2019-05-22

江戸時代もあった東京一極集中。

 東京一極集中は日本人の性癖なのか。DNAに組み込まれた遺伝子がそうさせるのか。あの江戸時代も江戸一極集中が問題となっていたそうだ。
 今日の朝日新聞朝刊の特集「耕論」の「東京の大学めざすな?」が面白い。歴史学者の藤田覚(さとる)さんが寄稿した「江戸時代に失敗した政策」を読んでなるほどと思った。
 多すぎる首都の人口を減らす、ことがかつてこの国で政策課題に上った。それは天保年間(1831〜45)の老中・水野忠邦の頃で、なんと「人返しの法」として実施されたというからすごいではないか。江戸に出ていた農民を村に返し、逆に農村から江戸への流入も禁止した。
 当時の江戸は人口110万人の世界一の都市だった。仮に当時の国の人口を3000万人とすれば、3.7%が江戸に住んでいたことになる。110万のうち約半分がその日暮らしの下層町人という。ひとたび飢饉や大火事等の大惨事が起きれば、とても対応できないと幕府が考えたのも合点がいく。「天保の大飢饉」を何とか乗り切った矢先なので緊急性もあったのだろう。江戸に人が集まることは、主に職を求めての農民層が中心となれば、農村では人口減が進むことになる。封建社会だから農民が減ればその分年貢収入も減る。これも幕府にとっては大変なこと。「人返し法」は江戸の治安上の問題と農村の生産力回復という2つの目的を持っていたと藤田さんは書いている。
 さてでは「人返し法」は成功したのか。実は効果が上がらなかった。藤田さんの話にはあの遠山の金さんも登場する。実は当時江戸町奉行だった金さんは、この法に反対した。理由は、農民が江戸に出てくるのは「過重な年貢負担を強いるからだ」と主張。地方の実情を考慮せずに江戸の人口抑制に取り組んでも、成果は上がらないという訳である。実際そのとおりだった。
 現代の東京一極集中はどうか。東京都の人口は約1300万人。実に全人口の約1割が東京都に集まってしまった。天保の時代よりはるかに深刻な一極集中なのである。人が多い分、高齢者の人口も多い。千葉県、神奈川県なども入れると関東圏の65歳以上の人口は1000万人を超えている。当然高齢化の進行でもっと増える。施設が足りるわけがない。地価がこんな高いところで、高齢者施設の経営は成り立たない。地主や企業は効率が良くもっと儲かる活用しかしない。必然的に東京では普通の高齢者が入居できる施設は不足する。同じことは保育にも言える。
 どうするつもりだろう。ある時、官僚に聞いてみた。その回答は、「出ていってもらうしかないですね」。お金を持たない高齢者は自己責任で東京からどこかに引っ越すしかないということなのだ。つまり策がないのである。
 「人返し法」といった実力行使をやった江戸時代の方が、江戸一極集中や農村人口減を深刻に考えていたのかもしれない。
 江戸時代も現代も、必要なのは地方が今より魅力的になり、暮らしも充実すること。そのためのあらゆる政策を戦略的に進めていかなければならない。例えば地域に人が住む以上絶対必要な公共サービスである保育、教育、医療、介護などを充実させ、そこに従事する人を増やすことで雇用を生むことも一つの政策だ。権限財源移譲も本気で進めなければなるまい。やることは一杯ある。選挙目当てのような地方創生やふるさと納税といった政策に時間と労力を費やしている場合ではないのだ。

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2019-05-21

福山駅前はバラで一杯でした。

 昨日、党の用務で福山市へ行ってきました。福山市って何県にあるか知らない人が多い、と以前福山市の人が言っていました。広島県です。広島県といえば広島市があまりに有名なので、確かにかすんでしまうのかもしれません。県東部に位置し、人口46万人の大きな都市なんです。
 福山駅を出ると、なんかいい匂いがします。そんな思いで何気なく花のアーケードを通ると、匂いの主がわかりました。薔薇です。バラのアーケードなのです。そう気づくと花壇の花もぜ〜んぶバラ。あとで聞けば一昨日までバラまつりが行われていたそう。福山市はバラで有名なんです。
 調べてみると、戦争中の空襲の惨禍を悼み、荒廃する街を憂いた福山市民有志が、1956年に市内の空き地にバラの苗約1000本を植えたことが、福山市とバラの起源のようです。あと、宮崎アニメの「崖の上のポニョ」で有名になった「鞆の浦」も福山市です。IMG_0491

