2015-05-07

生涯最初の俳句の添削

「外套のまま 崩れ寝入る 指定席」。拙句である。

風流なことにたまに俳句などをつくったりする。俳句づきの友人がいるので、気が向いた時につくった俳句をこれまたたまに紹介しあう。

最近、タレントに俳句をつくらせて、それを添削するテレビ番組をこれまたたまにみる。番組名も知らない。しかし、添削する俳句の先生の歯切れのよい批評がなかなかおもしろいので記憶に残っていた。

平河町に「蛇の新」という行きつけの寿司屋がある。大将も女将さんも息子さんも党員、サポーターになってくれている。来年選挙なので大将も気が入ってきて、「河岸の仲間に紹介するから」と言うのだ。そこで江崎孝後援会の名刺を女将さんと一緒につくってくれて、配ってくれているのである。ありがたいことだ。

本題にもどる。年初のころだったと思う。この寿司屋に先の添削の先生がたまに来る、というのだ。名前は「夏井いつき」さんというらしい。何でも四国の方の方で、番組の収録のため上京したときに寿司を食べに寄るそうだ。

大将と女将さんと三人で「先生に添削してもらおう」と勝手に盛り上がってしまった。前述の友人が最も高い評価をした俳句を名刺にしたため、店に置いてきたのだ。それが冒頭の句である。

6年近く前だ。選挙運動で全国を飛び回っていた。その時々の風景や思いをよんでいた。

確か島根から鳥取へ向かう最終近い列車だった、と思う。「電車」ではない。雪が降っていた。疲れも溜まっていた。どこかの駅で乗り換えた。座席は二人が向かいあって座る例の普通列車だった。コートを脱ぐのも忘れて座り込んでしまった。その時の思いを俳句にしたもので、件の友が言うには「俳句はありのままをよむべき」ものだそうで、「これはなかなか良いぞ。江崎。情景が見て取れる」と高評価であったのだ。

「外套」とは少々古めかしいが、雰囲気も出る。寝るよりも、「疲れてすぐに寝入る」という思いで「寝入る」とした。

先日、その添削が返ってきた。つまり夏井先生が寿司を食べに来たのである。名刺は朱ペンが入り、こうなっていた。

「外套のまま崩れ寝る指定席」。

俳句は五七五を続けて書くものだそうだ。そういえば毎回紹介している東京新聞の平和の句も五七五の間に「間」をおかずに続けて書かれている。恥ずかしい限りと赤面しているが、勉強にもなった。読む時は「外套の まま崩れ寝る 指定席」と「まま」を上句からはずし中句にくっつけ、上句の字余りを解消。こだわった「寝入る」だったが、「入」は余分とばっさり。くっつけた「まま」と「入」の一語を削って、中句はぴたり七語で収まっている。「なるほど」と深く納得するである。まるでテレビと一緒である。

さて肝心の夏井先生の評価は。

「中の上」。

女将さんが「家に帰ってきてから、疲れた思いを句にしたもの」と間違って先生に伝えたらしく、夏井先生曰く「もし、この情景のままの時によんだ句であれば」ともっと評価は高くなっていたらしい。益々自信を深めてしまうではないか、というより評価した友人の力に敬服してしまうのでああった。

以上、生涯最初の俳句の添削の話しである。

この顛末を友人には、まだ伝えていない。話せばきっと「そうだろ」と自慢顔をするに違いない。しばらく言わないでおくとする。

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2015-05-07 | Posted in 日記No Comments » 

 

5月5日の平和の句

「未来はねいろいろあるよけわしいね」

児玉 羽琉(はる)さん(10) 名古屋市中川区

いとうせいこう「楽しいねとは言わない小学生。しかし『けわしい』からこそ切り開くのだと教えられるような気がする。いろいろあるけど明日へと」。

東京新聞より

2015-05-07 | Posted in 日記No Comments »