2012-10-06

写真と話3  今の風は何風か

「こち吹かば匂いおこせよ梅の花 主無しとて春な忘れそ」

郷里福岡県太宰府に菅原道真が赴任し、都への想いを綴った歌だと言われる。主の想いを知った道真の都の庭の梅の木が道真を慕って、一夜にして太宰府まで飛んでいったという「飛梅」伝説にもつながる。その飛梅は太宰府天満宮に今でもあり、春には花を咲かせている。小さい頃に両親に連れられて天満宮にいったとき、その話を母から聞いた。まだ「本当に飛んで来たのかな」と不思議がる歳の頃だった。

「こち」とは「東風」と書く。東から吹く風、太宰府からいえば都の方角から吹いてくる風になる。その風に乗ってお前の香りが太宰府まで来たらいいな、という道真の切なく苦しい想いが込められている。さてそんな風を受けて回る風車を庭先一杯に配した家をある町で見つけた。北海道での朝の散歩中のことだ。そのお宅、民主党支持者か関係者のようで風車の横に野田代表のポスターが貼ってあった。今の民主党を見ているようで写真に収めた。

 

風がどちらから吹いているか?少しでも有利な風をつかもうと右往左往し、離党まで決断する議員がでてきた民主党。議員にとって選挙で勝つことが絶対であることはわかる。野田代表をトップとする民主党が、乗ったらひっくり返りそうな危うい風だから、乗り換えたいと思う気持ちもわからないではない。だが、「しかし」と首を傾げざるを得ない行動も実際に多い。2009年の政権交代で約束したことは何だったのか。2010年の参議院選挙での約束はどうなったのか。民主党だったからこそ票を投じた国民は多い。議員には責任がある。それを忘れるような人に風に乗れるだけの力があるとは思えない。今回の四国や北海道行動で、民主党を信じ期待する声も多く聞いた。2009年に民主党に吹いた風こそが本当の風だったと信じる。その風は何処かにいったように弱くなったが、まだ確実に吹いているのだ。

2012-10-06 | Posted in 日記No Comments »