日記

イランと関係強化目指すEU

政府は海外での集団的自衛権行使の唯一の事例としてホルムズ海峡の機雷掃海を挙げている。イランを想定し、物語を組み立てていたことは誰が見ても明らかだった。一方でアメリカを中心にしたイラン制裁解除を議論する六カ国協議は着々と進行し、とうとう結論を出してしまう。イランの核開発疑惑を巡る敵対関係は沈静化する。

そして駐日イラン大使から、イランを想定した政府の海峡封鎖論を「全く根拠がない」と指摘される。六カ国協議合意を受け「もはやそんな議論はナンセンス」ということだろう。安倍政権の集団的自衛権の強行が外交問題に発展しそうになる。

7月27日の参議院本会議でそのことを指摘された安倍総理は、「特定の国を想定したものではない」とまた混乱を招く発言をする。「誰がするかわからない機雷封鎖だが、あったら掃海しなければならない」だから法律をつくるということだ。説明できる立法事実(法律が必要とされる事実)がないことになる。

さてさて我が国政府が迷走している間に、ヨーロッパではイラン制裁解除後に向けての外交が始まっている。一昨日、六カ国協議の調整役だったEUのモゲリーニ上級代表が初めてイランを訪問した。モゲリーニは「(制裁解除されれば)イランは投資先として大きな注目を集める」と言い、イランのザリーフ外相は「共通の利益に向けた協力が始まる」と返した。

世界の動きは速い。安倍総理のもと思考が停止した政府ではどうしようもない。

2015-07-29 | Posted in 日記No Comments » 
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