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2019-05-16

ふるさと納税処分で、名ばかり地方分権が露呈。

 国の言うことを聞かない自治体がついに処分されました。泉佐野市など全国で4自治体です。ふるさと納税の返礼品を巡って総務省の再三の自粛要請に従わなかった。よってふるさと納税の優遇措置を受けられなくする、ということです。処分ではないと反論されそうですが、やっぱりお仕置きでしょう。仲間はずれという「いじめ」にも近い。
 子どもたちの会話です。ある子が「氷がとけたら何になる?」と問題をだします。ある子は「水になるよ」と答える。別な子は「春になる」と答えます。横で聞いていた大人はほのぼのとした気持ちになったりします。
 これが学校だったらどうでしょう。理科の授業中だったら「水になる」が正解でしょうし、国語の授業であれば「春になる」が感性豊かで良いね、となったりします。自由討議中だったら両方正解ですよ。「理科の質問です」と言わずに質問した先生が、「春になる」と答えた子を「それは間違い」と怒鳴りつけ、教室から追い出した、今回の処分はそんな感じがします。
 返礼品が豪華である。返礼品が地元産品ではない。など批判が相次ぎました。でもそもそも最初から返礼品競争を煽る制度だった。もっと言えば競争が激化しなければこの制度は今のように全国に広がるはずがなかったのです。
 ふるさと納税と「納税」という言葉を使っていますが、ふるさと納税は税金ではありません。「金品を贈る」という寄付行為です。「贈る」とは感謝、愛情、支援などの気持ちを表す際に金品を与えること。ですから、ふるさと納税は本来見返りを前提にした制度であってはならなかったはずです。これまでどおり寄付控除の対象くらいで良かった。しかしそれでは国民に広がるはずがないわけです。誰が考えてもわかりきっていたことです。しかし知恵者がいて見返りの返礼品を制度に組み込んだのです。そして手続きを簡素化した。手数料目的でふるさと納税を仲介する業者まで現れ、劇的に制度が広がります。関心がなかった自治体まで我も我もとこぞって制度を利用するようになる。豪華返礼品競争は起きるべくして起きたのです。
 ではもともと「ふるさと納税」とはどんな制度か。
 「この町」に住んでいる「ふるさと君」が「あの村」に3万円のふるさと納税をすることにしました。するとあの村から、14500円相当の返礼品が送られてきました。返礼品はあの村の特産品ではありません。でもふるさと君は知りません。ふるさと君は所得税20%適用のサラリーマンです。ふるさと君とこの町、あの村の損得勘定はどうなるでしょう。

まず、ふるさと君。
 ふるさと納税額は2000円(ふるさと納税下限額)を超えないと優遇措置を受けられないので、ふるさと君は国から、(3万円−2000円)×20%=5600円の所得税が還付されます。そして、この町では28000円(3万円−2000円)−5600円=22400円が住民税から控除されます。ふるさと君は、3万円のふるさと納税の結果、5600円+22400円+14500円(あの村からの返礼品)=42500円相当の利益を得ました。つまり12500円の儲けです。
 
あの村、はどうでしょう。
 ふるさと君からの3万円のふるさと納税は、あの村の地方交付税基準財政収入額算入外の収入ですから、3万円まるまる収入となります。返礼品の送付や選定等の事務料が3千円かかったとします。あの村は地元産品が無いので隣町から14500円相当の返礼品を購入しました。あの村の利益は、3万円−(14500円+3千円)=12500円の儲けとなります。

この町は、どうでしょう。この町は大きな企業も無く税額は豊かではありません。ふるさと君から入る予定だった住民税22400円がなくなるのは痛い。しかし、ふるさと納税はこの町のような自治体のために、税収減を交付税で補填することにしています。ですから22400円×75%(100%−交付税留保財源25%)=16800円が国から補填されます。ですから、この町の損失は22400円−16800円=5600円です。
※交付税をもらっていない裕福な自治体、例えば東京都などは、補填は受けられませんので、納税額まるまるが減収となります。でも東京のような裕福自治体は圧倒的少数なので、反対は黙殺されます。

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 ふるさと君に対し公共サービスを提供している。言い換えればお金をかけているあの町だけが損をします。ふるさと納税制度が、税の応益原則に反するといわれるのはこのためです。
 またふるさと君とあの村の関係も損得の算盤勘定の上になり立ちます。
 3万円のふるさと納税での返礼品の額の幅は、2千円より高額で(ふるさと納税下限額の2千円以下ではふるさと君が損をします)、納税額3万円から3千円の返礼品事務手数料を引いた27000円より安い、つまり2000円<返礼品<27000円の不等式が成り立ちます。返礼品事務手数料が同じと仮定すれば、この不等式の範囲内でふるさと君は納税自治体を選び、あの村は不等式の範囲内で他自治体と返礼品競争を強いられる。これがふるさと納税制度の実態です。もともとこういう制度だった。泉佐野市などは、この制度を最大限活用し収入を上げていた訳です。寄付という非資本主義的行為を税制度の特例と返礼品を組み合わせることによって、見事に資本主義制度に変えてしまった。
 おかしな制度をつくっておいて自治体間競争を煽り、批判が増えたから今度は、また法律をつくって自治体を脅す。国と自治体は対等平等のはず。しかし実態は国の言うまま命ずるまま。名ばかり地方分権を見せつけた「ふるさと納税騒動」でした。
 この制度、そのうちまた問題が起きます。規制をかけても規制の枠内で返礼品競争は激化するでしょう。自治体間の格差は広がり、不満は蓄積します。さらに規制をかければ消費者にとって魅力はなくなり、納税額は激減するでしょう。
 いずれにしてもいっときの夢の宴。そんな制度に付き合うよりもっと他のことにお金や人や知恵を使った方が良いに決まってます。

