2016-07-12

選挙結果の若干の分析と展望① 「大成功の野党共闘」。

 選挙、お疲れさまでした。ありがとうございました。勝って戻ることができました。このブログもあと6年継続することができます。
 さて選挙戦だったのでブログ更新もできずにいた。ご愛読の皆さんには申し訳ない、です。
 今回はその選挙のことについてだ。僕の結論は、月並みだが「絶妙なバランス感覚を示した有権者」となろう。なにも一人一人がそんなことを思って投票したり、棄権したりするわけないから、それぞれの行動の総体の結果としてそうなったということなのだが。

 まず安倍政権にとってはどうだろう。決して喜んで良い結果ではない。課題の3分の2は到達したようでそうでもない。自公とお維で3分の2には届かず。非改選の無所属の改憲賛成議員を加えての3分の2だから勢いはそがれる。自民単独過半数にも届かなかった。唯一達成したのは自公合わせての改選過半数の61議席である。これは元々意図的に低いハードル設定なので、評価は低い。達成できなければ安倍退陣の大敗北のはずだ。
 
 これによって何が起きるかと言えば、公明党の存在感増。それとお維の野党スタンス化だろう。つまり安倍悲願の改憲議論はスタートから多難だということ。山口公明党委員長は選挙の結果がでる前から改憲については消極的なことを漏らし始めていた。公明党にとって一昨年の集団的自衛権行使や昨年の安保関連法の成立などは、母体の創価学会を揺るがす「とんでもない」政治的転換だった。言い訳じみた弁明でかろうじて会内混乱を押さえている。それでも会員からは様々な形で異論が飛び出している。これ以上の混乱は党の命取りになる。おそらく安倍さんや取り巻く国粋主義的頓珍漢右翼派議員の思い描く憲法改正は事実上不可能になったと言える。つまり安倍在任期間内の憲法改正は非常に厳しい。

 野党はどうだろう。野党共闘は間違いなく成功した。特に共産党と共闘できていなければ自公で3分の2。自民党で単独過半数を達成していた。つまり上述した逆のことが現実化していたはずだ。そう考えれば「試合に負けて勝負に勝った」ことは明々白々ではないだろうか。特に政権への強烈なパンチとなったのは福島と沖縄での野党統一候補の勝利は大きい。原発政策と辺野古という政権が抱える二つの難題が益々重くのしかかることになる。
 忘れてならないのは同日行われた鹿児島知事選挙。原発推進の現職知事を新人の三反園さんが原発反対を訴えて勝ったことである。余り知られていないが鹿児島県の知事はほとんどが総務省からの天下り知事。それも事務次官クラスが多い。現職知事も総務省官僚だが事務次官経験者ではなかったが、ずぶずぶの中央直轄である。
 さすがに保守王国の県だけあって県民は参議院は自民党に勝たせたが、知事選は地方が主役を主張したのだ。これは鹿児島県の保守地盤を揺るがす。安倍さんは「おらが春」を謳歌しているようだが、どっこい徐々に民意に浸食され始めているようだ。

 さて民進党が不甲斐ないのは、そのことをもじもじ、いじいじして明確に主張しないことである。(つづく)

2016-07-12 | Posted in 日記1 Comment »