2012-08-28

1票の権利orマニフェスト・・・選挙制度改革の行方

昨日夕方、党の政治改革推進本部総会が開かれた。議題は参議院選挙制度改正案の承認についてだ。衆議院の選挙制度改革案は昨日の特別委員会で野党欠席のまま民主党だけで採決し、「0増5減+40議席減」の民主党案を決定した。衆は各会派代表が集まって協議したが、全体合意ができずに民主党案の強硬提案、採決となったのだ。

一方参議院は議長のもとの選挙制度協議会で議論し、「定数削減無しの4増4減」でまとまった。さてややこしいのはここからだ。民主党過半数の衆では民主党案が単独で決定できる。しかし野党多数の参に送られても本会議で否決されるので、事実上成立不可能な改正案と言える。参の方は与野党合意の改正案だから本会議で成立する。参で全会一致の法案だから衆でも成立することになる。つまり参の選挙制度改革案はこの総会での承認を経ればほぼ成立する制度なのだ。問題なのは、マニフェストを守って定数削減を行う衆議院の改正案が成立せず、定数削減が実行できない参議院の改正案が成立すること。つまり民主党は「やっぱり約束を守らない」と批判されるのは必至。

だから参議院の案をすんなり了承する訳にはいかないという意見がでる。参議院の案も成立しない方がベターという論法にもなる。もっとも一番良い結果は両方の案が参議院で可決することだが・・・。

「不成立時、野党に責任転嫁」(東京)「1票の格差是正メド立たず。政治の背信行為だ」(毎日)「衆院選改革法案廃案へ、1票の格差放置」(読売)・・・と案の定今朝の新聞は与党に厳しい。

ねじれ国会では参では野党と妥協するしかない。衆では数の力で強行できるが、参で否決される。つまりどっちに転んでも与野党協議するしか方法はないのだ。しかし衆では(日記109「不思議な自民党」に書いたように)余りにひどい自民党の抵抗につきあっていては政権与党の責任が問われると強行採決した。

さてどう対応すべきか。

ねじれ国会である以上、衆での強行採決の結末は百も承知。一方、与野党逆転の参では「定数削減まで合意できなかった」これも事実。しかし少なくとも参議院では1票の格差是正が見えるところまできている。ここは最低でも格差是正だけは実現することが国会の責務ではないだろうか。もちろん総選挙を戦う立場となればそう簡単に承知はできないだろうが、国民の1票の権利が回復するかもしれない機会を政局で先に延ばすのであれば、まさに民主党はマニフェスト違反に加え更なる批判をあびることになるに違いない。

2012-08-28 | Posted in 日記No Comments »