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2019-04-23

奈良県で初の立憲議席が誕生しました。

 自治体選挙後半戦お疲れ様でした。フェイスブックなどでは次々と当選がアップされましたね。皆さんおめでとうございます。
 さて県連代表である奈良県です。前回、大阪からの維新風に晒されたこと、県議選公認5人を全員落選させてしまったこと報告しました。後半戦は生駒市議選に一人公認候補を出して戦いました。定数24を35人で争う大激戦の選挙でした。
 結果無事当選です。ほっと胸を撫でろしました。ありがとうございます。
 当選した上村京子さんは僕と同じ福岡県出身。生駒市に41年間住んで、4人の子どもを育てあげ、地元サッカークラブの代表や障がい者保護者会代表などのボランティア活動を熱心に頑張ってきた方。年齢はぼくより上ですが、そのバイタリティや旺盛なやる気、好奇心には驚きます。
 とにかく奈良県に立憲の根が一つできました。良かった。

「西風にもがき晒され根一つ」 
 生駒市民のほとんどは大阪通勤者。当然大阪から維新という風を連れてきます。維新という春疾風が吹き荒れた地方選挙でした。

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 選挙戦が終わった夜。生駒の空に満月が浮かんでいました。それまでの大音量の戦いがどこか違った世界だったような、そんな夜でした。

「戦場(いくさば)はしんとしてふわり春満月」

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2019-04-10

軽減税率導入に必要な財源は1.1兆円。これって増税分の2割分。

 統一自治体選挙前半戦が終わり、今週月曜日に久しぶり東京に戻りました。先月末に奈良県に入り、奈良市、生駒市、天理市、生駒郡をずーっと街頭演説で一週間まわっていました。しかし結果は公認の5人の県議候補全員を落選させてしまい、意気消沈での帰京です。しかし奈良は寒かった。先月末から今月初めにかけて、気候は全国的に冬に逆戻りだったようですが、それでも奈良は本当に寒かった。底冷えとはこんな寒さのことだろうと痛感しました。もちろん奈良の寒さに驚いたのは、この時が初めてではなかったのでウインドブレーカーと半袖のヒートテックシャツを一枚持って行ったのですが、それではとても防ぎ切れない寒さでした。
 さて今回も前回に続き代表質問要旨の続き。

 消費増税による消費落ち込みの緩和策の一つが、国民を混乱せしめ、税収そのものの減収につながるとんでもない愚策の軽減税率です。導入に必要な財源は1.1兆円。2%の増税分の税収が約5.7兆円ですから、その2割が消えることになります。
 財源1.1兆円のうち、6000億円を、昨年度改正した「個人所得課税」等の見直しで捻出するとしています。
 昨年行った「個人所得課税の見直し」は、高所得者の給与所得控除や基礎控除などの適用を制限するという、所得再分配機能の回復を図る観点から行われたものです。財務省が先日示したように、財源1.1兆円のうち、約3千億円が高所得層へ振り向けられることが明らかになっています。軽減税率は、高所得層ほど恩恵が大きいのは明白です。軽減税率財源に、所得再分配機能の回復のために行った個人所得課税の見直しで得た財源を充てることは、高所得者から徴収した税金の多くを高所得者に還元することになります。これで国民の納得が得られるとは思えません。
 税制を通じた格差是正を実現するのであれば、金融所得課税の強化に早急に着手すべきでした。それにも関わらず、与党内で進められた検討は、早々に見送られました。株への投資意欲を下げ、アベノミクスに影響を与えるという理由からでしょうか。だとすればこれもアベノミクスの悪影響と言わざるを得ません。
 金融所得課税は分離課税であるため、株式を多く保有する富裕層ほど所得税負担が低下します。主要国と比較しても我が国の金融所得課税制度が厳しいとは到底言えません。所得再分配機能を回復し、格差を是正するためにも税率の引き上げを検討すべきです。

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