日記

寛容の中道

「サンクチュアリ」とは赤松元農林水産大臣を代表とする民主党の政策グループだ。今夏の民主党代表選挙で代表の赤松さんが立候補した頃から、(ほとんど命令で)僕は事務局次長を勤めている。メンバーは、幹事長の輿石さんや今度代表になった海江田さんなど20人ほど。以前はもっと多かった。逢坂さんや山花さんなど錚々たるメンバーが選挙で敗北、戻ることができなかった。残念でしかたがない。

マスコミはこのグループを「旧社会党グループ」と紹介することが多い。この表現がメンバーにすこぶる評判が悪い。確かに赤松代表等労組系もいるが、そうでない人も多い。実際にメンバーの考え方も政策方針も「リベラル」である。前回の代表選でも、マスコミは4人の候補者の中で赤松さんただ一人をリベラルとして紹介ししていた。事実、演説原稿も「民主リベラルの結集」という表現を使った。
リベラルは「自由主義」とも訳されるが、福祉国家的な新しい自由主義を意味する。しかし日本では、この「リベラル」や「社会民主主義」という言葉が少々矮小化し、少々「左」がかってイメージされている。55年体制下、野党第一党である社会党は、実現不可能な社会主義革命を掲げ、労働組合から支持を引き受ける「革新政党」として存続価値を見つけ、変えることはなかった。一方で自民党は、保守層だけではなく、社会党では抱えきらない資本主義や自由主義的価値観、ひいてはリベラルをも内包した政党となった。これらのことが日本でのリベラルや社会民主主義のイメージに影響していると思う。本質は何も変わらぬままに、名前だけ社会民主主義的名称に変更した社会党=社会民主党の存在も大きい。

さて今回の代表選挙。選挙前の集会で海江田さんは、これからの民主党が進むべき方向性を「寛容な中道」と表現した。同集会に参加した細野さんも表現は違うが「中道」というイメージを強調した。ざっくり言うと、右でも左でもなく、多様な価値観に寛容である政党ということになろう。寄って立つ国民は普通の国民=生活者や市民ということになる。
保守色を強め右に振れた自民党が圧勝。さらに急進的な維新の会も50を超える議席を確保した。もっと新自由主義路線をと主張するみんなの党も健在である。奇しくも各政党が右色を強めたことで、日本でも「リベラル」の思想が確立するかもしれない。表現は日本的に「寛容な中道」でもいいではないか。思想的に何でも受け入れる曖昧模糊の民である私たち日本人が、世界では当たり前の「リベラル政党」の必要性を強く感じるであろうこの時こそ、我が民主党がもう一度、今度はしっかりと成熟した政党として成長するチャンスなのだと確信的に強く思う。

代表選挙が終わり会場を出て空を見上げた。様々な青を混ぜ合わせたような清々しい、まさにリベラルブルーが広がっていた。

そう言えばこの代表選からいつまにか事務局長にさせられていた(_ _。)・・・

 

 

2012-12-26 | Posted in 日記No Comments » 
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