2018-07
アベノミクスはどこへ行った。
最近はよく拝借ネタでブログを書いていおりますが、今回も面白い数字を整理していただいていたので紹介しますね。ネタ元は高野孟さんの「THE JOURNAL」です。
昨夜行った行きつけの寿司屋の大将が、「高野さん先日来たよ」って言ってまして、何か大病を患って大手術をしたとか。知らなかったなあ。一人でふらっと来られて、酒好きですが流石にお酒は飲めなくて「寿司食べに来たよって言って、寿司だけ食べて帰ったよ」(大将)だそう。その寿司屋さんに高野さんを最初に連れて行ったのは実は僕で、随分気に入ってもらってTHE JOURNALでも紹介してくれたほどです。
さて本題です。鳴り物入りで始まったアベノミクスですが、さすが最近とんと口にしなくなったという話です。
藻谷浩介さんの「デフレの正体」(角川新書)の話もでてきます。僕は、以前安倍首相にデフレは労働力人口減とそれに政策対応してこなかったことが原因の一つと指摘したことがあります。首相は鼻で笑うように「ああ藻谷さんね」とバカにしたような雰囲気でした。
それはさておき、異次元の金融緩和で膨れ上がった数字がこれです。
13年3月⇒18年6月
マネタリーベース 138兆円 503兆(+365兆)
日銀の国債保有高 165兆 425兆(+260兆)
日銀当座預金 47兆 385兆(+338兆)
銀行預貸ギャップ 214兆 278兆(+ 64兆)
企業内部留保 306兆 417兆(+111兆)
ETF保有残高 1.4兆 17.2兆(+15.8兆)
ここまでやっても消費は上向かずです。結局潤ってるのは不動産会社や資産家の一握りの人たち。僕の知り合いの不動産関係の業者さんも、不動産バブルもそろそろ危ないと1年前くらいから言い出しました。
今度の西日本の災害。東北の復興は緒についたばかり。莫大な福島原発事故の保証や廃炉費用。熊本地震の復興もこれからです。社会保障の自然増は知っての通り。お金はいくらあっても足りないのです。そんな中でこんなお金の使われ方。未来の第2次安倍政権の歴史的評価は最悪でしょう。
日銀が企業の4割で大株主になったそう。
執筆をサボっておりましたが、こんな日経の記事を読めば書かざるを得ませんです。
日経新聞調査によると、日銀が3735社中1446社で10位内の大株主。サッポロホールディングスなど5社で筆頭株主になったそうです。
日経記事→https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32284120W8A620C1000000/?n_cid=NMAIL007
黒田総裁の異次元緩和策は、国債購入とETF(上場投資信託)を使っての株式市場への投資。先週もほぼ毎日700億円を超える資金を注入しました。結果日経平均株価は小幅な上げ下げを繰り返す相も変わらずの官製相場。
日経は、業績と企業価値と無関係に株価を高止まりさせる官製相場に、適正価格まで下がれば増えるはずの買い手を市場から遠ざけると警鐘を鳴らす。
日銀の保有株が増える一方で個人株主や事業法人が持ち株比率を減らしているし、海外投資家の資金も伸び悩む。つまりはそれだけ魅力のない市場になっているってことです。
異次元緩和の出口策が話題になる機会も増えたけど、仮に日銀が資金を引きあげれば相場は暴落するかもしれないです。誰が責任とるのでしょう。
直近の日銀短観も景況感が2期連続悪化となり、実に5年半ぶりのこと。どうなる日本です。