2014-02-05

後退する日本

先月30日の代表質問を終えてホッとしていると、事務所の方にいろんな方々から意見が寄せられる。もちろん賛否両論あり、中には厳しいおとがめもある。
そんな中、一つの封書が目を引いた。開けると、中には、思いが綴られた絵はがきと安倍首相へのインタビュー記事の産經新聞のコピー、それに同新聞社が発行している雑誌「正論」の別冊が入っていた。

封書の主は主婦で、どうやら産經新聞の読者のようだ。私の質問を聞いていただき、その上で本を送る思いになられたとのこと。

はがきには、
「新会長の発言は正論であり、私たちは全く問題がないと思っています。この考えを支持しているひとは多く、自民党に対して良い意味で二大政党(の民主党)に育って欲しいと願っている一主婦です。」と丁寧に意見が記されていた。

乱暴にののしり合うのが日常といったネット社会にあって、こうやって意見を寄せられると、どんな意見であれ、ちょっと心が和むのは私だけではないと思う。非礼がないように意見と本の送付に対するお礼を自書し送った。
もちろん書面で論争するつもりはないし、いろんな意見があって当然のこと。加えて「NHKよ、そんなに日本が憎いのか」とのタイトルが付され、少々表現がきつい題のついた論文が満載の雑誌も、こんな機会でなければ読むこともないと思う。

そんな中であえて問題と思うことを一つ。皆さんの主張の中で共通するのが、NHKは日本の放送局だから日本の立場を主張すべき、あるいは日本の国益を守る放送をすべき、といったもの。それに近い籾井会長の発言として、「国際放送で明確に日本の立場を主張するのは当然。政府が右ということを左というわけにはいかない」がある。一見、なるほどとも思えるこの主張の中に今の日本が抱える問題の本質がある。

公共放送といえば英国のBBCが有名。あのBBCは政権との対立を繰り返してきた。例えば、サッチャー政権時のフォークランド紛争の報道。戦地の現実を報道するか、しないかで論争となる。

現場の事実の報道は、英国、アルゼンチン双方の兵士の惨たらしい映像を映し出すことになる。自国兵士のそんな映像は見たいとは思わないのが普通。それでも映像が流れることによって、戦地の現実を知ることになる。当然反戦気分も高まろう。結果、戦争の遂行と士気の低下に影響すると、政権側は放送中止の圧力をかける。しかし国内には戦争に反対、賛成それぞれの考えの国民がいる。BBCは、公共放送の公平性の原則を主張し、政権側の圧力と闘い、放送を続けた。

これからみて先の会長発言はどうだろう。公共放送のトップとしての認識がいかに欠如していることか。NHKの使命は、政府の見解を正確に報道することであり、右を左と伝えることは公共放送としての使命を自ら否定することになる。当たり前のこと。会長には、NHKが政府の見解とは違った報道する放送機関とでも映っていたのであろうか。

さらには、政府の見解と世論の双方を事実に従い、正確に伝えることが、NHKの国際放送番組制作基準となっている。政府の立場を「主張する」報道機関ではない。それは北朝鮮のような国の国営放送がやることなのだ。会長の考えが、あまりにも自然に自己認識もなく権力よりであることに寒気を感じてしまうのである。
もともとご本人がジャーナリズムの世界とは違う、全く異質の世界で育ってこられたから仕方がないのかもしれないが、それでは許されない。

安倍政権のNHK経営委員会への介入、その結果の籾井会長人事、そして問題発言。今回のこの事件は、国民の知る権利、民主主義と報道機関のあり方などに対する日本国民の認識が問われているといってよい。

靖国参拝の強行や政治家を始めとする各界リーダーのあいつぐ問題発言は、世界の日本に対する見方を変えている。これこそが国益を損ねていると思うのは私だけだろうか。日本の後退が始まっている。

2014-02-05 | Posted in 日記1 Comment » 

 

日記230 昨日は雪が。

昨日は夕方から夜にかけて寒かったですね。雪も降り出して。

昨夜は地元柳川の金子市長がこられたので、久しぶりに夕食を一緒にしました。金子市長は三橋町役場(今は合併して柳川市)に入ったときの組合の委員長であり、その後の上司。もう長い付き合いをさせてもらっています。故郷のことをお互いが政治家という立場で語り合うようになるとは、当時は考えてもみなかったことです。

その後、これも同期の懇親会に遅れて参加。もうお腹いっぱいなので水を飲んで付き合いました。こちらも久しぶりに欠席が2人くらいの良い参加率。最後に顔見せできて良かったですが、さすがに折り返しを過ぎると、最初の頃の会話とは違って初々しさはどこへやら。みんないっぱしの国会議員です(^.^)

7日の午後の総務委員会で質問に立つようになりました。また質問を考えなければなりません。今日も頑張ります。

今日も寒そう(_ _。)・・・。

2014-02-05 | Posted in 日記No Comments »