2013-02

日記170/民主党人気下げ止まりか?

アベノミクスへの期待感が予想以上に高いようですね【^_^】本当にうまくいけば良いのですが、失敗に終れば日本の危機はさらに段階が上がります。怖いのはそんなときに日中関係や北朝鮮の核実験などが利用され、妙に危機が煽られること。同じことが日本でも1930年代に起きました。最近ではサッチャー時代のフォークランド紛争、ブッシュ親子時代の湾岸戦争やアフガン攻撃など。いずれも今となっては不必要な武力攻撃であったことが歴史認識になりつつあります。国内危機や不人気を対外危機で煽るのは為政者の常套手段です。しかし、戦争となると犠牲になるのはいつも兵士や市民です。国民は紛争の武力解決は望んでいないのになぜそうなるのか。歴史は規模を変えて繰り返します。注意しないといけません。市民の政治力が問われる時代となりました。

さて昨日、TBSの世論調査の情報が届きました。やはりアベノミクスの人気は高いようで、内閣支持率は「ある程度期待できる」(64.3%)まで含めると76%と高い支持率です。TVではミニバブルと言う人も出てきました。昨日話した高校先輩の言葉を借りれば、「給料があがらんならな〜んならん」です。まったくその通り。さて、民主党の支持率は前回と同じ。これまで下がり続けていたので、そろそろ下げ止まりでしょうか。維新は7.2→4.8と民主党に抜かれました。参選の比例代表の投票先も1月のNHK調査では維新が15%、民主が8%と大きく水を明けられていましたが、これも維新が7、民主9と逆転しました。調査会社が違うのでそのまま受け取れませんが・・・__(_ _;)

2013-02-12 | Posted in 日記No Comments » 

 

アベノミクス アメノミクス アベノリスク

マスコミでは円安と株価高の報道が踊る。オールマスコミがアベノミクスを評価しているようだ。
○○ミクスとは経済学のエコノミクス(Economics)との合成語である。有名な政策にレーガン米大統領が行ったレーガノミクス、ニュージーランドのロジャーノミクスがある。いずれも規制緩和を中心とした新自由主義的経済政策だが、評判は良くない。レーガノミクスは最後にはプラザ合意を日本に押し付け、強引なドル安に導いた。ニュージーランドでは規制緩和が医療崩壊や犯罪の増加、教育の質の低下などを招いたとされている。
アベノミクスは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略を三本の矢とする経済政策である。三つの政策の中で今現在姿が見えているのは、公共事業支出を増大する大型補正予算だけだが、これもまだ法案が成立したわけではない。金融政策は市場にある国債を買い上げる量を増やすことで、通貨量を増やす。しかし今やっていることは、国債買い入れの基金に10兆円を増額すること。「必要であれば無制限に積み増す」と言ってるだけ。成長戦略は、復活した経済財政諮問会議の議論待ちで発表は6月だろうと言われている。しかし間違いなく円安、株高に振れている。理由はわからない。あえて言えば、民主党から自民党への政権交代の浮揚感と「アベノミクス」と命名した大々的マスコミ報道に、市場が必要以上に反応しているということだろう。むしろ円安は、リーマンショック以降、世界が自国の通貨安を目指して大きな金融緩和策を実施してきた中で、日本の財務省と日銀だけが財布の紐が固かった。そのことが¥の安心感につながり、投資家が$や€を売って¥を購入する。「日本も世界と同じことをするぞ」と宣言したのだから、¥を保有しておく理由が無くなった。だから¥が売られているので円安になるのは当たり前のことかもしれない。しかし、この円安が続くと輸出は良いが輸入は割高となり、輸入に頼っている製品の価格が上がりだす。デフレの反対がインフレ=物価上昇だから、形の上では好都合でデフレ脱却、来年の消費税増税の地ならしにつながる。金融緩和を嫌う財務省がアベノミクスに唯々諾々と従っている理由がここにある。
しかし物価上昇は間違いなく家計を圧迫する。だから一緒に賃金も上がらなければ、割を食うのは勤労者や中小零細企業だけとなる。
昨日、同僚議員が財政演説に対する代表質問に立った。経済の専門家である。リーマンショック後の日本の対応を次のように批判した。
「(前述したようにリーマンショック後の金融政策が日本だけ違い、一人円高を招いた)08年9月、1㌦110円近かった¥レートが年末には90円台を大きく割り込む急激な¥高$安を招いた。これによって、リーマンショックの震源地である米国の鉱工業生産が15%しか落ちなかったのに対して、わが国の生産はその倍の30%以上落ち込んだ。その後、製造業に働いていた非正規労働者の派遣切りが横行し、生活保護者が急増した。これは働くことのできる若い失業者が生活保護に大量に流入したためだ。今の生活保護の問題はここに端を発したのです」
同じことが今起きつつある。短期間の大規模公共事業は一時的なカンフル剤にはなるが、継続性がなく、デフレ脱却につながらなかったのは証明済み。当時はまだ金融緩和しなかったので日本国債の信用度は守られた。しかしアベノミクスは金融緩和も実施し、さらなる借金で公共事業を行う。しかも即効性のある成長戦略などない。
アベノミクスが成功するには、賃金が上がることが条件。しかし、グローバル経済に突っ込んだ日本企業は、合理化と人件費圧迫しか術を知らない。そんな中での公務員賃金の削減は火に油を注ぐようなものだ。
リーマンショックから立ち直っていないわが国。考えようによっては支離滅裂な政策のように思えるアベノミクスが、公共事業の大盤振る舞いのアメノミクスに終わり、いつの間にか熱気が消えアベノリスクにつながりかねない。非常に危険な綱渡り政策に、わが国は今、サーカスの観客のような気分のワクワク感でいるような気がしてならない。
良質な企業経営者の皆さんの善意と、地方公務員への人件費分の交付税削減政策を今からでも撤回させるような運動に期待するしかないのだろうか。やはり様々な意味で民主党の責任はとてつもなく大きい。

