2017-01

「でんでん」の読み間違いと税収1兆7,532億円もの見込み違い。

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 アベノミクスのサビつきが明らかになった。2016年度の国税5税(所得、法人、酒、消費、地方法人)の税収が当初の見込みより、大幅に落ち込んだ。その額1兆7,532億円。とんでもない額だ。
 代表質問で総理は想定外の円高を理由にあげた。しかしこれは嘘。対ドルで円高の兆候が出たしたのは2016年の1月から。前年12月、1ドル=121.9円が1月に入り118.3円に上がる。以来上がり続け4月になると110円台を切る。昨年の底値は8月の101.2円。アメリカ大統領選後、トランプ相場で円安に振れだすが、12月までに戻った額は115.8円まで。
 アベノミクスの成功を喧伝したい政府は想定外の税収増を試算し、それを根拠に16年度予算を編成しただけである。 
 もともと世界的に強かった円を異次元緩和で国家財政を棄損させ、無理やり円安に持っていったのがアベノミクスだから、緩和策慣れや世界経済の動向しだいで容易に円高になることは想定内としておくべきだった。
 国税の落ち込みは地方交付税原資不足に直結する。その額、5,437億円。
 地方交付税額はすでに決定し、配っている。自治体に対して税収不足なので返してくれとはいえないし、自治体も返せない。
 したがって5,437億円を国が新たに肩代わりするための法律改正が必要となる。それが今度の第3次補正予算案関連の法案「地方交付税及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案」。
 5,437億円を国と地方が折半する。2,718億円を国が臨時財政対策加算額として支出し、残りの2,718億円を臨時財政対策債振替加算額として地方が負担する。
 地方が負担するといっても平成29年度から5年間かけて各年度分の地方交付税総額から差し引かれることになる。
 こんなことするのは異例でリーマンショック後の年以来だ。つまりは2016年度の政府の税収増の読みのハズレ幅はリーマンショック級だったというわけである。これって相当な責任ではないですかね。安倍さん!

 蓮舫代表の質問の答弁書の「訂正云々」を「ていせいでんでん」と読み間違える総理だから、そんな責任、爪のあかほども感じていないのです。
 
 しかし麻生総理(当時)の「未曾有」の「みぞうゆう」の読み間違えより、「でんでん」の方が笑えるし、程度も低いのですが、マスコミは黙ってますね。ネット上では結構話題になっておりますが。
 ちなみに議事録はきっちりと「うんぬん」と発言したことになっております。なんか可笑しい昨今です。

2017-01-26 | Posted in 日記4 Comments » 

 

自民党から出た安倍総理は「裸の王様」。

 代表質問が行われた。我が党からは蓮舫代表が立った。
 昨年生まれた子どもの数が100万人を切った。これは統計を取り始めた1899年以来初めてのことで、戦後の我が国の繁栄を支えてきた環境が曲がり角を迎えている。その中で引き続き安定成長を実現していく考えには変わりはないが、しかし同時に、経済的な「豊かさ」に偏重するのではなく、一人ひとりの価値観を大切にし、様々な考え方、生き方を認め合う多様性を大事にすることが、これからの「豊かさ」だ。老若男女、誰もが生まれてきたことを、自分が必要とされていることを実感できる国を民進党は目指す。だいぶ端折ったが、こんな冒頭から蓮舫代表は代表質問を始めた。
 なかなか良い質問だったと思う。ここで全文紹介するスペースは無いので、参議院HPにアクセスして読んで欲しい。
 しかし、これに対する安倍総理の答弁がこれまた歴史的に酷かった。自画自賛、唯我独尊の羅列で一国の宰相というプライドも重みも器量も垣間見えないもの。与党サイドからの拍手も少なかったように思う。閣僚席の菅官房長官も苦笑いしていた。本当は総理答弁をHPで読んでもらいたい。明日の新聞は報道しないだろうから。
 さて本当に今日触れたいのはその後の自民党の代表質問。立ったのは参議院自民党幹事長の吉田博美氏。吉田さんは「皆さんが批判するほど安倍総理はひどい人ではない」といった雰囲気の話を実例を上げて延々と語り始める。野党席から「早く質問しろ」「そんなほめ話は党内でしろ」とヤジが飛び、騒然となる。
 持ち上げるだけ総理を持ち上げた吉田さんは、「そんな私が一つだけ心配すること。それは総理」とおもむろに続けた。
 「総理が裸の王様になってはいないか、ということです」。
 本会議場爆笑の渦とかしたのは言うまでもない。言うも言ったり吉田さん。冒頭のこれでもか、の持ち上げは全てこの一言を言うためにあったのだ。
 本ブログの2015年2月13日に今日と同じように総理の施政方針演説の印象を、「意気込んで言葉が踊るだけ、敢えて言えば「裸の王様」のような、そんな雰囲気です。」と書いた。その時は総理を「裸の王様」と揶揄する人はまだだれもいなかった。
 2年立って与党の代表質問でその言葉が聞けるとは、正直僕も考えてもいなかった。
 自民党参議院幹事長が「裸の王様」と言うのは相当勇気のいること。裏を返せば安倍総理に対してそう感じている議員が相当数いるということなのだ。
 安倍総理は清和会、吉田さんは元経世会。ふつふつと不協和音が表に出だした。そんな意味で今日の代表質問は特筆すべきものである。
 

