日記

それでも「やめられない。とまらない」。まるでエビせん状態の黒田日銀。

 9月21日。日本銀行は政策委員会・金融政策決定会合を開き、新たな金融緩和強化のための新しい枠組みとして、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を発表した。
黒田総裁は記者会見で難しい言葉が並んだ政策を発表し、胸をはった(?)。
 「やめられない。とまらない」とは昔懐かしいカッパえびせんのCMソング。ご飯食べられなくなるから。太るから。食べるのやめないと。でもやめられない。それほど美味しいというのだが、日銀の場合はそうではない。異次元緩和は美味しくなかったのだ。それがわかったけど、やめられない、のである。しかし美味しくなかったけど麻痺しちゃって、食べ続けなければ副作用起こしてしまう。今回の発表は「それが怖くて続けるしかない」宣言のように読んでしまいました。そこでマイナス金利も含めた異次元緩和の日銀の総括です。少々意地悪に訳してみた。

 「法律違反だろと言われるような誰もやったことのない無茶苦茶な国債買い取りと、言い続ければ信用するだろうと思って2年で2%物価を上げるといい続けた結果。国民は少しは物価上がるかなと思ったようだし(予想物価上昇率の押し上げ)、名目金利(物価上昇率を含まない金利)も下がった。これで経済は好転するはずだったが、うまくいかない。しかしここまでやってデフレのままとは言えないから、円安のせいで少しは物価もあがったりもしたから、いいかげんだが「物価が持続的に下落する」デフレではないということにしとこう」
 
 「でももう2%の物価安定目標は無理だ。国民も嘘に気づき始めたようで、「物価は上がらない」と思い始めている(予想物価上昇率が下がる)。しかしこっちの責任と言ったら辞めなければならないぞ。だったら原油安と中国などの新興国の経済減速も原因にしよう。嘘じゃないからいいだろう。」

 「そうはいっても2%の目標を投げ出したらとんでもないことになる。ここまできたらとことん物価を上げると言い続けるしかない。市場の奴らも「ちょっと無理では黒田さん」と思い始めている。もともと日本人は「将来物価が上がるだろうから今のうちに買っておこう」なんて先をよんで金を使うこと(フォワード・ルッキングな期待形成。あるいは合理的期待形成)は不得意な国民なんだ。経験則でしか判断できない(適合的期待)から、なかなか難しいんだ。今頃気づいても遅いけどな。」

 「だいたいな。金を市中にばらまいても(マネタリーベースの拡大)そう簡単に物価上昇にはつながらないことは、はじめからわかっていたんだ。でも官邸や官邸に近い委員がうるさいから2年という短い期間を約束しちゃったけど、もともと無理な話だった。国民も2年なんてことはもう忘れてるだろうから、今回は期限切らずに長くかかるぞといっておくことにしような。」

 「マイナス金利も導入したが、ここまで長期(10年国債)金利が下がるとは思ってなかった。どうしてくれるんだ。短期も長期も金利が下がれば(イールドカーブが押し下げられる)、銀行の経営は厳しくなるな。わかっていたことだが、もうこれ以上マイナス金利を深掘りすることは無理だ。でもそんなことは言えないから含みだけはもたせておくかな。」

 「なんとか長期をゼロ金利で保つような手段はないか(イールドカーブ・コントロール)!。あんまりこれまでやったことがないし、あとで責任問われるのは嫌だけど長期物をいっぱい買ったり、ちょっと買ったりして金利を操作するしかないじゃないか。」

 「とにかく2%の物価安定目標までやり続けるという決意を表明するしかない。無責任だけどそれしかないんだ。(オーバーシュート型コミットメント)」

 「あとは野となれ山となれだな。そこまで俺たちは今の職にいないから。」

 どうでしょう。こんな風に読んでみました。あくまで私見ですm(__)m

2016-09-29 | Posted in 日記No Comments » 
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