2016-12-08

自然成立を前に採決が強行されそうなTPPと関連法案。

 新自由主義にもとづいた自由貿易を僕は「新自由貿易」と呼ぶ。みんな使い出さないかな、と思っていたら同僚の徳永参議が「反対討論で使っていい?」と聞いてきた。「どうぞ。どうぞ」である。
 さて強行採決を前にTPP質疑での政府答弁のうそを暴くとします。
 まず農業。「輸入も増えるが輸出も増え、攻める農業への転換が可能」は本当か?
 日本の平成27年度の農林水産物の輸出国の円グラフ。アジアへの輸出が73.5%を占める。その内訳は1位が香港、2位台湾、3位中国、4位韓国、5位タイ。これだけで全体の約6割、アジア分の8割以上を占める。しかしこの国はいずれもTPPには参加していない。6位にベトナム、7位にシンガポールとやっとTPP参加国が顔を出す。輸出のお得意先が入らないTPPでは農林水産物の輸出増などたかがしれていることになる。img_2599
 一方輸入はどうか。農産物全体ではTPP参加の米国、オーストラリア、カナダの農産物大国が38.4%を占める。品目別に見ると小麦はこの3国でほぼ100%。牛肉はオーストリア、米国、ニュージーランドのTPP三カ国でほぼ100%。豚肉は米国34.1%、カナダ18%で二カ国で半分を占める。とうもろこしは84.3が米国。大豆も米国が62.9%、カナダが15.6%。このように輸出と違って、輸入国のほとんどはTPP参加国なのだ。img_2600
 これに加え遺伝子組換えの米の輸出も虎視眈々と狙っている。
 この現実から言えること。TPPによって輸入はさらに増える。特に肉や乳製品は激増する。国内業者はそうとう淘汰されるが、それに反して輸出が伸びることは殆どない。

 「大企業だけでなく中小企業も関税撤廃により輸出や海外進出が可能となり、新たな雇用が生まれる」は本当か?
 言うまでもなく、国内雇用者の9割は中小零細企業で雇用されている。その業者数は約380万者。ではこの380万のうちどれだけが今現在、輸出をしているか。実は正確な数字は把握されていないが、2011年でおおよそ6,336者。0.2%にもならない。中には当然、新たに輸出をと考える中小企業主がいるだろうが、それでもわずかであろう。つまり殆どの中小零細企業は輸出なんて考えもしないし、できないのが実態だ。

 農業生産者も中小企業もそのほとんどというかほぼ100%が国内需要で成り立っているのが現実。「攻めの農業、輸出増で雇用増」といった夢言葉でTPPを正当化するのは、大問題なのだ。

 もう一つ。政府の試算では「TPPでGDPが2.6%増加する」は本当か?
 積み上げの計算方法が疑問視されるが、あえて正しいと仮定してみよう。輸出で0.6プラスだが、輸入も0.61増える。これはマイナスになるから輸出は相殺される(というかマイナス0.01じゃん)。ほかは政府消費(公共事業)が0.43%、民間投資が0.57%、民間消費が1.59%。これを全部足して2.59%となる。これ全部が国内需要。どこか無理ある数字であることは一目瞭然です。異次元の金融緩和、膨大な公共事業やっても上向かない国内需要がなぜTPPで上向くのでしょうか。大いに疑問です。

 このように非常に胡散臭いTPPのプラス効果。まともな議論というか回答もしないまま、明日にも強行採決されるTPPと関連法案です。しかも発効することは100%ありえない条約を。

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2016-12-06

粛々と採決か。

 前回のブログでTPP特別委員会での強行採決を自民がするはずだと書いたが、どうもそうではない雰囲気だ。
 審議不十分や国民の反対を理由に関連法案に関しての採決を認めない抵抗を行い、与党の強行採決を際立たせるのが闘い方だと考えていた。しかし、自然成立を前に、我が民進党が粛々と採決に応じるようだ。もちろん反対ではあるが。
 これだと委員長の采配も何も必要ない。官邸の無謀さも中程度の印象か。何となく釈然としないが・・・。

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2016-12-05

白けてきたTPP議論。ここは林委員長の出番です。

 一気にTPPに対する国内、世界の感心が薄れてきた。しかし国会では今日も質疑が行われている。質問者も回答者も何となく白けてきている。本当に参議院でも採決を強行するつもりなのだろうか。安倍さんの面子もある。そう簡単には引けないのもわかる。
 そこで一つの提案だ。官邸の面子もたて、強行採決という再びの馬鹿げて間の悪いこと防ぐ秘策。参議院での強行採決は自民党にとっても百害あって一利なしなのだ。みんなそれはわかっている。
 さてその提案だが、それは立法府の威厳を理由に林委員長が特別委員会での採決をしないこと。それしか方法はないだろう。通常は三権分立は建前の国会運営。現実は行政府の長である安倍総理の言いなりである。ここは真っ当な本当の三権分立の国会運営を委員長してもらうだけだ。
 理由はいくらでもある。国民の反対や慎重審議の声の多さ。審議が深まっていない。世界情勢の変化が早急な判断を必要としなくなった。そして何と言っても強行採決はすべきではない、ということ。建前としての正義には十分だし。表向き官邸も反対できない。裏で話し合っておけば、「なんとか採決をお願いしたい」といったコメントを出すだけで良い。総理の顔も立つ。
 何もしなくても10日にはTPP条約は自然成立する。しかし関連法案は別で、14日の会期末まで委員会採決をしなければ、審議未了廃案。継続扱いにすれば次国会で審議もできる。
 これしか官邸も国会(与党も野党も)も国民も納得の三方一両損の策はない。
 ただ問題は、これだと安倍総理の強硬ぶりが少し和らぐこと。自民党の支持率が上がるだろうこと。そうなると年末解散だって総理が踏み切るかもしれないこと。今週が山場である。自民党にそんな策ができる策士がいるか。それとも総理の面子を立てる愚策に党もろとも突っ込むか。後者が濃厚であろうことは疑う余地はないが。

