2016-09

それでも「やめられない。とまらない」。まるでエビせん状態の黒田日銀。

 9月21日。日本銀行は政策委員会・金融政策決定会合を開き、新たな金融緩和強化のための新しい枠組みとして、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を発表した。
黒田総裁は記者会見で難しい言葉が並んだ政策を発表し、胸をはった(?)。
 「やめられない。とまらない」とは昔懐かしいカッパえびせんのCMソング。ご飯食べられなくなるから。太るから。食べるのやめないと。でもやめられない。それほど美味しいというのだが、日銀の場合はそうではない。異次元緩和は美味しくなかったのだ。それがわかったけど、やめられない、のである。しかし美味しくなかったけど麻痺しちゃって、食べ続けなければ副作用起こしてしまう。今回の発表は「それが怖くて続けるしかない」宣言のように読んでしまいました。そこでマイナス金利も含めた異次元緩和の日銀の総括です。少々意地悪に訳してみた。

 「法律違反だろと言われるような誰もやったことのない無茶苦茶な国債買い取りと、言い続ければ信用するだろうと思って2年で2%物価を上げるといい続けた結果。国民は少しは物価上がるかなと思ったようだし(予想物価上昇率の押し上げ)、名目金利(物価上昇率を含まない金利)も下がった。これで経済は好転するはずだったが、うまくいかない。しかしここまでやってデフレのままとは言えないから、円安のせいで少しは物価もあがったりもしたから、いいかげんだが「物価が持続的に下落する」デフレではないということにしとこう」
 
 「でももう2%の物価安定目標は無理だ。国民も嘘に気づき始めたようで、「物価は上がらない」と思い始めている(予想物価上昇率が下がる)。しかしこっちの責任と言ったら辞めなければならないぞ。だったら原油安と中国などの新興国の経済減速も原因にしよう。嘘じゃないからいいだろう。」

 「そうはいっても2%の目標を投げ出したらとんでもないことになる。ここまできたらとことん物価を上げると言い続けるしかない。市場の奴らも「ちょっと無理では黒田さん」と思い始めている。もともと日本人は「将来物価が上がるだろうから今のうちに買っておこう」なんて先をよんで金を使うこと(フォワード・ルッキングな期待形成。あるいは合理的期待形成)は不得意な国民なんだ。経験則でしか判断できない(適合的期待)から、なかなか難しいんだ。今頃気づいても遅いけどな。」

 「だいたいな。金を市中にばらまいても(マネタリーベースの拡大)そう簡単に物価上昇にはつながらないことは、はじめからわかっていたんだ。でも官邸や官邸に近い委員がうるさいから2年という短い期間を約束しちゃったけど、もともと無理な話だった。国民も2年なんてことはもう忘れてるだろうから、今回は期限切らずに長くかかるぞといっておくことにしような。」

 「マイナス金利も導入したが、ここまで長期(10年国債)金利が下がるとは思ってなかった。どうしてくれるんだ。短期も長期も金利が下がれば(イールドカーブが押し下げられる)、銀行の経営は厳しくなるな。わかっていたことだが、もうこれ以上マイナス金利を深掘りすることは無理だ。でもそんなことは言えないから含みだけはもたせておくかな。」

 「なんとか長期をゼロ金利で保つような手段はないか(イールドカーブ・コントロール)!。あんまりこれまでやったことがないし、あとで責任問われるのは嫌だけど長期物をいっぱい買ったり、ちょっと買ったりして金利を操作するしかないじゃないか。」

 「とにかく2%の物価安定目標までやり続けるという決意を表明するしかない。無責任だけどそれしかないんだ。(オーバーシュート型コミットメント)」

 「あとは野となれ山となれだな。そこまで俺たちは今の職にいないから。」

 どうでしょう。こんな風に読んでみました。あくまで私見ですm(__)m

2016-09-29 | Posted in 日記No Comments » 

 

第192回国会が開会しました。

 皆さんこんにちは。お久しぶりです。

 第192回臨時国会が今日からスタートしました。会期は11月30日までの66日間。私の委員会配置は総務委員会の理事(民進党というか野党の理事は1人)となりました。

 先ほど本会議が開催され、新しい議席配置が写真資料の通り決まりました。議員数も減り、随分と端に追いやられた感大です。風景は随分と変わります。初当選の頃は議長席正面でした。(議場全体図の斜線部分が民進党割当部分で、空白が僕の席の224番座席)

 党勢回復に向けて頑張らなければなりません。

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2016-09-26 | Posted in 日記No Comments » 

