日記

潜水艦の売り込み謀る日本版軍産複合体。

 「利益集団が動かしているのが安倍政治です」のつづきです。
 NHKの朝のBS放送で世界各国のニュースをつまみ食いのように紹介するニュース番組がある。つまみ食いとは少々申し訳ないが、国内マスコミニュースでは取り上げられない各国のニュースが紹介されるので良く見ている。例えばウクライナ問題でのロシア側の主張が面白い。というか欧米の放送とは真逆である。
 さて話はそんなことではない。そのニュースが2週間前ほどになるだろうか、豪州政府と日本政府の密約疑惑を報道するオーストラリアのニュースを取り上げた。
 今、豪州政府は新しい潜水艦の調達を国家プロジェクトとして推進している。予算規模は4兆5千億円(雑誌FACTA7月号報道)らしい。このプロジェクトの潜水艦に純日本製の「そうりゅう型」が内定しているのではという疑惑である。ニュースには防衛省を中心とする日本側の売り込み団の記者会見も報道され、密約はないと否定していた。残念だがこんな重大なニュースも日本ではほとんど報道されないか扱いが小さい。朝のあまり視聴率のないBS放送で、しかもつまみ食い的手法だからNHKも取り上げることができたのであろう。もしそうならまだ少々のジャーナリズム精神が残っていると期待したい。
 1隻600億円のそうりゅう型潜水艦を10年間で12隻売り込み、関連技術供与を合わせた調達費は4兆円を超えると、先のFACTA7月号では報じている。成功すれば日本は米、露に続いて年間4千億円の世界第3位の武器輸出大国に躍り出る。開発した三菱重工や川崎重工などは日本だけではなく世界が市場になるから躍起であろう。
 米国は安全保障政策のリバランスで東アジアにシフトする。しかしこれまでと違って米国の手法は同盟国にそれなりの肩代わりをさせること。豪州は日本からしたら準同盟国であり、日米豪の安全保障上の関係強化は米国にとってはねがったりのことである。潜水艦の売り込みにはドイツとフランスも参入し三つ巴の合戦になっているが、米国の後押しを貰った日本が勝利すると思う。
 安倍政権の成長戦略は武器輸出三原則の見なおし後、着々と兵器市場への参入の道を広げている。経済優先の政治の流れは防衛装備庁(設置されれば潜水艦の交渉は庁が行うことになる)の新設という防衛省の肥大化を伴い、これまで日陰者だった兵器産業を陽の当たる場所に引き出そうとしている。
 アベノミクス、武器輸出三原則の見直し、集団的自衛権容認と安全保障政策の転換、法案の強行採決、全てが関連して動いている。安倍さんが動かしているようでそうではないと言っているのはこういうことだからだ。どんなに反対されようと法案は強行採決しなければならないのが安倍さん立場なのである。

2015-09-02 | Posted in 日記No Comments » 
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