日記

日本の未来のために・・・元慰安婦の方々に宛てた「小泉総理大臣の手紙を読んでみよう」

歴史を無視すると言うか、あえて目をつぶると言うか、そんな姿勢の無責任な政治家の発言。勇気をもって本音をあえて発言したように装い、他人や他国を傷つけても人気を得ようとするどうしようも政治家。心無しかそんな政治家の発信に賛同する人々も増えてきたようにも思う。最近のヘイトスピーチやネト右翼の人々などなど。被差別者が差別者として誰かを差別し、貧困が怨嗟を助長する。しかし一方で良識をもって懸命に生きようとする人々もいる。必ず後者が多数で社会が崩れ落ちるのを支えるということを信じたい。事実、ヘイトスピーチのデモに批判する人々も増えてきたし、橋下発言に対する国内外の批判もそうだ。

そんななか、ジャーナリスト江川紹子さんが書いた「日本が誇るべきこと、省みること、そして内外に伝えるべきこと〜「慰安婦」問題の理解のために」をみた。「女性のためのアジア平和国民基金」というのがあったことを知る人は少ないのではないか。国内でも国外でも賛否両論あったが、一定の成果のもと2007年に解散した。その基金の呼びかけ人の1人だった大沼保昭さんとの対談も記載されている。その記事で基金発足時の総理大臣、小泉純一郎さんの手紙を初めて読んだ。歴史はなぜここから後戻りばかりしようとしているのか不思議でならない。以下全文である。

拝啓

このたび、政府と国民が協力して進めている「女性のためのアジア平和国民基金」を通じ、元従軍慰安婦の方々へのわが国の国民的な償いが行われるに際し、私の気持ちを表明させていただきます。

いわゆる従軍慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題でございました。私は、日本国の内閣総理大臣として改めて、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを申し上げます。

我々は、過去の重みからも未来への責任からも逃げるわけにはまいりません。わが国としては、道義的な責任を痛感しつつ、おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えるとともに、いわれなき暴力など女性の名誉と尊厳に関わる諸問題にも積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。

末筆ながら、皆様方のこれからの人生が安らかなものとなりますよう、心からお祈りしております。

敬具                                             平成13(2001)年     日本国内閣総理大臣 小泉純一郎

以上

末尾の署名は自筆であった。                         江川さんは、「橋本龍太郎氏に始まり、小渕恵三、森喜朗、小泉純一郎各氏と歴代四人の総理大臣が署名した。この重みは、とても大きい。昨今、「慰安婦」問題について、政治家が語る言葉を聞いていると、この重みが忘れられているような気がしてならない」と評している。まったくその通りだ。時代を後戻りさせようとする卑屈な復古主義者の登場で、日本の政治や国民の思想の時計が逆回転し始めている。止めるのは良識をもって懸命に生きようとする側でしかない。

江川さんの記事は→ここをクリック 是非読んでください。

2013-05-26 | Posted in 日記No Comments » 
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