2014-12-09

アベノミクスはうまくいかない。その理由2

第3四半期GDPの2次速報値が出されました。安倍さん怒ってるでしょうね。マイナス1.6でも大変なのにさらに下方修正されマイナス1.9です。名目でもマイナス3.5%ですから、安倍総理が約束したアベノミクスで名目3%以上は夢のまた夢というか、嘘八百の打ち上げ花火だったことがはっきりしました。
そういえば昨年夏前は10年間で農業所得を倍にすると安倍さん威勢が良かった。ところが最近全く静かです。今年の米価下落で専業農家ほど大打撃で離農が増えるのではとの危機感が増しています。米の価格保証制度である戸別補償制度が存続しれいればこの危機も乗り越えられたはずです。

さて、小泉内閣が誕生し、公共事業の支出を絞り込みました。それまでの中央集権的再分配機能の一翼を担い、地方経済に一定の影響力を持っていた中小ゼネコンや小規模土建業が廃業に追い込まれることになります。そして東北大震災が発生し、業者や技術者が激減した中で復興事業を進めなければなりません。そんな中でアベノミクス第2の矢が放たれ、突然の爆発的公共事業増です。一旦小さくなった業界はすぐに拡大はできません。とくに技術が伴う世界であり、無理なことは当たり前です。資材や人件費の高騰を招き、着工すらできない事業が山積。加えて発注費用が高い期間を避けたい民間企業は設備投資を控えます。
これが今の実態です。生き残ったゼネコンはうはうはでしょう。オリンピックを控えた東京バブルは異次元の話です。一時的に地方も土建業を中心に少し潤うかもしれませんが、それが地方経済全体を潤すまでにはなりません。したがって地方での消費も伸びない。借金を増やして公共事業を乱発しても効果が薄いし、借金が積増されるだけです。

さらに前回増税時の97年と比較して大きく変わったのは、その借金の額。国地方合わせた借金の額は当時は今の半分以下の540兆円ほど。今は1100兆円を超えてしまいました。橋本内閣以後の歴代内閣は需要喚起で凄まじい額の債権を乱発し、地方にもそのことを迫りました。しかし景気は上向かず、小泉内閣で一気に公共事業を絞ったのはすでは上述のとおりで、加えて三位一体の改革で一気に地方財政は冷え込んでいきました。一度そうなった流れはなかなか戻りません。少し民主党の政権で戻りかけましたが、安倍内閣となり再び地方財政は国家管理のような体裁になってしまいました。
しかし500兆円を超える借金をしたのに何故、庶民の暮らしは不安が増すのでしょうか?こんな国は日本以外にないのではないでしょうか。未だに年金や医療保健や介護や教育など庶民のエンゲル係数を高める不安や支出案件が解決されないでいます。明らかに長い保守政治のミスリードです。
少なくとも民主党は庶民の不安を取り除くためには、持続可能な社会保障制度が不可欠としてUP分の消費税国庫納入分は全額社会保障に回すことで大きい代償を払いつつも党内手続き行いました。そして三党合意をしたわけですが、安倍内閣誕生ですぐに反故にされ、さっさと新たな減税である法人税減税を経団連と約束。アベノミクスという危険極まりないカンフル剤を使いながらも増税は先送りするというわけです。

500兆円を超える借金をしたのに何の解決になっていないうえ、さらに状況を悪化させているのが自民党政策の現実。アベノミクスがうまくいくはずがないどころか、さらに深刻な状況に国民をおいこみつつあると言っていいと思います。
アベノミクスはうまくいかないどころか、更なる闇への一本道です。

2014-12-09 | Posted in 日記No Comments »