2017-06

アベノミクスの欺瞞を明かす藻谷浩介さん。

 一昨日早朝、党のエネルギー環境調査会で久しぶりに藻谷浩介さんの講演を聞いた。大変勉強になったのでその一部を紹介。
 まず藻谷さん資料の下の2枚の写真。1枚目は国民経済の1985年からの推移。
 大きな山と谷の線は、株価時価総額の推移(「株価の比較は銘柄を入れ替える日経平均では見てはいけない」藻谷)
 ▽の折れ線は、名目GDP、以下、◇=雇用者数、◻=個人消費、◯=勤労者所得、棒グラフ=マネタリーベース
です。
 2013年〜2016年にマネタリーベースが増加しているのは、アベノミクスが原因です。異次元緩和で日銀が国債を買いまくった結果、470兆円にもなりました。しかしマネタリーベースの増加は株価の推移にはまったく関係なく、株価は一定期間の山あり谷ありを繰り返しているのがわかります。それどころか雇用者数も個人消費も勤労者所得も全く関係なく横ばいを続けています。名目GDPも都合よく算定方法を変えたりしましたが、それでも537兆円。
 まさに異常に増えているのマネタリーベースだけ。それ以外は何も変わっていないというのがアベノミクスの現実なのです。
 政府が良くなったと言うのは、いつも対前年比。藻谷さんのグラフのように長期的に見れば何も変わっていないのがわかりますね。
 二つ目の写真を見てください。政府が雇用者数が増えた増えたというその実態がこれです。
 生産年齢人口(15歳〜65歳)つまり現役世代が1997年くらいから下がり続けているので、当然現役世代の就業者数も減ります。しかし生産年齢人口ほど減っていないのは、女性の就業者が増えたせい。団塊の世代が高齢化するに従って65歳以上の就業者数も増加し、結果65歳以上を含む就業者数も漸増することになります。しかしこれも藻谷さん曰く、「団塊の世代がさらに高齢化していくにつれ高齢者の就業数も減りだす」。
 アベノミクスはマネタリーベースを異常に増加させ、増やしたのは「金融リスク」だけということが一目瞭然なのです。
 規制緩和や投資を増やしても、人口減少社会に突入した我が国では、経済成長は見込めない。それどころか規制緩和でさらに雇用環境が悪化すれば消費はさらに落ち込むだろう。
 勤労者所得を増やしたり、将来の生活不安(医療、介護、年金、教育)を社会保障の充実で取り除き、不安に備えている貯蓄を消費に回すようにする。それでもそんなに大きな成長は望めないだろう。
 でも成長=幸福ではない。もっと違う生活、もっと違う社会の在り方があるはずだ。
 
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2017-06-02 | Posted in 日記No Comments » 

 

「原発ゼロ」社会の実現に向けて(論考)

 民進党では原発ゼロ法案策定を目指した党内議論を加速しています。その論議の方向性をリードしたいという思いで、小論を書いて見ました。それなりに課題整理はできたのではと思う。しかし、まだまだ足りない分はある。そこはこれから随時ブラッシュアップしようと思っています。
 ここでは論考の「はじめに」の部分だけ紹介します。

はじめに

 私たちは、我が国において原子力発電によるエネルギーに全く依存しない社会を2030年に実現する(以下「原発ゼロ」)という政策目標を掲げ、議論を重ねてきた。その考え方の前提に、①40年廃炉の徹底②再稼働、新増設(建設中、計画中含め)を認めない③核燃料サイクル事業の中止…を掲げた。各課題の実現性に対する疑問、「原発ゼロ」社会の実現に対しての様々な批判、反論があることも承知している。それら疑問・批判に答えるとともに国民の理解を基本に我が国の英知、技術を結集すれば「原発ゼロ」が可能であり、むしろその社会こそが私たちが実現すべき持続可能な未来ある社会であることを、あらためて確認したい。
 強調したいのは、電力エネルギーをめぐる状況、環境は日々新しいと言ってよいほどの変化が生まれていることだ。前提を固定してしまわないこと、が重要である。例えばアメリカの研究機関「エネルギー経済・財務分析研究所」(IEEFT)は3月21日付けで報告書を出したが、日本の省エネルギーの傾向は2030年まで続き、2030年の電力需要は8,680億kWhにまで減ると予測した。日本政府が2015年に決めた「長期エネルギー需要見通し」は、2030年の電力需要を9,808億kWhとしているから、11.5%も少ない見通しとなっている。同報告書は2030年に再生エネルギーは太陽光発電と海洋国家とし適地に恵まれている洋上風力の活用で総発電量の35%を占め、原子力発電は財政負担などで8%に留まるとし、こうした変化によって、いま計画が相次いでいる石炭火力発電の多くは建設されない、と指摘している。
 もう一つの重要な観点は、私たちは単に3・11の後始末をするといった後ろ向きの発想から「原発ゼロ」を目指しているのではないということだ。
 「大型集中発電装置は、恐竜(ディノサウルス)のように早晩死滅するので、新しいエネルギー革命に乗り換えるべきだ」との考えを明らかにしたのは世界トップの投資銀行であるUBSであった。これを裏付けるような大胆な目標を掲げたのは中国である。中国の国家発展改革委員会(NDRC)に属するエネルギー研究所と能源基金会(EFC)が今後中国は太陽光や風力などの再生可能エネルギーの強力な導入をはかり、2050年にはエネルギーの60%、電力の85%を賄うという野心的な計画を発表したのは2015年4月だった。なお、NDRCは中国の最も重要な政府機関であり、この計画にはアメリカのエネルギー省が3年にわたって綿密な協力をしてきてもいる。
 いまや再生可能エネルギーは補助的なものではないことを心すべきだ。ケニアでは国内の電力需要の半分近くは地熱発電で賄っている。バングラデッシュではあのノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が太陽光パネルで農村を電化する大規模な運動を展開し、二年前のデータでも1分間に2軒の勢いで太陽光パネルがバングラで設置されている。アジア、南米だけでなく中東の産油国でも再生可能エネルギーの導入は始まっており、原発大国フランスでも今後5年間で1,000kmの道路を太陽光発電道路にする。
 私たちは、これまでの原発推進施策と「原発、この道しかない」という安倍政権のマインドコントロールから逃れ、広く世界の現実に向き合って、根本的に発想を変え、再生可能エネルギー導入の新しい競争に参入する、能動的な選択をすべきだ。それがヒロシマ・ナガサキ・フクシマを経験した私たちの積極的な世界への関与の仕方であり、核の犠牲者を三度生んだことへの責任に対する私たちの回答である。

2017-06-01 | Posted in 日記No Comments »