日記

アベノミクスの欺瞞を明かす藻谷浩介さん。

 一昨日早朝、党のエネルギー環境調査会で久しぶりに藻谷浩介さんの講演を聞いた。大変勉強になったのでその一部を紹介。
 まず藻谷さん資料の下の2枚の写真。1枚目は国民経済の1985年からの推移。
 大きな山と谷の線は、株価時価総額の推移(「株価の比較は銘柄を入れ替える日経平均では見てはいけない」藻谷)
 ▽の折れ線は、名目GDP、以下、◇=雇用者数、◻=個人消費、◯=勤労者所得、棒グラフ=マネタリーベース
です。
 2013年〜2016年にマネタリーベースが増加しているのは、アベノミクスが原因です。異次元緩和で日銀が国債を買いまくった結果、470兆円にもなりました。しかしマネタリーベースの増加は株価の推移にはまったく関係なく、株価は一定期間の山あり谷ありを繰り返しているのがわかります。それどころか雇用者数も個人消費も勤労者所得も全く関係なく横ばいを続けています。名目GDPも都合よく算定方法を変えたりしましたが、それでも537兆円。
 まさに異常に増えているのマネタリーベースだけ。それ以外は何も変わっていないというのがアベノミクスの現実なのです。
 政府が良くなったと言うのは、いつも対前年比。藻谷さんのグラフのように長期的に見れば何も変わっていないのがわかりますね。
 二つ目の写真を見てください。政府が雇用者数が増えた増えたというその実態がこれです。
 生産年齢人口(15歳〜65歳)つまり現役世代が1997年くらいから下がり続けているので、当然現役世代の就業者数も減ります。しかし生産年齢人口ほど減っていないのは、女性の就業者が増えたせい。団塊の世代が高齢化するに従って65歳以上の就業者数も増加し、結果65歳以上を含む就業者数も漸増することになります。しかしこれも藻谷さん曰く、「団塊の世代がさらに高齢化していくにつれ高齢者の就業数も減りだす」。
 アベノミクスはマネタリーベースを異常に増加させ、増やしたのは「金融リスク」だけということが一目瞭然なのです。
 規制緩和や投資を増やしても、人口減少社会に突入した我が国では、経済成長は見込めない。それどころか規制緩和でさらに雇用環境が悪化すれば消費はさらに落ち込むだろう。
 勤労者所得を増やしたり、将来の生活不安(医療、介護、年金、教育)を社会保障の充実で取り除き、不安に備えている貯蓄を消費に回すようにする。それでもそんなに大きな成長は望めないだろう。
 でも成長=幸福ではない。もっと違う生活、もっと違う社会の在り方があるはずだ。
 
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2017-06-02 | Posted in 日記No Comments » 
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