいません。
正規労働者の500万人減は正規が非正規に置きかえられたこともありますが、97年くらいから始まった生産年齢人口の減少も影響しています。
生産年齢人口とは16歳から65歳までの人口。つまり現役世代が減少しだしました。お年寄りが金持ちと言っても、何と言っても一番様々な面で支出が多いのはこの世代。それが現在と比較して700万人以上減りました。加えて2000年代後半から総人口も減り出したのです。
正規労働を減らして安い賃金で不安定雇用の非正規労働を増やす、それと同時に生産年齢人口の減少が進む。人的要因と自然要因の両方で国内消費が劇的に減少を始めたのです。
日本はヨーロッパの国々と違って人口が多い先進工業国です。GDPの約6割を国内消費が占めます。この国内消費減は大きな問題のはずですが、自公政権は何も手を打ってきませんでした。そんな中で100円ショップや100円マックなどに代表される価格競争が激化し、さらにサービス労働者の低賃金化に拍車がかかると、もうどうしようもありません。ブラック企業などと言った社会批判を浴びる企業があるにもかかわらず、国は何の抜本的対策も打たないままです。
労働基準監督署もありますが、人で不足もあり対応がとれない、いやむしろ企業優先のこれまでの自民党政権下では、この分野の業務はむしろ余り動かない方が良かったのでしょう。労働者保護などの政策は優先課題ではないのですから。
アベノミクスはこの問題の解決になんの寄与もしていないのは明らかです。これが第一の理由です。

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2014-12-07 | Posted in 日記1 Comment » 

コメント1件

 池尾 自治労小浜市職 福井県 | 2014.12.09 1:21

この問題は重要ですので、コメントします。民主党の多くの方 自民党でもそうですが、デフレ、円高に対する評価を間違えていると考えます。円高とは通貨の価値が良いと書かれていますが、経済としてみるなら通貨の供給量が相対的に少ないことによるものでした。民主党の金子議員のグループはこのあたり理解してくれているので えさきさんも学んでいただけるとうれしいです。それと、派遣労働者の問題は、重要で書かれていることは賛同しますが、デフレが良かったという議論は間違いと考えます。デフレは通貨の供給量が相対的に不足して起こる継続的な物価下落の現象であり、派遣労働者も含めて、人びとの生活を苦しめます。確かに、私自身 自治労の頑張りなどあって、賃金は上がらずでしたが、下がらない状況は作れて、その中で物価が下落するので、生活的には良かった面はあるかもしれません. ただし 企業や地域経済 年金などいろんなものが打撃 縮小して行く中で、経済は全体として良くない状況でした。やはり今の日銀の言うように2%ぐらいの物価上昇が経済の望ましい姿と考えます。もちろん、派遣労働者は無くしていかねばならないし、今こそ自治労は団結して、雇用を守ることと賃上げも勝ち取る時です。ながながと書きましたが、よろしくお願いします。

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