2014-02-18

日記232 GDP減速のほんと

今朝の朝刊で内閣府が昨日発表した2013年10〜12月期のGDPの速報値が、予想を下回ったことが報道されましたね。例えば朝日新聞の見出しは「GDP、意外な減速」でした。好調だったのは、増税前の駆け込み需要の住宅投資とアベノミクスによる公共投資です。

ただ住宅も思ったより伸びず、公共投資は短期的なもの。頼みはGDPの約6割を占める個人消費ですが、これがあまり伸びませんでした。同じ新聞では今年の春闘で大手自動車メーカーがベア要求に応える方針であることも伝えています。そして問題は中小に波及するかが鍵とも。

アベノミクスで景気が「良くなった」「良くなった」としきりに報道されていましたが、実際はそうでもなかったことが、ここにきてはっきりしてきたようです。

同じ内閣府の調査ですが、「一人当たり平均賃金」の流れを示したものを写真で紹介します。昨年11月の折れ線グラフを見てください。前年比でプラス0.6ポイントも上昇しました。この原因は縦棒の青の斜線部分と赤の部分がプラスに転じたからです。青はボーナス、赤は残業代です。業績好調の大企業を中心に秋のボーナスがグンと増え、合わせて残業が増えました。IMG_2377

一方でマイナスを示す下の方に伸びている白い棒グラフは、所定内給与です。これはこの1年間一貫してマイナス。4月〜6月で少し回復しましたが、7月からまたマイナス0.6や0.7を保っています。昨年11月に一人当たり賃金がプラスに転じたのは、月例賃金はマイナスだけどボーナスと残業がグンと増えたからなのです。

所定内給与の一貫したマイナスの原因は、非正規労働者の雇用増にあります。雇用者数は増加していますが、多くは非正規。賃金の低い非正規が増えたことによって平均賃金が押し下げられることになります。もう一つの要因は地方公務員の給与削減です。国家公務員の給与削減に合わせて地方公務員も下げるよう政府が自治体に要望しました。その効果が7月から現れています。国家公務員に比べて圧倒的に数が多い地方公務員の給与削減は、それだけ影響力が大きかったことを物語っているんですね。加えて地方では自治体の職員に合わせて給料を決めている中小や団体が多いことも影響しています。

さてさて業績好調でボーナスや残業が増えるのはどちらかと言えば大手であり、地域でいえば三大都市圏と言えるでしょうか。それに反して地方や中小はあまりアベノミクスの影響を受けていないことになります。昨年10月〜12月期の個人消費が伸びなかったのも頷けます。

アベノミクスが成功するには地方や中小や非正規雇用の世界に賃上げが広がり、多くの人の消費マインドを刺激することが絶対条件です。しかしそれがすぐに可能かと言えば疑問符が付きますね。非正規雇用を増やしつづけた政治、雇用した企業、地方から元気を奪った様々な政策のツケは、アベノミクスを失敗に誘導しています。

これで4月からの消費税UPは致命的かもしれません。

2014-02-18 | Posted in 日記No Comments »