2013-02-07 | Posted in 日記No Comments » 

 

リベラルとは

1月31日の読売新聞朝刊に「民主「綱領」堂々巡り」という見出しで、綱領案を巡って党内議論が混乱し、紛糾しているようにとれる記事が掲載された。この記事の内容は事実と違う。その議論に参加していたから間違いない。むしろ真摯に民主党の立ち位置、方向性が本音で議論され、認識が共通されつつあった。
私もグループを代表して、次の様な主に3つの意見を述べた。
① 民主党の立ち位置を示す表現として「リベラル」という文言を入れるべき。日本では「リベラル」というと左翼的に感じられがちだが、世界で認識される本来の定義は違う。世界標準としての「リベラル」、資本主義下において自由と平等を追求する価値観としての「リベラル」をめざすべき。民主党は保守の自民党と対峙しなければならないし、社民党化してもならない。

② 格差是正という方向性を明確に表現すべき。格差を是正し、国民生活を立て直すことを明確にし、「弱い立場に置かれた人への暖かいまなざしを忘れない」という意味が少々不明かつ上から目線の表現は削除する。

③ 憲法に関して、これまでの「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義」の基本精神の具現化の考えを明記すべき。

民主党には、どちらかと言えば保守の側の人、私のように労働界出身の人、正真正銘のリベラル派など多士済々の顔ぶれがそろう。私の意見のあと「リベラル」の表現をめぐって多くの議員が、自らの歴史を語りながら異口同音に「リベラル」的表現の必要性を述べた。新聞記事に書かれている「リベラル保守」はその中の一人が、自分の選挙区で自らが使っている言葉として発言したもので、綱領に書くべき言葉として述べたものではない。

リベラルの定義は難しい。一般的に保守とは、伝統的なその国の価値観と国家を重んじる。当然、レズやゲイの権利や人工中絶を認めない。その対比としてリベラルを表現すれば、自由で多様な価値観、人それぞれを大切にし、人があって国家があるという考え、になろうか。これが日本では単純にリベラル=革新という感覚が定着している。その理由には、冷戦構造の国内版ともいえる55年体制にある。我が国では、世界のリベラル的価値観の醸成を無視し、資本主義派の自民党、社会主義派の社会党を両極にする政党政治が続いた。リベラル的思想性は資本主義or社会主義の体制選択的議論の中に埋没する。保守の自民党からすれば、リベラルなどの価値観は社会主義的となり革新的色合いを強める。アメリカでは保守の代表が共和党ならば、リベラルは民主党となるが、労働組合も支持するアメリカの民主党が社会主義体制派だとは誰も思っていない。イギリスも保守党と対峙する政党はストレートに労働党だが、内実は「第3の道」に代表されるようにリベラル的思想が強い。

フランスでもアメリカでもリベラル派が政権を取った。世界は右傾化する保守に対して危機感を強めながら、新自由主義=ネオリベラリズムとの距離も置きつつあるように思う。日本も本気で55年体制の呪縛から抜け出し、政党政治を深化させなければならない。そのためには国民に選挙という選択する機会を通じて、個々の価値観に磨きをかけてもらわなければならない。

前述したように民主党には、様々な思想性の人が揃う。その価値観を集約する場が、今の新綱領議論となる。議論はその後、民主リベラル、民主中道などいろいろ意見が出た。表現は違ってもこれまで曖昧であったリベラルや中道の価値観が、議論の中で収斂されると期待している。

 

 

2013-02-04 | Posted in 日記4 Comments »