2012-06-20

日記92 嵐の夜

昨日午後の総務委員会中に17時30分から3党合意案についての会議の開催をつげるメールが入った。今度は党本部地下の会議室。

外は雨。傘をさしほぼ時間通りに会場に入る。昨日より参加者は少ないように思われる。議論が開始される。前原政調会長が「合意案は一言一句修正しない」「合意できない場合は一任を受けた自分が決定する」旨の発言を何度も行う。これでは絶対にまとまるはずがないと思いつつ、論議を見守る。「合意案は民主党の理念が削除された。修正が必要」「21日に決定する必要はない」「この時期の消費税増税に反対」といった趣旨の発言が繰り返され、協議にあたった実務者の長妻、古本の両議員、税調の藤井議員が何度も答弁にたつ。そんな議論の会場の横壁には、実務のフォローのために党が呼んだ真の実務者の官僚がぞろりと並ぶ。もちろん出番はない。手持ち無沙汰に議論を見守る。どことなくあきれたように。

8時40分ころ、司会が休憩を要請。9時に再会されるとどうも外が嵐の様子。相当の雨風との情報が入る。地下の会議場も同様にいよいよ嵐の中に入って行く。意見は全く噛み合ない。持ち帰って協議するような終わり方をしていない3党合意。それでも野党ならまだわがままが言えるが与党はそうはいかない。責任問題になる。だから前原氏は言う一言一句修正しないは当然だろう。しかし政調会長が公然宣言する様な態度は、この場ではどうしても火に油を注ぐことになる。ここは平身低頭を崩さないことが肝心なのだが・・・。

修正内容も合意できないだろうと言われていた3党が、それぞれ降りて合意した内容。それぞれにとって問題はある。しかしねじれの状況を考えれば飲み込める内容と私は思っている。当然自民党も公明党も飲み込んで確認した。さあ民主党だが、我が党はガバナンスが3党の中で一番弱い。菅総理時代に溝を深めたグループ間の想いが折々に噴出する。こと今回は小沢グループだけでなく執行部側のグループにも広がっている。

刻々と時間が進むが反対意見が治まることはない。労働組合の組織運営を経験したことから見ると、どう考えてもこの会議は終わらないし、溝が深まるばかりに思う。もっと違う手段を考えなければと思う。しかし我が党は真面目な議論を由とするのだろう、真っ向から意見がぶつかる。10時を過ぎる。外の嵐は益々激しさを増した様子。一人のベテラン議員が突然議論に割って入り、外の嵐を理由に会議の中止を求めた瞬間。前原氏が「今日結論だすことになっています。結論がでないので私に一任してもらう」と宣言し、会議は突然終了した。賛成する立場の議員諸氏は待っていたかのようにすぐに立ち上がり帰りだす。反対や慎重や中間派(私はこの立場。党を割る様なことは絶対にならないと思っている)は呆然と立ち尽くすしかない。

最悪の終わり方だったように思う。まるで反対する人は反対しろ!と言わんばかりである。党のある幹部は「こうなるしかない」と言った。確かにそうだと思うが、もっとやり方はいろいろあったはず。その知恵を出す人がいない。中には袂を分かつことを由とする分裂擁護の議員も少なからずいると思う。政治は数。せっかく多数をとった。その矢先に数を減らすベクトルが働くことの無意味さを痛烈に感じるのは、議員経験が少ないからなのか。私にはどうしても理解できない。

10時過ぎむなしさの中会場を出る。少し風雨は弱まったようだが、傘をさしてもびっしょり濡れる。まさに嵐の夜だった。明日が議員懇談会。総理も幹事長も出席する。最後の分裂回避の場となるが、と思いつつ。

 

2012-06-20 | Posted in 日記No Comments »