 

行き場を失いつつある安倍政治。

 「(参議院選挙は)安倍政権にとって勝負に負けて試合に勝ったようなもので、自民党憲法改正草案のような改憲は事実上困難になった」とブログに書いた(理由はそっちを見てくださいm(_ _)m)。その時は「他の部分の改正」、つまりいわゆるお試し改憲であるが、これは可能性としてあり得るとしていた。しかしその後、例の天皇の「生前退位の意向」報道と8月8日の平成の「玉音放送」でこれさえ困難になった、ともその後のブログで書いた。
 もう一つ、昨年8月に出版した(といっても一般で流通しているわけではありませんm(_ _)m)。僕の本の「『バカの壁』を超えて」の小林節教授との対談の中で、僕は教授にこんな質問をしている。
 「今回もし安保法制案を通して集団的自衛権の行使容認を決めてしまえば、それで安倍さんはアメリカとの関係も保てるわけだから、あえて憲法改正はやる必要がなくなるのではありませんか、当面。自民党としては実利をとったのだから、憲法改正はやらくてもいいと。」

 「THE JOURNAL」の編集長、高野孟さんが9月12日号で同じような記事を書いていた。
 天皇の「譲位」メッセージによって、安倍を支えてきた日本会議系をはじめとした右翼陣営は大混乱に陥っているとし、小堀桂一郎(東京大学名誉教授/日本会議副会長)が、天皇の譲位意向は「事実上の国体の破壊に繋がる」(産経新聞7月16日付)と天皇を正面切って非難したことをはじめ、百地章(日本大学教授)、渡部昇一(上智大学名誉教授)、加地伸行(大阪大学名誉教授)、大原康男(國學院大學名誉教授)、八木秀次(麗澤大学名誉教授)ら保守の論客の名を挙げ、「万世一系主義」イデオロギーを死守する立場から譲位反対論をぶち上げ始めたことを伝えている。
 「生前退位反対」を言えば言うほど自らがよりどころとしてきた天皇批判につながりかねない。何ともヘンチクリンな事になりだした。高野さんはそのことを、「彼らが敬愛しているのは天皇ではなくて、明治に薩長がでっち上げた「天皇制」という壮大な虚構なのである」と論破している。その通りなのです。だからここに来て保守の分裂が始まった。
 日本会議の方々のような明治に戻りたい保守は、ガラパゴス保守である。略してガラホ(と僕は呼んでいる)。いずれ消滅する絶滅危惧種なのです。当然、明治憲法の思想制を色濃く反映する自民党憲法改正草案が理解を得るはずがなく、それを執拗に追い求めれば追い求めるほど安倍政権の寿命は短くなる。天皇の平成玉音放送はそのあたりの矛盾を的確に射抜いたのですから、相当な戦術。守るべきは、薩長がつくった天皇制(大日本帝国憲法)であるか、天皇(日本国憲法)そのものか、という凄まじいもの。
 
 そんなことなので安倍首相もここにきてたじろぎだしている。
 高野さんは、日経BPnet 9月8日付の田原総一朗「安倍首相に本音を直撃!憲法改正、天皇の生前退位をどう考えているのか」の内容を紹介している。田原さんは首相官邸で1時間ほど安倍首相と懇談したそうだ。
 その中で安倍首相は「9条改正は考えていない。米国の要求だった集団的自衛権の行使を安保関連法で実現して、それから米国は一切文句を言ってこなくなった。米国の意向は飲んだのだから、安倍政権としては敢えて多くの国民そして公明党の拒否反応が強くハードルの高い9条改正に踏み込まなくてもいいという考え方もある。」と述べている。あえてやるとすれば自衛隊を合憲とする9条への加憲で、これは公明党とのすり合わせもできているそうである。
 なんと僕が思っていたとおりのことを安倍首相が言い出した。
 加えて天皇からなげられたボールに対しては、「生前退位は認めるべきだが、まずは特措法で認め、その後で皇室典範の改正も検討すればいい。女性・女系天皇も。やらざるを得ないでしょうね」。あれあれこれでは益々ガラホの皆さんは立つ瀬なしではありませんか。
 しかし、これは超現実的な政治の世界で首相が学んだこと。アジアで唯一G7のメンバーである日本です。日本以外は全てキリスト教国(米英仏伊独加)。G20が目立ってもまだ世界政治の中心の中心は未だG7。西洋民主主義国家からアジアで唯一認められている国である日本が、かつてこの国と喧嘩した頃の価値観に戻ることは百害あって一利なし。戻ることはあり得ない。加えてエリザベス女王が象徴するように女性が元首になれるのは当たり前。万世一系などのガラホ思想はどう考えても生き延びる道無しと言えよう。
 その道を進むしかない安倍首相は、自らを支え応援して来たガラホの皆さんからは「裏切り者」と批判されることになる。政権基盤は弱まる。加えてアベノミクスの失敗もその流れに拍車をかけよう。そうなると首相がやりたい3期9年への自民党総裁任期延長も黄色信号がともりだす。当然、2020年東京オリンッピクを自らの手で開催したいという野望も消え失せる。

