2014-12-10

庶民の闘い。

これまで3度の消費税増税が行われてきました。今回を除く過去2回はいずれも減税先行かセットでした。バブル崩壊後、自民党政権は要求のままに所得税、法人税の減税や様々な租特を作ってきました。一説によればこれまでの減税額は消費税7%分に当たると言われます。
今回の3%は初めて丸々増収になる予定でしたが、法人税減税を約束したので早くも増税効果が薄れることになります。庶民が納める税金がまたも企業優遇、それも大企業優遇に使われるわけです。この5年間トヨタが法人税を納めてこなかったのは有名な話です。

アベノミクスがうまくいかない理由としていろいろと書いてきましたが、そのどれもが大きな課題です。しかしアベノミクスはどれ一つの抜本的解決策にもならないのは一目瞭然です。
むしろさらなる債権の増発とそれを全額日銀が買うほどの空前絶後の量的緩和です。さらにGPIFのポートフォリオを変更し、リスクの高い株購入を増やす決定をしたことも株価維持の禁じ手です。
円の価値=国の価値を下げつつカンフル剤を打ち続けているのがアベノミクスです。
もういい加減騙されるのは止めましょう。
野村総研は昨年度、株などの金融資産を1億円以上保有する世帯が100万世帯を超えたと発表しました。国の世帯総数は約5100万戸です。わずか2%に過ぎません。一方金融資産0世帯が3割を超えました。約1500万世帯です。100万の富裕世帯が昨年より500万円消費を増やすのと、5000万世帯が昨年より10万円消費を増やすのは同じですが、あえて言えばどちらが政治が目指すべき道でしょうか?おそらく誰が見ても後者でしょう。
アベノミクスはトリクルダウン説に基づいていますが、未だ世界でトリクルダウンが成功した話は聞いたことがありません。企業や富裕層がさらに富、さらに政治力を持つことになるのは自明の理。まさにアメリカです。
むしろ政治が進めなければならないのは、トリクルアップ。庶民が豊かになりその消費増で企業が潤い、国が豊かになる道。戦後の日本がそうでした。様々書いてきましたが、前回増税時の97年以降の世の中の変わりようは大変なものです。しかも社会の不安は増すばかりです。全てが庶民=生活者や地方の犠牲の上にあるもの。言い換えれば生活者、働く者、地方で生活する人々の我慢と努力で今の日本社会がかろうじて崩れずにいると言っても過言ではありません。
資本主義は本来不平等なもの、不公平になり易いもの。それを少なくし最大多数の幸福を政策で実現しようとするのが、政治ではないでしょうか?それをやめれば政治とはもはや言えません。トリクルダウンなどその最たるもの。
選挙はまだまだこれからです。問題の本質に有権者が気づけばきっと波は起こります。それを信じたたかいを進めましょう!

2014-12-10 | Posted in 日記No Comments »