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2016-12-01

中小にまで官製賃上げの強制。

 9月になって日経新聞が、「東証一部上場企業の4社に1社の筆頭株主が国になった」という記事を掲載した。年金基金と日銀資金で株を買い漁った結果である。まさにトランプ現象以前の株価は官製相場だった。そこまでしなければアベノミクスの失敗が露呈し、内閣支持率も落ちる。しかしいつまでも官製相場は維持できるものではない。
 株価が保たれている内になんとかしなかればならないのが国内需要喚起。そのためにはまず来春闘での大幅賃上げが絶対条件である。今年も、昨年も大企業の賃上げはそれなりに行われた。官製春闘と揶揄されたが、一向に消費は上向かなかった。その理由を政府を中小企業の賃上げが進まなかったからだと言いたいらしい。
 政府・与党の2017年度の税制改正の大枠が報道された。企業の賃上げを促す減税制度を拡充し、前年度と比べて給与を2%以上増やした中小企業に、給与総額の増加分の22%を法人税額から控除できる仕組みを導入するそうだ。減税までして中小企業に賃上げを要求する。
 そんな付け焼刃的官製賃上げで消費が上向くだろうか。そんな訳無いだろう。そもそも中小企業の7割は法人税を払っていない。だから官製賃上げの枠外である。では3割の中小企業が大企業のように内部留保を溜め込む余裕のある経営をしているだろうか。
 昨日寿司屋の大将が嘆いていた。築地の河岸に来る業者がほとんどいない、そうだ。それほど景気は冷え込んでいる。大企業や一部のお金持ち、サラリーマンがどんなに潤っても消費者としての絶対数はたかがしれている。その結果が河岸の人気のなさなのだ。東京でさえこうだから地方はもっと大変である。
 いいかげんに成長神話から目を覚まし、成熟社会へ方向転換しないと、できもしないアベノミクスにミスリードされ本当に日本経済がパンクする。そうなったら社会保障の充実や教育の無料化など格差貧困対策が本当にできなくなる。

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2016-11-28

フランケンフィッシュと新自由貿易。

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 小さい方が普通の鮭であり、大きい方が俗称フランケンフィッシュと呼ばれる鮭。自然界には通常存在しない。深海魚の遺伝子を組み込んで人工的に作られた。通常の2倍の速度で成長し、大きさも巨大になる。アメリカのアクアバウンティー・テクノロジーという会社が開発し、アメリカではすでに市場に出回っている。
 さすがアメリカだと思うが、やはり向こうの人もこの魚には拒否感があるのは当たり前で、200万の反対署名で抵抗した。しかし結果は負け。それでもウォルマート以外のスーパーでは店頭に置かないでいると聞いている。
 メガ自由貿易協定で遺伝子組換え食品が扱われるのはTPPが初めてである。アメリカの食料会社が結構力を入れた。TPPでは遺伝子組み換え食品の定義も明記している。「モダン・バイオテクノロジー生産物」と呼ぶ。なんか遺伝子組み換えの方がストレートだけど、こうなっている。そして生産物とは何かも定義されている。遺伝子組み換えと言えば「農産物」が一般的だ。遺伝子組換えの大豆やとうもろこし。今では米もある。ところが今回、農産物に加えて「魚及び魚製品」もちゃんと定義されている。これだともう誰が考えても「フランケンフィッシュ」のことと思うしかないではないか。戦略的に日本に入れたいという下心が見え見えのTPP協定書になっている。
 日本は原則的に遺伝子組換え製品は国内流通を許可していない(「原則的に」という曖昧さの内実は別の機会で説明)。委員会での私の質問にも政府は、「TPP協定は今現在の自国の規定を変えることまで求めていない」「もし将来要請を受けても遺伝子組換え生産物(フランケンフィッシュ)輸入を拒否できる」と言い続けた。私の部屋に説明に来た消費者庁の役人も、そんなことになったら「体を張って止めます」と気合を込めていた。
 気持ちは評価しても、現実味は乏しい。なぜなら協定文では、もし輸入を認めないと政府が思うならば、「認めない合理的理由をを示せ」となっていて、合理的理由は「危険性の科学的根拠」となる。つまりフランケンフィッシュを食べると身体に悪い影響を与えるという「科学的根拠」を示さなければならない。これが難しい。そもそもあちらではアメリカ食品医薬局というれっきとした政府機関が安全性を認めている代物なのだ。「体を張って戦う」と言ったて勝負は見えているでしょう。というか、そのころは、委員会で答弁している人も消費者庁の役人も、もうだ誰も関係部署にいないでしょう。
 TPPが発行し、数年したらフランケンフィッシュは間違いなく日本のスーパーに並ぶでしょう。良かったトランプさんのお陰でそうならないから。と安心するのはまだ早い。日米FTAをトランプ大統領が迫ってきたら日本は結ぶ。間違いない。少しの時間的余裕をもらった訳だから、もう少し政治を真剣に考えようではないか。政治は遠いところで関係ないと思っていたら大損する。政治は超リアリティの世界である。
 

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