日記

まだ「同日選あり」と思う幾つかの理由。

 マスコミの「衆参同日選」報道は最近随分とトーンダウンした。熊本地震の発生がその大きな理由だ。「こんな非常時に解散したら批判を受ける」ということだが、果たして安倍首相の心中は如何か。
 僕はまだ同日選ありという思いをなくせないでいる。その理由は一般的だが次のようなものだ。
 まず一つは、経済である。昨日の決算委員会で麻生財務大臣が「為替介入」に言及した。異例とも言えるこの発言には日本政府の苦しい立場がにじみ出ている。日銀の量的質的緩和もマイナス金利もうまくいっていない。株価も下がり、為替も円高に触れだした。その背景には米国のドル安誘導がある。麻生大臣とルー米財務長官との確執は以前のブログに書いたが、米国はこれ以上の円安を許さないし円高容認の思いさえ透けてみる。そこでの麻生財務大臣の為替介入発言なのだが、昨日も少々苦しい発言に思えた。つまりはアベノミクスはこれから時間が経過すればするほどそのマイナス部分があらわになってくる。遅くなればなるほど首相の解散カードを切るタイミングは無くなる。
 第2の理由は、サミットである。おそらくこれからサミットお祭り騒ぎ報道がエスカレートする。外交で得点を稼ぐのは安倍内閣はうまい。相当演出させるだろう。しかし内実は前述のように中身は芳しくない。日本にとって厳しいものになるだろう。サミットお祭り効果が続くうちにと思うのは当然だ。
 3つ目は熊本地震の補正予算が緊急上程され月内に成立することが、早々と与野党で決まった。東北震災のときとは大違いだ。あの時は自民党が抵抗した。背景には財務省がいて、「財源はどうする」というものだった。結果、震災復興増税の可決まで補正予算は組めなかった。復旧復興に対する与党民主党の姿勢が問われたわけだが、それからすると今回は速い。大型補正は地震だけではなく景気対策も盛り込まれよう。与党にとってはプラス要因である。
 最後に動き出した野党統一の足並みを崩すには「同日選」しかない。これも以前のブログに書いた。その状況は変わってはいない。いやむしろ「同日選無し」との安堵感が野党側、特に民進党にあって、参議選の選挙区調整に終始し総選挙対策への緊張感が無くなったような雰囲気は敵の思う壷状態ではないだろうか。
 補正予算を仕上げ、サミット効果で支持率UPの中で「増税先送り」を理由に解散に打って出る。野党統一の選挙戦の足並みは乱れ、政権に批判はあるものの小選挙区制度の特徴で得票率は下げても勝利する。破れかぶれ解散のようだが用意周到に計画された仕掛けではないか。そんな危機感を僕は持つのであるが。

2016-05-10 | Posted in 日記No Comments » 
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