日記

日本の未来のために・・・「ポツダム宣言を読もう」

今回は「村山談話を読もう」の続きだ。我国は先の大戦の敗戦国である。未だにこの事実を受け入れたくないのだ、としか思えない人々がいる。敗北は事実であり、ポツダム宣言を受け入れ、戦後の日本の復興がスタートした。世界の歴史はそれで動いている。いつまでも「侵略ではない」とか「従軍慰安婦は必要だった」とか強がってみても、世界は納得しない。政治家はそのことを肝に銘じていなければならない。

そのポツダム宣言は、1945年7月26日、米、英、中華民国の大統領、首相、主席名で当時の大日本帝国に対して発せられた。内容は「日本軍の無条件降伏」など13条からなる。以下に現代語約の全文を掲載する。当時が如何に過酷で緊張した状況であったかがわかる。簡単に言えば激烈な脅し文である。例えば3条。「全ドイツを灰燼させる力よる遥かに大きい力を結集している。(降伏しなければ)日本国土を徹底的に荒廃させる」とか。例えば10条。「日本を人種として奴隷化、国民として絶滅させる」とすごい表現が並ぶ。しかし戦争とはそういうもの。日本は、いつ仕返しするかわからない敵国なのである。10条の本旨は「捕虜を虐待したものを含めて、すべての戦争犯罪人に対しての断固たる措置ができれば、そんなことはしない」と譲歩しているわけだ。言うまでもないが、ポツダム宣言が求めるのは軍に対する無条件降伏であり、軍国主義の一掃であり、戦争犯罪人への処罰であり、民主主義の強化であり、基本的人権の尊重である。

日本はこれを受諾することで、日本民族と国土を守ったことになる。そう考えれば、先の政治家の発言やA級戦犯が合祀される靖国神社への参拝が、旧連合国の諸国にとってどんな意味合いのものかわかるではないか。

1 われわれ、米合衆国大統領、中華民国主席及び英国本国政府首相は、われわれ数億の民を代表して協議し、この戦争終結の機会を日本に与えるものとすることで意見の一致を見た。

2 米国、英帝国及び中国の陸海空軍は、西方から陸軍及び航空編隊による数層倍の増強を受けて巨大となっており、日本に対して最後の一撃を加える体制が整っている。

3 世界の自由なる人民が立ち上がった力に対するドイツの無益かつ無意味な抵抗の結果は、日本の人民に対しては、極めて明晰な実例として前もって示されている。現在日本に向かって集中しつつある力は、ナチスの抵抗に対して用いられた力、すなわち全ドイツ人民の生活、産業、国土を灰燼に帰せしめるに必要だった力に較べてはかりしれぬほどに大きい。われわれの決意に支えられたわれわれの軍事力を全て用いれば、不可避的かつ完全に日本の軍事力を壊滅させ、そしてそれは不可避的に日本の国土の徹底的な荒廃を招来することになる。

4 日本帝国を破滅の淵に引きずりこむ非知性的な計略を持ちかつ身勝手な軍国主義的助言者に支配される状態を続けるか、あるいは日本が道理の道に従って歩むのか、その決断の時はもう来ている。

5 これより以下はわれわれの条件である。条件からの逸脱はないものとする。代替条件はないものする。遅延は一切認めないものとする。

6 日本の人民を欺きかつ誤らせ世界征服に赴かせた、全ての時期における影響勢力及び権威・権力は排除されなければならない。従ってわれわれは、世界から無責任な軍国主義が駆逐されるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能であると主張するものである。

7 そのような新秩序が確立せらるまで、また日本における好戦勢力が壊滅したと明確に証明できるまで、連合国軍が指定する日本領土内の諸地点は、当初の基本的目的の達成を担保するため、連合国軍がこれを占領するものとする。

8 カイロ宣言の条項は履行さるべきものとし、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとする。

9 日本の軍隊は、完全な武装解除後、平和で生産的な生活を営む機会と共に帰還を許されるものする。

10 われわれは、日本を人種として奴隷化するつもりもなければ国民として絶滅させるつもりもない。しかし、われわれの捕虜を虐待したものを含めて、すべての戦争犯罪人に対しては断固たる正義を付与するものである。日本政府は、日本の人民の間に民主主義的風潮を強化しあるいは復活するにあたって障害となるものはこれを排除するものとする。言論、宗教、思想の自由及び基本的人権の尊重はこれを確立するものとする。

11 日本はその産業の維持を許されるものとする。そして経済を持続するものとし、もって戦争賠償の取り立てにあつべきものとする。この目的のため、その支配とは区別する原材料の入手はこれを許される。世界貿易取引関係への日本の事実上の参加はこれを許すものとする。

12 連合国占領軍は、その目的達成後そして日本人民の自由なる意志に従って、平和的傾向を帯びかつ責任ある政府が樹立されるに置いては、直ちに日本より撤退するものとする。

13 われわれは日本政府に対し日本軍隊の無条件降伏の宣言を要求し、かつそのような行動が誠意を持ってなされる適切かつ十二分な保証を提出するように要求する。もししからざれば日本は即座にかつ徹底して撃滅される。  以上

繰り返すが、日本の戦後の歴史はここから始まる。これは覆らない事実。この歴史の現実を直視して、そこから21世紀に相応しい日本国や東アジアをつくる努力をすることこそ「敗戦国日本」の責務である。「侵略の定義が定まっていない」などと誤摩化して、歴史を直視しない、否、できないことの方が卑屈な精神といえる。

2013-05-23 | Posted in 日記No Comments » 
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