日記

お金の使い方が間違っている。

 山口市で自治労の全国保育集会が開催された。
 「江崎さん、ちょっと聞いて。さっきの話をしなさいよ」
 と促された若い保育士さんが話すには、2歳児12人を1人で保育しているというのだ。驚きというか、とても信じられない話だ。国基準では2歳児6人に対して保育士1人だ。もう無茶苦茶である。
 この日の数日前の日経新聞には、「朝夕は一人でも可能に」とかいった見出しで、厚生労働省が保育の規制緩和の検討に入ったことを報じていた。2人保育が原則だが子どもが少ない朝と夕に限って1人でも可能にしようというものらしい。さすがに完全1人は問題と考えたらしく、免許を持たないもう1人がサポートする。その地域で保育士の採用が難しいと市町村長が判断すれば適用するそうだ。体のいい責任転嫁。何かあっても国は関係ないという逃げ道を残す。国の施策の問題がサービスを提供する現場の問題にすり替えられる。
 国の調査では2017年には7万人を超える保育士不足が生じる。一方、保育士免許を持っていて保育の仕事に就いていない人が数十万の単位で存在する。保育士の離職率が高い。理由はきつくかつ責任を伴う仕事内容に反して処遇の低さにある。特に非常勤採用が多いことも拍車をかける。
 保育士不足を解決するには処遇を改善するにつきる。しかし義務教育と違って修学前の子どもの面倒は「家庭」とする保守思想が保育の優先順位を下げてきた。学童保育も同じであり、その流れは決して変わってはいない。
 安倍政権は「女性が輝く社会をつくるんだ」とすこぶる評判の悪い女性活躍法案を提出している。女性活躍と言いながら前述の規制緩和の検討だからすでに化けの皮がはがれてしまっている。
 本当に必要なサービスにお金が使えないという異常な政治が社会をどんどん壊していく。戦争法案だけではない。ありとあらゆるものが経済優先のもとに切り捨てられていく。国民が反対するオスプレイを17機、アメリカから買う。価格は4000億円近いと言われている。これでいいはずがない。

2015-08-06 | Posted in 日記No Comments » 
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