2013-08

「談話」の精神を殺すな。

8月号の中央公論は「談話の精神を殺すな」と題して、村山元首相、河野副総理(村山内閣時)と伊吹衆議院議長の3人の対談を特集した。

村山、河野は別として、伊吹氏の発言は面白い。やんわりと安倍総理を批判している。これを読むとやはり今の安倍政権の歴史認識やタカ派ぶりは、政権与党としてはちょっと異質、というか異物であることを再認識する。やはり本人(安倍総理)の思いとは裏腹に安倍政権は案外早く終焉するかもしれない。アベノミクスの先が見えてきた時に安倍切りの動きが始まる。

以下、伊吹氏の発言を抜粋。

「首相の発言が二転三転することは、憂慮しています。それ以上に気になるのは、1994年の首班指名選挙で村山氏に投票することは自社さ連立与党で合意し、安倍首相も村山氏に投票したことです。当時の社会党の主張からして談話のようなものが出されるのは容易に想像できた。安倍首相が村山さんに一票投じなかったというのであれば、(談話の)見直し検討も筋が通っているが、あの時、一票を投じ、後に閣議決定された談話を見直すというのは少しどうか。政治、中でも外交は継続的に行われるべきものです。首相は慎重に発言する必要があると思います」

大人の考え方ですね。その点、安倍さんはちょっと子どもっぽい。ムキになるし、twitterやFacebookの使い方も少々疑問ですし。

「胸襟を開き、相手の信頼を得ていく。そういう感じが今の日本の政治に決定的に欠けているんですね」

そうだ。そうだ。(拍手)

(「侵略の定義は定まっていない」という安倍首相発言に対して)       「国家とは国土、国民、主権によって成立しているのですから、そのどれかを他の国家が侵せば、それは「侵略」でもあります。「ご迷惑をかけた」ことは間違いない。強制性があったとか、なかったとか、侵略の言葉の定義がどうだという前に、「ご迷惑をかけた」という気持ちを伝えないと話にならない」

至極当然の考です。

「こうした人なら信頼できると(相手に)思わせることに長けていない。・・・互いの未来を話し合わなければならないだろうと思います。それを、迷惑をかけていないなどと言い張ったら何も始まりません」

まったくその通り。すべての人間関係や交渉ごとの始まりだ。これができない人はいつもけんかばかりするし、けっして物事がまとまらない。いますねこんな人。こんな人がリーダーに、しかも権力者になってしまったら、その組織は早晩暗礁に乗り上げるか、最悪崩壊する。日本がそうなるかもしれない。だから安倍内閣はそう長くは続かないかもしれないと思うのだが。

2013-08-07 | Posted in 日記No Comments » 

 

日記207 新会長決まる。

昨日、輿石会長の副議長就任にともなっての後任の民主党参議院会長を選ぶ選挙が行われ、郡司元農林水産大臣が北沢元防衛大臣を7票差で破り、新会長に決まりました。議員総数は59名、うち副議長の輿石さんと外遊している議員1人を除き、投票総数は58名。結果は33票対24票。

輿石前会長は副議長就任要請に対して、新会長選任にあたっては選挙無しの禅譲を考えていたと思います。しかし意に反して一部の議員グループが北沢さんを推して、無投票へと動いたため、またぞろ与党時代の旧執行部派(野田、前原、菅派など)対それに対峙していた当時の参議院グループ(輿石派)の選挙の様な構図となりました。旧執行部派の動きや言動が「脱労働組合」などとマスコミ書かれるものだから、連合系の議員は反発します。こんなことの繰り返しです。

かつての与党時代の代表選挙。菅さんは勝って挙党態勢、野田さん同じようにノーサイドを言いましたが、実現せずに反小沢、親小沢などとマスコミにたたかれ、結局分裂に進みました。今度は脱労働組合でマスコミに色分けされるのでしょうか。そんな言質をとられるような行動や発言は民主党の命取りになります。

そんな余裕は我が党にはありません。地に落ちた信頼を3年間でどれだけ回復するかが勝負です。郡司会長のもと新執行部に参議院を心一つにまとめる力があるか否かが試されます。

2013-08-07 | Posted in 日記2 Comments » 

 

岩波書店が100年問い続けるリベラルの可能性

昨日の8月5日は岩波書店創業の日。大正2年8月5日だから、今年で100周年を迎えた。創業者の岩波茂雄は、「戦争を防げなかったのは国の文化の力が脆弱だったからだ」との反省のもと、国民へ良質の文化を届ける思いで岩波書店を創業したという。新書や文庫は日本人なら誰でも一度はお世話になっている。辞書の広辞苑も「広辞苑によれば」とあいさつするときに引き合いにだすほど、国民に信頼されている。茂雄の目指した文化に対する貢献は計り知れない。

一方で、雑誌「世界」などを通じて我が国におけるリベラルの可能性も問い続けている。そんなこともあり、左翼系の代名詞ともなった。冷戦構造が終了した辺りから発行部数も減り始めたのも日本における左翼の思想の停滞に起因するのであろう。

しかし、昨今の保守や復古主義の台頭により、日本におけるリベラルの復活、いや本当のリベラル勢力の必要性が問われるようになった。特に民主党の敗北以降は目立つ。欧州のような階級社会ではない日本では、左右の対立も気迫であり、民主主義の誕生、発展を宗教的に肌で経験していない日本人の社会では、リベラルの基盤である個の確立も風に舞う木の葉のように漂い続けている。

日本の政党政治は、このままでは、一党保守体制で進むのか、保守の二大政党に変遷するのかのいずれかであろう。岩波書店が問い続ける我が国のにおけるリベラルの可能性は、戦後70年近くたってなお浮遊する日本人の思想性に突きつける今日的課題だ。非上場を続ける岩波書店が100年間営業を続けていることに感謝である。

2013-08-06 | Posted in 日記2 Comments » 

 

日記206 8月1日です。

おはようございます。今日からもう8月です。その時々では、そうは思わないですが、振り返ってみると時の流れは早いですね。

さて永田町です。惨敗の21日の参選後、民主党は幹事長が辞任し、後任の幹事長を決めるなど、相変わらずのガバナンス欠如、人材不足を見せつけるような10日間をこなしての臨時国会入りです。

今日午後、参議院議員総会が開かれ、参議院の副議長人事が決定されます。選挙後初めて議員全員が集まる予定です。3年前に新人議員として参加した議員総会。今度は新たな議員の皆さんを迎える立場となります。長いようで短いような3年間でした。3年前に迎えてくれた先輩議員の皆さんですが、離党して新党結成し昨年の衆議院選挙に立候補し落選した議員、この参議院選挙で落選した議員、引退した議員などなどで数が激減し、総会の部屋も今総会から別の小さな部屋に移ることになっています。

懸案の副議長人事ですが、反対していた自民党も折れた様子で、すんなりと輿石参議院会長に決まります。本人の思いとは裏腹に、参院のドンと揶揄されてきた輿石さんが、事実上その権力を手放す立場に移ります。党内的には副議長人事よりも次の会長人事が注視の的です。期数で候補者をピックアプすれば4、5名の議員の名が挙がります。

実は昨夜、同期の当選組が集まり、誰が良いか話し合いましたが、結論が出ませんでした。過半数に大きく届かない参議院民主党の舵取りを任せる会長人事は、8月第2週には決まります。

2013-08-01 | Posted in 日記No Comments »