日記

国会同意人事に反対。その理由。

今朝(2月14日)の本会議は、26人の国家公務員等の人事に関することでした。いわゆる国会同意人事というものです。昨年の同意人事では、今話題になっている百田尚紀さんや長谷川三千子さんなど、安倍晋三ファミリーと呼ばれる人々をNHK経営委員に任命することの是非が問われました。

民主党は反対しました。その理由は籾井会長発言で明らかになったとおりです。しかし民主党が反対したことも、なぜ反対したかも余り知られていませんね。その反省にたっての話です。

今回は26人中5人の任命に反対しました。しかし結果は数の力で押し切られましたが。

まず厚生労働省関係です。労働保険審査会委員の木村享さんと中央社会保険医療協議会公益委員の松原由美さんの二人の任命に反対しました。理由はお二人の現職との関係です。木村さんは東京海上日動火災保険専務執行委員、松原さんは明治安田生命福祉研究所主席研究委員をそれぞれ努めておられます。それぞれが任命される職、労働保険審査会は労災認定等の是非をきめるものであり、中央社会保険医療協議会は医療保険制度や診療報酬の改訂などについて審議する機関です。利害関係が対立し、そんな中で公平公正を求められる難しい立場の仕事です。

そう考えて木村さんと松原さんの仕事を見ていただくと、民間の損保会社と生命保険会社です。労災認定といった仕事と民間損保となるとちょっと利害関係がありそうな気がするし、公益委員となると民間生保勤務の方で国民の信頼が得られるか、となると?マークが付きかねない。国民が公平公正な審議について疑問をなるべく抱かない職業の方を選ぶべきと判断したのが、このお二人の人事に反対した理由です。

残りの3人は、原子力委員会の委員です。原子力委員会は原子力行政のあり方を審議するところです。再稼働等を決めるのは原子力規制委員会の仕事です。どちかというとこっちが目立っていますが、高速増殖炉「もんじゅ」のことや核燃料サイクルの今後のことなどを議論しますから、原子力委員会も重要です。委員の数は委員長をいれて5人。委員会はうち3人の出席で成立することになっています。今現在、2人の欠員が生じていてこの間補充してきていません。なぜなのかは理由は定かではありませんが、原子力に対する批判が大きい中で推進派の人を入れにくいからではと思ったりもします(これは完全に個人の推測です)が、異例の状況下で運営されているのは事実です。

ですから本来は5人の委員人事が筋。これを3人にしたのは年内に法を改正して委員数を5人から3人に減らす予定なので、先取りして3人にするという話です。ちょっとそれはいかがなものか。原子力委員会の仕事はそんなので良いのか。といった疑問が起きるのも無理からぬことではないでしょうか。しかも今回新しく委員になる方の3人のうち1人は非常勤です。

原子力委員会は、原子力エネルギーに関する意見が厳しいからこそ今後の原子力利用のあり方をゼロベースで見直す仕事をしなければならないはずです。「もんじゅ」の開発を今後どうするかなどはその良い例です。

よって原子力委員会人事の3人については、個人の問題というよりは政府の原子力行政に対する考え方に異議を表明する意味で反対としました。

 

2014-02-15 | Posted in 日記No Comments » 
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