日記

アベノミクスは「経済成長偽装」。

 皆さんこんにちは。久しぶりにブログを書いています。今年に入り、党務等で忙しくブログから疎遠になってしまっています。
 さて今月、3月8日、国税の改正法案の質疑で本会議登壇し、安倍総理に代表質問しました。その要旨をかいつまんで報告します。まず最初は、アベノミクスは経済成長偽装だ!の巻です。

 「税は民主主義」という安倍総理。しかし、国民が納税するのは憲法上の義務だけでなく、税を納めることでお互いを支え合い、生活する上での様々な行政サービスを享受できるからであり、そこには前提として、政治、行政に対する信頼があるからと言える。その信頼が安倍政権にあるか。財務省の公文書改ざんから、統計のデータ不正など政治の信頼を貶める理由は枚挙に遑がない。しかし、ここで取り上げるのは安倍政権最大の売りであるアベノミクスの経済効果についてだ。
 まずはアベノミクスの6年間の現実を見たい。
 我が国の名目GDPは、ドルベースで、安倍政権発足後の2013年から減少に転じ、2017年で4860億ドルまで落ち込んだ。これはアベノミクス発動前の2012年の6201億ドルに遠く及ばず、リーマンショック後の2009年の5233億ドルさえ下回っている。主要国一人当たり名目GDPの順位も、安倍政権になって、それまで11位だったものが、19位に落ち、2017年は20位になってしまった。成功しているはずのアベノミクスのもとでなぜこういったことが起きるのか?
 円ベースでは上がっている、などといったはぐらかす回答は、さらに国民の信頼をなくすことになる。

 ドルベースでGDPが減少することは、国力が毀損していることにほかならない。もっと言えば、唯一のアベノミクス効果と言ってよい「円安」がなければ円ベースでも今のようにGDPは上がっていない。しかも「円安」は、日銀のバランスシートを崩壊させるかもしれない異次元の量的緩和やマイナス金利政策で生み出された一時的現象である。

 さて、政府は毎年、「中長期の経済財政に関する試算」を公表し、アベノミクスの効果が着実に発現した場合の「成長実現ケース」、それほど上手くいかなかった場合の「ベースラインケース」の2つの成長率を試算している。確認するが、2013年からの6年間はアベノミクス効果による景気拡張期だったはず。
 アベノミクス発動の翌年の2014年7月発表の同「試算」では、2018年は、「成長実現ケース」で実質成長率2.1%、名目成長率3.5%、「ベースラインケース」で実質1.2%、名目1.7%になるとしていた。ところがどうだ。2018年実績見込みは実質、名目ともになんと0.9%ではないか。
 「成長実現」どころか、「ベースライン」さえ大きく下回ってしまっているのが実態だ。
 6年間で実際の成長率が試算を上回ったのは、2017年のみ。それもベースラインケースをわずかに上回っただけである。政府はこのことを深刻に受け止めなければならない。
 これでは多くの国民がアベノミクス効果を実感できないのは当然だろう。あまりに非現実的な想定を堂堂と押し付けるから、統計不正が起きたのではないか。試算に間違いがないのであれば、アベノミクスの効果は現れていないと認め、これまでの発言を撤回すべきだ。

 アベノミクスの6年間は対外的には国力を弱め、国内的には日銀を使った株高の演出とそれに伴う円安で似非好景気を装うものの何もでもない。まさしくこれは安倍政権による「経済成長偽装」である。安倍総理、あなたの政策で国力をこれ以上貶め、国内に貧困と格差を広げるのはすぐに止めていただきたい。そしてアベノミクスの失敗を国民に謝罪し、その責任を取るべきである。

・・・といった内容でした。

補足
 円高は自動車や電器などに代表される輸出企業にとっては好ましくない。しかし輸出企業ではない多くの国内企業、もちろん国民にとっても円高は決して悪いことではない。自国の通貨価値が高い方が良いに決まっている。しかしアベノミクスの柱の一つが為替を円安に向かわせ維持すること。石油などの資源や原材料などの輸入価格が上がることでの物価高演出も目論んでいるのだろうが、輸出大企業に儲けさせ、その利益を国内消費にまわさせることが大目標であった。しかし儲かった企業はそうはせず、内部留保に積み上げ、空前の額に膨れ上がっている。
 自国政府の自国通貨安誘導政策で割りを食っているのは輸出とは無関係の企業と国民なのだ。また自国通貨が安くなるということで、本文で述べたようにドルベース、つまり国と国の関係ではGDPがアベノミクスの6年間で1400億$ほど落ち込んだ。円にすれば17兆円弱。なんと巨額な。この額は円安だけで説明はつかないと思うが、政府はこのことには触れず、国民は円で生活しているから円ベースではGDPは過去最高と言う。そんな実感、庶民には全くない。
 さてアベノミクスの柱には、他に株式市場に介入することで株高を維持するというものと、市場にお金を振りまくことで設備投資、不動産投資等を活発化させることがある。前者は官製相場と言われるもので、国が市場に関わり続けることは不可能、実体経済が伴っていない(ドルベースのGDPが落ちている)以上、株価は必ず下がる。異次元の金融緩和も結局は日銀の金庫に円が積み上がるばかりで市中の円は、都市部の不動産投資に回るくらいで他に大きな影響は与えていない。むしろ異次元の量的緩和は、国債の利率を下方にとどめ置くためにとられているのではと疑いたくなる。円安は円の力が弱いこと、国の信用力低下であり、普通なら円建ての国債の利率は上昇せざるを得ない。利率がちょっと上がっただけで国の負担は跳ね上がる。国は多くの国債を保有する日銀に金利を払はなければならない。アベノミクスはタコが自分の足を食って栄養としているようなもので、自分の足を食べて栄養とした分、また足を再生し続ければ良いが、足を食う方が多かったら、タコは死んでしまう。そんな危険なとこに追い込んで、歴史上一番長い好景気と煽っているアベノミクスは、「経済成長偽装」といわれても仕方がない。

2019-03-22 | Posted in 日記No Comments » 
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