2015-05-21

NHKの話①

ありがたいことに定期的にコラムを掲載していただく機関紙がある。中でも出身の福岡県本部が結構長文の話を載せてくれている。そこにNHKに関する話を3回に分けて書いた。さすがにNHKで3度は長広舌すぎると思って、これを最後にとしたら紙面が足らず、「続きはブログ」と逃げた。そんな訳で福岡県本部の機関紙に載せていただいた分を加筆してここで紹介することにした。

天下の日本放送協会、NHKが揺れている。原因は籾井という異質な人を会長に据えたこと。そして官邸からの圧力だ。NHKに政権批判をさせないことを目的に会長や経営委員人事に介入したのだから、こうなることは目に見えていたが。

内と外からの揺さぶりだけにどれだけ耐えれるか。経営陣の真価が問われたのは言うまでもない。

内なる揺れは、一昨年籾井さんが会長に就任した時から始まった。官邸は経営委員と会長というNHKの権力の中枢に、総理と思想信条や関係の近いメンバーを送り込んだ。目的は政権批判をさせないこと。特に慰安婦問題には過敏になっていた。しかし、昨年冒頭の会長会見で公共放送に対する自らの知見の無さを暴露してしまった。このことは官邸にとっては大きな誤算ではなかったか。会長の勇み足とはいえ、官邸というか安倍首相の思いを忖度してのこと。しかしNHKという世界に冠たる公共放送のトップには余りにも資質の伴わない人物を、強引に押し込んだ官邸の責任は重い。結局、その後に発生する問題はすべてこの人物を原因にしてのことだから、正直、首相や官房長官は鼻白む思いだと察する。

が、この人の首を取ると政権批判に繋がるので官邸も黙って(というか裏ではいろいろやっていると思うが、その効果がいっこうに現れない)、見ているしかない。それを笠に着て振る舞うのがまたこの人の真骨頂なので、どうしようもないと思う。

さて話を戻す。

当然猛烈な批判を浴び、当時、国会質問も毎日のように行われた。本来ならばここで会長解任となるところであったろう。しかし政権は必死でかばい首を繋げた。昨年のこの騒動は籾井という人物が会長にふさわしいかどうか。つまり会長の資質を問う騒動だった。

しかしその後、心配していた受信料収入の落ち込みもなく、放送の評判や視聴率も悪くない。私事だが朝のテレビ番組の「マッサン」などは録画し、初めて全視聴してしまうほどファンだった。特に戦禍の時代の放送は政権が進める情報統制や戦争ができる国づくりを暗に批判しているようで痛快でもあった。

受信料に関しては、直接支払から口座振替への移行が進み、不祥事が以前のように不払いへ直結しにくくなったことが幸いしている。会長批判に触発された制作や営業に関する職員の努力の成果も評価しなければなるまい。決して会長の手腕ではない。

ところがだ、この人はこれによしよしと気を良くし、本来の資質を表に出し始めた。もともとトップに付いてはいけない人だったのだから、仕方がないのだが。

会長のハイヤー私的利用の料金不払いが監査委員会に内部告発されてしまう。そのことを週刊誌が掲載し発覚した。その後籾井会長問題が毎週のように出ているのはご承知のとおり。ハイヤーの問題だけではなく、クローズアップ現代のヤラセ事件、内部調査に関する弁護士経費の疑惑など疑惑は連続する。その全ての発信源が内部告発であるから、深刻である。

不祥事の深刻さは増すばかりだ。会長の個人的資質の問題が一年間で経営体質という組織問題に増殖してしまったといえる。

3月26日の総務委員会でこの件を1時間ほど質問した。この内容はYouTubeが「籾井会長大ピンチ!江崎孝(民主党)vs籾井NHK会長「反論しても墓穴を掘るだけだ!激怒あり笑いありの国会」国会中継・参議院総務委員会」として面白おかしく全編配信してくれている。興味のかる方は観てもらいたい。言い訳して申し訳ないが、会長の言質をとるより、ハイヤー問題を監査した監査委員と監査報告の矛盾を付くことに主眼をおいたが、制限時間内では詰め切れなかったのは反省大である。それでも会長は代金を支払うと明言して利用したと強弁するが、利用料金を秘書室長が知ったのは監査委員会が動き出してからであったりと疑惑は膨らむばかり。これ以降、監査報告の杜撰さが問題になり、このことだけの総務委員会集中審議に発展した。

さてさてNHKの問題は今日現在も進行中である。

 

2015-05-21 | Posted in 日記No Comments » 

 

聞くに堪えない詭弁。

昨日の国会討論での安部首相の話は、詭弁としか言い様がない。

いつまでこの論法が通用するか。まさに国会での議論の真価がとわれる。しかし議論を早めに切り上げたい与党は、特別委員会での審議時間を80時間と言っているようだ。あのPKO法の審議時間は190時間だったと言われている。

それよりはるかに踏み込んだ問題多い法案。それも11法案もある。それを一括して80時間とは恐れ入る。これだけみても首相の国会審議に対する逃げ腰が見て取れる。言うに堪えない詭弁だから逃げる。それが事実だろう。

追い詰めなければならない。

2015-05-21 | Posted in 日記No Comments » 

 

今日の平和の句

三猿(さんえん)の呪縛の解けて七十年

片桐 伝一郎さん(76) 滋賀県長浜市

いとうせいこう 表現のすべて、感覚のすべてを押さえ込まれていた時代を反復すまじ。

金子 兜太 「見ざる・聞かざる・言わざる」から解放されて70年。しかし。

東京新聞より

江崎 孝 三猿の表現に参りました。70年の日本の民主主義が本物か。さあ!

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