 そこで今、首相が血道を上げるのが外交。拉致問題は先が見えない。それではと勢い増しているのがロシア、プーチン大統領との会談である。行き詰まっている領土問題の解決へ突破口を見いだしたい。そして支持率上昇の中で解散総選挙に打って出る。そして今度こそ、自民党単独で3分の2をとる。
 もちろん領土問題の解決に向かって動くことは良いこと。僕も応援しているが、プーチン大統領との交渉はそう容易くはない。大幅譲歩なんてことをしたら益々保守側から非難されよう。
 行き場を失いつつあるように思う安倍政治である。

2016-09-16 | Posted in 日記No Comments » 

 

悪質な二重国籍疑惑報道。

蓮舫参議院議員の二重国籍疑惑報道は悪質だ。久しぶりのブログ再会はこのことから始めるぞ。国会閉会中でもあり少しサボっていたな、と反省しつつ。
岡田代表の唐突な代表選辞退を受けて、8月冒頭の臨時国会からいろんな人の動きが活発になってきた。そして今、選挙は大詰め。私は蓮舫さんを支持し選対に入って動いています。少し経過を説明すると。臨時国会の初日だったと思う。私が事務局長をしている政策グループ「サンクチュアリ」(リベラルグループや旧社会党グループなどと呼ばれている)の赤松代表を真っ先に訪ねたのが蓮舫さんだった。紙面の関係で詳細は省くが、これまで岡田代表に要請し岡田代表がこの間とってきた野党共闘や憲法、辺野古問題等の岡田路線の継承が我がグループの思い。そのあたりのすり合わせを行った上での支持である。

さて本稿の目的である二重国籍疑惑報道に戻る。取材して事実関係の確認もしないで、「疑惑」とし大々的に報道するマスコミの体質は毎度のことと言いながらうんざりする。

まず多重国籍を禁止している国は意外と少ない。日本はその少ない中に入るという事実も知っておこう。蓮舫さんは高校生の時に日本国籍を取得した。なぜ高校生の時だったか。蓮舫さんは父は台湾人、母が日本人。蓮舫さんが18歳で日本国籍を取得する前は日本は父系血統主義で母が日本人の場合は国籍が取得できないという、非民主的な国だったことも忘れてはならない。世界から非難を浴びていた。女性差別撤廃条約が批准され日本も加入したのが1985年。そのことで政府も重い腰を上げざるをえなくなる。母親が日本人の場合も日本国籍が取得可能になった。それが蓮舫さんが高校生の時だったというわけだ。つまりそれまでは日本国籍を取得したくても国が拒否していたんですね。

そこに日本と台湾と中国との関係が影響してくる。日本が外交上認めているのは中国の方。よって台湾国籍は中国国籍とみなされる。国交回復して間もない日中間。共産主義国家でもある中国との関係が微妙で、蓮舫さんが国籍取得した頃の日本は、日本国籍を取得した時点で中国国籍を離脱したものと判断していた。

つまり問題になっている台湾国籍の離脱などは、二重国籍を禁止している我が国政府が国籍取得時の条件にもしていなかったわけである。蓮舫さんの国籍取得は何の問題もなく政府が許可したもの。だから台湾国籍との二重国籍疑惑など今になってとってつけたようなイヤガラセでしかない。日本に生き残るガラパゴスなハイライトマスコミくらいしか恥ずかしくて掲載できないようなものなんです。

台湾国籍を離脱しているかどうかは二重国籍とはまったく関係無い。それでも小さい時にお父さんが離脱手続きをしたと思い込んでいたので、その事実関係を確認し、もし残っていれば再度離脱の申請を行おうというのが蓮舫さんのこの間の対応なのです。

イヤガラセのような報道で政治生命や人権を無茶苦茶にするマスコミは反省しましょう。

2016-09-08 | Posted in 日記No Comments »