とんかじょんの「ふむふむ」

楽しきかな誕生日。

 8月は僕の誕生月である。もう随分と記憶がない。誕生日の8月11日を誰かに祝ってもらった記憶がとんとないのだ。
 夏休み真っ盛りの8月は友だちと会うこともないから、おめでとうと言われることもなかった。学校が始まる頃は僕自身ももうとうに誕生日のことは忘れていて、新学期に再開した悪ガキたちとの間で話題にのぼることもなかった。
 ところで息子の誕生日は2月14日である。かみさんは3日違いの17日なので、子どもの誕生日のついでにかみさんの誕生日も家族で祝うことになる。しかしそれから半年後となるとこれまた二人から忘れさられてしまうのだ。
 息子の誕生日はバレンタインデーだ。というか息子がバレンタインデーにたまたま生まれた。誕生日がそうなので母親は我が息子にチョコレートをプレゼントしている。そのついでに彼女は僕にも必ずチョコレートをくれる。まあ子どもがメインなのは仕方ないが、悪い気はしないのである。
 でもふと考えることがある。母親以外から誕生日のプレゼントもチョコレートももらわないとなると男にとって最悪の2月14日ではないか。もう24歳だが、そんな年があったかどうかはまだ聞けないでいる。
 さて我が方は最近、来年は多くの人が誕生日を祝ってくれるからね、と強がりを言うことにしている。8月11日が国民の祝日の「山の日」に決められた。言う自分が情けないが、良いのだ。来年から誕生日は朝から一人でビールを飲んで祝うことに決めているのだ。

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