2015-02-25

国会同意人事 3名に反対の理由

今日の参議院本会議で国会同意人事の採決が行われました。でも、国会同意人事ってそもそも何だ、というくらいあまりしられていませんね。簡単に言うと政府関係や公的機関の委員や理事など偉い人を誰にするかを決めるときに、役人任せにしたら好き勝手に決めちゃうかもしれないので、国民の代表である国会で承認を得ることにしよう、というもの。
そこで、どんな職があるか。例えば今日決まった中でいうと、政府関係であれば中央労働委員会委員、公的機関であれば、あの有名な日本放送協会、NHKの経営委員会委員など。

今日は58名の人事が提案され、民主党はそのうち3名の人事に反対しました。その理由は・・・。

まず一人目。再就職監視委員会委員長になる「大橋寛明」さん。この方の前職は裁判官。昨年9月に札幌高等裁判所裁判長を退官しました。裁判官としての経歴はどうかというと、わたし的に注目を集めたと思うのが東京高裁時代です。
杉並区立図書館の雇い止め解雇の裁判で一審を支持し、原告、つまり解雇された側の控訴請求を棄却しています。む〜ちょっと問題ですね。

一方で例の東京都立高校の入学・卒業式で日の丸に向かって起立しなかったことでの裁判では、一審判決を変更し処分を取り消しました。こっちはやるじゃん、です。

とまあ判断材料はいろいろですが、反対した決め手は本人の経歴よりも、退官した日と新しい職責の関係です。新職は国家公務員の天下りを監視する機関のトップ。そこに公務員をやめてわずか半年の人がつくことは、ちょっと国民の常識からは外れてます。こんな人をここにもってくるなよ、という思いです。

二人目は簡単。一昨年のNHK経営委員会人事でも反対した同委員に再任される「本田勝彦」さん。前回はあの有名な百田尚樹さんとか長谷川三千子さんとかちょっと考え方も安倍さんよりで、お友達人事と批判を浴びたときです。幸い百田さんはお疲れになったの再任を辞退されました(長谷川さんは残っています)。本田さんは安倍総理の家庭教師だったこともあり、安倍お友達人事の関連で反対した人なんです。

三人目は日銀に関する人事です。「原田泰」さんを政策委員会審議員にしよというもの。この方、現副総裁の岩田さんとの共著もあるバリバリの量的緩和推進派の方。

岩田副総裁は2年前の自分の人事のとき、衆議院で「2年後の春に消費者物価の上昇率が2%にならなかったら辞任する」と豪語して副総裁になった方。2年後の状況はご承知のとおりです。そこでこの方「2%の目標は達成できなかった。しかし説明責任を果たせば辞任は不要である」とまた開き直りともとれる発言をして辞めずにいます。

さて問題は原田さんの方です。こっちも「日銀が国債を買えば政府債務を減らすことができる」と変なことを言う方。確かに日銀が政府債務である国債を買えば政府の債務は減ります。全部買っても両方を連結決算すれば行って来いでとんとんです。

しかし日銀には日銀券という負債があることは問題にしていません。加えて日銀は銀行から準備預金という民間資産も預かっており、これも負債。これらの負債は消えないので日銀の経営が悪化すれば当然民間資産に飛び火します。日銀の基本理念は「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」ことになります。
リフレ派で現総裁、副総裁と仲の良い人というつながりで選ばれた感がみえみえなのです。

以上のような理由で3名の人事に反対しました。

2015-02-25 | Posted in 日記No Comments »