2015-05
「この婆は戦争遺児とゆう子供」
5月30日の平和の句
「この婆(ばば)は戦争遺児とゆう子供」
浅野 みちよさん(72) 名古屋市昭和区
金子 兜太 シベリア抑留で父を失った戦争遺児です。悲しみは今も続く。
いとうせいこう 過去を語ることは古くさいのではない。語り手を若返らせることだ。
東京新聞より
「沖縄の痛みを叫べ珊瑚礁」
5月29日の平和の句
「沖縄の痛みを叫べ珊瑚礁」
鈴木 庸子さん(55) 岐阜県中津川市
金子 兜太 米軍が日本に持つ専用施設の七割余りが沖縄に集中し、今も普天間に代えて珊瑚礁の美しい辺野古にしようとしている。反対です。
東京新聞より
江崎 孝 叫べる人間が叫ばねば。物言えぬ人になるまじ。
アメリカからのFIFA攻撃。
FIFAの総会前に突然、アメリカの司法省がFIFAの幹部9人を含む15人を汚職容疑で起訴しました。現職副会長も2人起訴されたのでFIFAにとってはと大変です。
アメリカはFIFA本部のあるスイスと歩調を合わせて捜査をしているようです。起訴された人の中には米国人はいないのに、なぜアメリカがと驚きです。アメリカが起訴に踏み切った理由に、贈収賄にアメリカの金融機関が使われていたということがあげられています。でもそれだけではないでしょうね。
そう思っていたら、さっそくロシアのプーチン大統領が「起訴は2018年ロシアワールドカップ開催を阻止するためのアメリカの陰謀だ」と発言しました。米ロはウクライナ問題で険悪になっていますから。疑惑はロシア大会と22年のカタール大会に関係しているというか、そこに結びつけると思われます。
ウクライナ問題はアメリカのネオコンが仕掛けたものという話もあります。考えてみればISISも元をただせば、アメリカが仕掛けたイラク戦争が原因です。オバマ大統領は一昨年のシリア空爆をぎりぎりで回避し、最近ではイスラエルとの袂を分けてイランの核兵器疑惑を解決しようとしています。これに反対している勢力がアメリカの政界財界にいます。
アメリカという国は戦後一貫してマッチポンプのように火をつけては消す作業を行いながら、自国の軍需産業や金融資本に利益を集めてきました。資本は肥え太りつつ格差が拡大し、貧困が社会問題になっています。
今回のFIFAに対する揺さぶりもいろいろな思惑が絡んでいそうです。ブラッター会長を残した意味もはっきりしてくるでしょう。圧力に会長が耐え、ロシア大会を実現できるか。今後の展開を見守りましょう。
「父の顔見たしと老男墓碑擦り」
5月27日の平和の句
「父の顔見たしと老男(おとこ)墓碑擦り」
平野 和男さん(67) 静岡県掛川市
いとうせいこう ハガキには知り合いが「おやじの顔も知らない」と言ったと。無念で擦る。
金子 兜太 今次大戦で父を亡くし、その顔も知らない友人の深い悲しみ。
東京新聞より
江崎 孝 父は戦争の時代に生まれ、息子は平和の時代に生きる。
NHK②
看板番組「クローズアップ現代」のやらせ疑惑は、NHKが調査委員会を設置して調査している。この調査では肝心の記者が演技の依頼を否定しているし、どうもこの調査のスピードが鈍い。なぜか、とこれも勘ぐってしまう。そうこうしている内に理事の人事異動が発令され、こともあろうに「クロ現」疑惑の最高責任者であるはずの大阪放送局長が理事へ昇格し、東京に来てしまう。加えて調査を担当していた理事や会長をたしなめていた理事が、これまた異動になった。そしてやらせを告発した本人は、NHK調査では解明できないと思ったか、BPO(放送倫理検証委員会)に訴えてしまった。
とにかく籾井という人物は、交際費で遊行する民間体質がしっかり染み付いた人のようである。大晦日の紅白歌合戦の後には、回りが止めるのを振りきって、有名脚本家を誘って深夜カラオケで遊びまくっており、その経費を公費で払わせている。おかしなことに8人くらいのメンバーの中で唯一社外の人間であった当の脚本家は、こういうこともあろうかと、自分の分は支払った、と取材で語っている。当然、朝まで会長車を待たせているから運転手は大変である。そんな超勤を強いたものだから正月のゴルフはハイヤーでとなった。
それがハイヤー疑惑に発展する。
外郭団体の不透明な経営の調査を知り合いの弁護士(会長の前会社の顧問弁護士であり安倍の総理の顧問弁護士)に随契で頼み、その契約料が6000万円という途方もない金額だったことも追及されている。
こうなると籾井会長という最高権力者の資質を病巣にしたNHKの病は、組織罹患にまで達してしまったと言ってよいし、病は官邸にも及ぶ。私のところにはこの間、渋谷のコンビニ発のファックスが届いている。内部のものしか知らない会長疑惑の内容が綴ってある。
官邸の必死の守りで首はつながっているが、そのせいでNHKの組織的ガバナンスが崩壊しつつある。(4月22日 記)