2012-11

東アジアに生きる。

10月31日、日中韓三カ国デザイナーによる「東アジア・ファッションショー」が北京で開かれた。日本からはコシノジュンコさんが参加。ショーの最後では三カ国のデザイナーが舞台に登場し盛大な拍手を浴びたそうだ。
「政治と文化は別。こういう時こそ、ショーをやる意味がある」と語ったことも報道は伝えている。
全くそのとおりだ。
またユニクロで有名なファーストリテイリング会長の柳井正さんは朝日新聞の「耕論」で、「中国には(反日デモのような)政治リスク、チャイナリスクがあるが出店計画は変えない。経済に国境はない。日中間が緊張し、国境をつくるようなことをしてはいけません」と語っている。グローバリズムの寵児ともいえるユニクロだが、柳井さんの意見には賛成である。
戦争の世紀と言われる20世紀、貧困になった政治が指導し、経済会もそれに同調し戦争が始まった。
さて今日の日韓、日中の領土問題を考えてみる。政治がその思惑で国民や国を動かそうとしていることが露骨にみてとれる。突然竹島を訪問したイ・ミョンバク大統領の行動も、石原前都知事の唐突な尖閣購入発言を理由とするこれも唐突な国有化も、それを理由とした「抗日」の旗を掲げた反日デモ(「抗日」とは毛沢東が指導した時の合言葉でデモの背景には共産党左派の指導があると言われる)などだ。
そして11月1日の東京新聞。「保守自民VS中道民主」という見出しが目についた。安倍復活総裁をトップとする自民は下野する前の自民党とは違う。右に大きく振れた自民党は、領土問題をもっともっと煽ることだろう。自民党が右に振れた分、中道民主となるが、従来の自民党のような保守であっては困る。民主・リベラル的側にいなければ、右ぶれした自民党が戻ってこれない。これは日本の政治にとっても不幸なことになる。そんな両党ゆえに自民に煽られ領土問題がさらに政治的主題になる可能性はなきにしもあらず。
冷戦が終わり20世紀末に始まるグローバリゼーションは、国家間戦争をしにくくした。今だしかけているのは産軍複合体の経済構造が大きすぎるアメリカだけ。皮肉なことだが、経済に国境がなくなったから金融資本主義が世界を席巻しリーマン・ショックを招くことにもなった。
一方でツイッターやフェイスブックといった通信分野のもう一つのグローバリゼーションは、市民同士の情報交換を産み育て、地球の片隅で起きるその国の政府が隠しておきたいような事象もたちまち世界が知り得る時代に成長させた。
政治に煽られて無謀な国家間戦争を国民が認めたのは20世紀初頭。それから1世紀近くが経過した。あのころにはコシノさんもいなかったし、ユニクロも無かった。ツイッターやフェスブックも無かった。日韓、日中の文化、経済はもとより、国民同士の繋がりも、あの頃からは想像もできなかったほど強く大きくなっている。為政者の常道に惑わされることなく、今生きているこの地、東アジアの平和と発展を創りあげることが必ずできるはずである。我々政治家も政治もこれ以上矮小化してはならない。

2012-11-07 | Posted in 日記No Comments » 

 

日記151 韓国人記者の話

韓国人記者が「日本にNHKと朝日新聞があるのが羨ましい」と話すニュースが発信されています。記事全文は決してNHKと朝日を特だしして見出しにする様な内容ではないのですが、「勧告の大手マスコミは産經新聞のようなものしかない」と嘆いています。この記者からするとNHKと朝日はいろいろな考え方をするマスコミになるそうです。なるほどです。ですが、右翼的新聞の代表格のサンケイと自国大新聞を同等としているのは面白いです。

これ以外にも日本人にとって「そうなの?」と思えるような韓国人の感情を吐露していて面白いです。韓国人からすると、日本人は冷静で頭が良く何を考えているのかわからない民族なので、また侵略戦争を仕掛けてくるという確信に近い恐れがあると言われるとちょっと困ります。でも仮にそうだとしたら、まだまだ日韓の交流が不足しているなと感じますね。ヨン様ブームも疑ってしまうと言われたのではくすぐったくりますが、近くて遠い国は相変わらずだと思ってしまいます。

とにかく国民同士の感覚の距離が遠いとついつい政治に利用されてしまいます。過去の歴史が如実そのことを物語っています。政治は恐ろしい。国民に命をかけさせることまでできるようになったのが、近代国家であり民主主義です。これを乗り越えるためには国内民主主義を超えて行かなければなりませんね。

その記事は→http://www.news-postseven.com/archives/20121027_150777.html

2012-11-01 | Posted in 日記No Comments »