2017-01-24 | Posted in 日記3 Comments » 

 

日独の政治力量の差。

 2017年の幕が開き、明日で20日目となる。奇しくも我が国の第193国会開会と米国新大統領の就任が同じ日となった。

 今年初めてのブログの論はこれから始めることにする。雑誌「月刊Journarism」1月号の巻末に、在独のジャーナリスト熊谷徹氏が「海外メディア報告」の欄に記事を載せている。

 内容は、明日就任するトランプ新大統領に対するメディアや政治家の批判とドイツの人権意識についてである。

 熊谷氏はトランプ氏当選後に贈った日独首相の祝辞を批評する。

 まず安倍首相。「トランプ次期大統領は、その類い稀なる能力により、ビジネスで大きな成功を収められ、米国経済に多大な貢献をされただけでなく、強いリーダーとして米国を導こうとされています」

「トランプ次期大統領と緊密に協力し、日米同盟の絆を一層強固にするとともに、アジア太平洋地域の平和と繁栄を確保するために、日米両国で主導的役割を果たしていくことを、心から楽しみにしています」

 熊谷氏は「安倍首相は、この時点でトランプがどのような日米関係を築こうとしているのか知らなかった。それにもかかわらず、日米同盟を「希望の同盟」と呼んだ。私の目には、この祝辞は外交辞令に満ちた、表面的な祝辞に見える」と記す。 その思いは熊谷氏だけではない。日本的に言えば「歯が浮くような」が枕詞に付く賛辞文である。誰もがそう思う。贈られた本人も同じだった。その証拠は2日後に露わになる。21日、トランプ氏は祝辞の返礼に「TPP離脱」の強烈なカウンターパンチを安倍首相に贈った。

 一方の独首相メルケルはどうであろう。熊谷氏が引用したのは次の部分だ。「ドイツにとって、EU以外の国の中で、米国ほど共通の価値によって緊密に結ばれている国はありません。その共通の価値とは、民主主義、自由、権利の尊重、全ての個人の尊厳を重んじることです。人権と尊厳は、出身地、肌の色、宗教、性別、性的な嗜好、政治思想を問わずに守られなくてはなりません」

「あなた(トランプ)がこれらの価値を我々と共有するという前提があるならば、私は協力する準備があります」

 メルケル首相は、日本の首相と違って無条件に(トランプ氏に)協力することを拒否したのである(熊谷氏)。もちろんメルケル首相が指摘したのは大統領選当時の数々のトランプ氏の言動があったればこそ。ではなぜ日本の首相にはそれがなく、「歯が浮くような」賛辞に終始したか。両方が先の大戦の敗戦国で周辺国に多大な犠牲を強いたことで共通してもいる。

 熊谷氏はナチス時代に世界に及ぼした被害に対する深い反省と、ナチスの暴虐に対する反動で生まれた強い人権意識があると指摘する。日独両国の戦後処理、あるいは敗戦後の両国政治家の考え、生き方の違いが、今の時代の両国首相の政治家としての度量、迫力の違いを産んでしまった。

 果たしてそれだけだろうか。明日から始まる第193回国会。その勢力図は両院で圧倒的な力を持つ自民党が際立つ。何を言っても通ってしまう。まるで「平家に非ずんば人にあらず」の時勢である。

 かつて「保革」という政治言葉があった。今ではその言葉さえ死語になる。いや死んだのは「革新」の方だけで、「保守」の方は、保守を表す政党としての自民党が保守そのものとして生き続けている。保守の政党が自民党ではなく、自民党=保守なのである。それ以上に日本の政党は自民党以外は無い、とでもいった状況が今なのである。その自民党の系譜は戦前の帝国議会時代から始まる。日本の政治の根幹は、大戦を挟んでも途切れることはなかった。戦前の政治の思想性は敗戦と日本国憲法の成立をしても生き続けてきたのである。

 明治政府が誕生し、しばらく薩長の藩閥政治が続いた。その批判の中で自由民権運動が起こり、政党政治が誕生する。時代は1920年代になっていた。考えてみれば今から100年足らずである。そう簡単に民主主義の条件とも言える政権交代可能な政党政治体制が確立することはないかもしれない。しかし明日の国会開会を前に何とかしなければと思う。

 安倍首相を頂くことが、日本の政党政治の現実である。たとえ首相が変わったとしても根幹の部分での変革がなければ、日独の政治力量の差は縮まらない。単なる民進党の勢力拡大だけで解決できない我が国政党政治の現実は、すぐれて国民的課題なのである。

 

 

 

2017-01-19 | Posted in 日記1 Comment » 

 

明けましておめでとうございます。

img_0357 皆様。明けましておめでとうございます。私も本日から会館に出勤し、在京の秘書、鳥越、三木と一緒に、在福岡の高田秘書は別枠参加で新年のご挨拶を申し上げます。 昨年は一方ならぬお世話をおかけいたしました。一同感謝でいっぱいの新年を迎えております。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

皆様にとって本年が幸多き年であることを祈念いたします。

 

 

2017-01-06 | Posted in 日記1 Comment »